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フルダイブ・テストプレイヤー「勇者に訪れる161の結末」  作者: 虹鳥
仕事、第4週目

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エンディングリスト No52

まさか生まれてこの方、ドラゴンに食われて死ぬなんて体験をするとは

取り合えずは予定通り、メチアツ火山でエンディングを迎えた後はメチサム氷山で同じ場所のエンディングを迎えることにしよう

鏡合わせになっているからそこは気を付けないとな


まずは家を出て、王城はスルー…本当だったらやられた仕返しに剣を持って行きたいけど後にに移そう

草原を抜けて獣道へ、ダイナマイトで廃坑を開通させたのちに引き返す

ヤスラギ湖のアイテムショップに行き


「いらっしゃいませ!

好きな商品がありましたらあなたのアイテムと交換してください!」


今回はメチサム氷山へ行くので耐冷スーツとダイナマイトを交換する

獣道にある廃坑経由で行くことに


……

…………

……


昼の終わり辺りに氷山との境目にたどり着いた

真っ白な道が見えて歩んでいく

こっちも確か分かれ道まで一本道だったはずだ

周囲に見える樹氷などを楽しみながら歩いて行く


そういえば、メチアツ火山ではドラゴンがいたけど

このメチサム氷山では同じようにドラゴンがいるのだろうか?

いや、雰囲気的にドラゴンは灼熱のイメージがある

そうなるとアイスドラゴンでもない限り雰囲気が合わない気がする

だったら何の強敵がいるのが妥当かな?

雪男とか?いや雪女とか?氷に関する神話生物って思えば思い浮かばないな…水ならガーゴイルとか何体かいるけど

仕事で作ってみようかな?


時間帯が夜頃になると分かれ道に

もちろんこの道は洞窟の方へ向かっていく

この先へ行けば沢山の道が見えてくるはずだ…


「(あった…)」


前の周はたしか、まず一番右端を進んで行った

改めて鏡合わせを確定させるために左端を進んで行ってみる


「(ここは走って行ってみるか、転んでもダメージを受けないからな)」


とはいえ全力疾走はフルダイブゲームでも疲れそうだからあまりやりたくはない、ジョギングぐらいのスピードでいいだろう

氷と言うかクリスタルのような道を走っていく

再び広い所に出た時は…やっぱり分かれ道がいっぱいある所に出た

何となくテンションが上がって再び左端にはいって右端から出て…………まるでトンネルをくぐるハムスターのように走り回ってみた

どうやら、おんなじ道をグルグルと10回ほど回ってみたけどエンディングは入らないらしい


「(すでにラジオ体操で準備運動してきたけど、これもまた準備運動の1つかもな)」


走り終わったので、これから向かうことにする

メチアツ火山ではたしか右端の1つ隣を進んで行ったらドラゴンがいた

それなら左端から1つ隣に行けばいるはずだろう、何か強敵がいるはずだろう

アッチは黄色い光が見えて金銀財宝があったけど、こっちはどんな光が……


「(………光は見えてこないな…)」


と言うよりも、この洞窟は周囲が氷だからちょっと明るく見えてしまう

そんな感じに歩いて行くと………


「(え?は?)」


アッチは金銀財宝があった、こっちには………氷像があった

氷上は本当にいくつもあって、100ぐらいあるのだろうか?

入り口からだと影になっている所があるから、分からないけど…


「(ドラゴンの一件を考えると、入った瞬間に何か現れて出られなくなるだろうな)」


それだったら今の時点で観察をした方がいいかもしれない

おいてある氷像は老若男女…って訳ではないけど、なんだか若い人が多い

恰好は…ん?なんか俺の着ているような肩と肘と膝にプロテクターが付いている冒険者の様な格好だ

若いとは言っても、子供はいなくて若い大人…………


「………」


おかしいな、耐冷スーツを着ているはずなのに寒気がしてきた

見た限り、「氷でできた像」に見えるはずなんだけどこれってまさか、上にあるような雪まつりと違って「人でできた氷像」なんだろうか?

つまりは犠牲者……そんな気付きをして、身が震えて来る


「(なんとなくだけど、この先にいる“ヤツ”に敗北したらこうなりそうだな)」


ネタバレと言うよりかは警告と取れる、犠牲者をどうにか救出できるエンド…は多分存在しない

そこまでの大きなご都合主義はマルチエンドの多いエンドでも見たこない

あったとしても、相当な事をしない限りそれはチープな作品になる、161のエンディングがあったとしてもだ


「(気を引き締めよう、負けることは確定しているけど

だからと言って棒立ちで負けるわけにはいかない)」


もちろんドラゴンと同じように相手の動きをみる

盾があれば無敵だけど、それでもゲーマーとしてもそんなプライドが許さない

何がいるか分からないけど……


「すぅううううう………ふぅうううう………」


大きめの深呼吸をしてその、氷像のある部屋に足を踏み出した


「オオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォオオオオ!!!」


咆哮が聞こえる、けどドラゴンのような力強いものではなく…なにか内側から震え上がらせようとするような気配がする!?

ドラゴンのいた背後上空を見るけど何もいない、いったいどこに!?

そう思っていると、さっき入って来た入り口に大量の氷柱が生えて塞がれる

この氷柱は茨のように棘がびっしりと鋭く生えていて触るだけで貫かれそうだ


部屋を見渡して見れば、氷像が動き出す…人のような動きではなく、そのままスライドするように動き出し、土俵のつもりなのか中心に円形の広場ができた

そして……ひときわ色の濃いもや、冷気か?それが一か所に集まって行き、形作る物が見える……

その姿は武士か?鎧も体も刀も何もかもが氷で出来ているけど、なんだかドラゴンとは違ったような恐怖心を感じる


「(大柄の魔物の次は、人型のバケモンか!?)」


化物だけど人型との戦いは初めてだ

そう思っていると、剣をゆっくりと正面に構えた

どうやら、勝負開始って様子だ


「(ドラゴンの動きはゲームでの知識があったけど、武士なんて戦えるのか?

いや、それもゲームの知識で見極めるしかない!)」


侍とか武士とかと戦うゲームの経験はいくらでもある、そのようなゲームと同じような動きだったらいいけど

現在は剣を横に構えてゆっくりと歩いて来てる、これは一定の距離に入った瞬間に攻撃してくるやつか?

だったら武士の礼儀として待たせるのはよくない、こちらから攻めていくことにしよう

こちらから歩いて行き、いつ攻撃をしてきてもいいように身構えておく


「…っ!?」


少し腰を落とした!?剣を振るってきそうだ!この構えは横に振りそうだ!

すぐに後ろに飛んで距離を取ると剣を横に振ってきた

こっちも予備動作があるかか回避できる…………


「キッ!?」


と思ってたら剣から刃が飛んできて、胴体に命中する

喉から苦しみのような変な音がなり、切られたというよりも氷の塊を腹にぶつけられた痛みがする

打撲の痛みよりも急速に冷えた痛みに腹痛を錯覚する

声が出せていたら叫んでしまいそうだけど、喉から音がなるだけだ

後ろに飛ぶのではだめだ、刃の射的距離を考えて伏せなきゃだめらしい

このダメージは授業料として受け取って置こう

腹を抑えていると今度は刃を頭上に構えてきた

今度は縦か!


身を横にかわすと思った通り縦に振るってくる、当然のように刃も飛んできたが当たらなかった

チラリと飛んだ刃を目で追ってみたが、どうやらこの部屋全体に届くみたいだ

囲んでいる氷像に触れたりしたけど、刃も氷像も形を崩れず

壁に当たるまで飛距離無限ってことか?

すぐに武人に視線を戻す……っ!?


「け゛っ…………!?」


当然の如く、視線を外していたことによる隙を見逃すはずはなく

再び横に振るってきて、今度は氷のような刃そのものが胸の方に当たった

あばら骨の方から悲鳴が上がる気がして、喉からも何か変な音がして

……そして思った以上にすぐに痛みは引いた

油断しないように距離を取り、先ほど怪我を受けた所をみて見る

胸の方は氷が付いており……いや凍りついているのか?

痛いはずだけど神経が死んだのか痛みは感じない

けれども視界の端に見える体力は2つ分減っている


「(幸いなことに、冷気刃+氷の剣でHPが2つも減る…なんてことはないな)」


実際の体であったら後遺症で問題大ありだけど、痛みが無いなら動きやすいかしれない

残った体力で他の動きも見極めないといけない


「(それだったら、距離を置いてみるしかない)」


近くいいたら、斬られる

離れてみたら何か遠距離の攻撃でもしてくるのだろうか?

もしくはこのままゆっくりと接近するのか?

ひとまず戦闘開始の時よりも距離を置いてみる、何か動きに変化は……


「(ん?構えが変わった?)」


すり足で寄ってきた歩きは足を変えて縦振りの構えをした。

その動きは何か普通の縦振りと様子が違う気がする

剣を振り下ろして刃が飛んできて……いや違う!!

突きの姿勢なのか腹部の前に構えると、その場で突いている構え?

射程距離としては飛んでくる刃しか届かないはずだけど……

念のために身を横に避けて……


「……っ?!」


軌道が見えなかった、攻撃は当たらなかったけど、飛んできた刃はさっきの横と縦の速度と違って早すぎる、見えた瞬間に回避は絶対に間に合わない

モーションを見て回避するしかないぐらいだ、こんな速い速度だと盾が本当に欲しくなる

飛ばしてくる刃の遠距離攻撃は小さいながらも速度はドラゴンのより速い

そう見ているともう一度突いてきた、今度は何回もだ

武人の手元に注目しながら避けていく、いや、このままだと体力よりも集中力が途切れてしまって受けてしまう

しばらくこの動きも観察してみて、このまま同じ様な攻撃なら接近して……他の動きが見えないようであるなら身を委ねて今回の周を終わりにしよう


右へ左へ何回か繰り返していると突きの構えが変わる

どうやら何か新しい動きをするみたいだ

他に何か遠距離攻撃でも持っているのだろうか、氷像が動き出すとか?

なんて思いながら構えていると、今度は剣を地面に刺した


「(なんだ?距離を取るべきか?それとも?)」


範囲攻撃なんだろうか?必殺技か?

地面に刺した後は動かなくて「武器があれば」チャンスタイムではあるんだけど……

足元には何も起こらないようだけど……

そう思っていると、何か頭上が冷えた気が……………はっ!?上か!?

頭上を見てみると、そこには……いくつもの氷塊?!


「(は?やばやばやばい!?)」


こういった頭上攻撃は地面に予告マークとか照準とか出るもんじゃないのか!?

落ちてくる位置がいまいち分からないけど走り回って逃げる……しかし


「……かっ!?!?」


一撃食らった、背中に当たって急速に冷える

胴体の感覚がない気がするけど、腕や足じゃないからまだマシに感じる

残り体力は1つ、次の1撃を食らったら俺は死ぬ

だけども、そんな極限状態で1つ気付いたことが


「(これだけの、範囲攻撃なのに周囲の氷像には一切影響がないみたいだ)」


痛みと冷たさ、そんな状態なのによく俺は冷静に分析でいるな!?

死ぬことには慣れるな!

しかし、攻撃してこないなら、大切にしているのか?

……犠牲者を利用するのは心痛いけど、ちょっとその近くにいれば攻撃してこなかったり?

そう思って氷像の合間を縫って入り込んで


「(つ!?)」


焦っていたからか普通に氷像の足に躓いてしまった

でも潜り込むように入り込むことできたからこれで何とか………何とかっ!?

いつの間にか、近くに武人がいた

俺を見下ろしたと思ったら、胴体に剣を突き刺された

明確に腹部を貫かれて鋭い痛みが一瞬響いたけど、思った以上に神経が通ってなかったからなのか痛みもそんなにない

足先から感覚も無くなって行き、見下ろしてみれば剣の影から足先が俺の体が氷漬けになっている

それも、耐冷スーツを忘れたエンドと違って氷にまとわりつかれる訳ではなく、俺の体そのものが氷になって来た…………そうか、だからこそ体が無くなるから痛みをそんなに感じなかったんだな


視界を囲んでいる氷像のをよく見てみれば、傷を一切負ってない

ああそうか、武人にとってのコレクションだから傷一つもつけなかったんだな

俺もオタクでもあるし、その気持ち……よく分かるよ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

No52「また1つ、像ができた」


メチサム氷山の主の氷の武人、そいつの趣味は氷像集め!

下手に部屋に入ってみれば氷像づくりの始まりだ!

ほら!今までここに来たみんなも見ているよ!

それまでの犠牲者は合計で99人だ!

おめでとう、あなたは記念すべき100体目になりました!

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ドラゴンに続いてとんでもないエンドを迎えてしまた

あそこにいた強敵は「氷の武人」という魔物なんだな

武人だけど、なんだか魔法剣みたいに扱えていたし、こっちもこっちで多彩であった

それぞれの場所では鏡合わせに同じではあるけど、こんなにも強敵が違えば使いまわしとか水増しとか思わない

あそこでも必要以上に殺されるまで痛めつけられたけど

口のニヤつきは変わらなかった

そういえば……このエンドが50個目か、記念かどうか言えるか分からないけど

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