一日だけ過去に帰れる魔法
朝。母さんに起こされチャリで学校に向かう。
朝飯が足りなかったのでドーナツを二つ買って食った。つまらない授業。少しだけテンションが上がる体育。俺は俺の前の席に座る好きな娘を見て半日勃起してた。
土曜日は半ドンなので午前中授業。ホームルームが終わった後にオタク友達と教室でパケモンカードのデッキを考えてたらもう夕方。
帰りにコンビニで肉まんとポテチとコーラを食った。
家に帰るとカレーの匂いがする。風呂洗いを済まし、ばあちゃんと時代劇の再放送を見た。
残業だったのか姉ちゃんが帰ってくるのが遅く晩飯が遅れた。カレーは美味かった。姉ちゃんが買ってきてくれたドーナツを食う。ドーナツは1日何回食っても美味い。
親父が帰って来た。「なんだお前元気か?」と聞かれたので「まぁまぁ」と答えた。
三回クリアしたゲームをプレイしてたら急に眠くなってきたので風呂に入った。
風呂から上がったらカレーを茶碗で一杯食べた。特にムラムラはしていないが毎日同じ時間になるとオナニーがしたくなるのでした。
明日は日曜だから午前中一杯寝よう。そして翌日のカレーを楽しみにしながら寝た。
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「五万円になります」
「うーん。納得できないが仕方ありませんね」
魔法で一日だけ過去に戻れるのはいいが現在の記憶が無くなるとは思わなかった。高校時代の私が普通に一日を過ごしただけ。それを現在の私が覚えてる……ってだけだ。過去の自分と入れ替わって色々しようと思ってたのになぁ。
まぁ何かして歴史が変わっちゃうのは困るよね。カレーもドーナツも美味しかったし、オナニーは信じられないほど気持ちよかったのでヨシとするか。
「どうでした過去は?」
「悪くなかったです」
実際悪くなかった。いい思い出なんかない人生だと思ってたが……うん。悪くなかった。
「じゃあ自殺は止めときましょうよ」
「そうしま……なんで分かったんですか!?」
「お金払ってまで過去に戻りたい人ってそういう人多いんですよね。凄いでしょ?魔法使いって」
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大量の睡眠薬を公衆トイレで流して私は夜の住宅街を歩いた。
死んだ親父が元気だったなぁとか絶対隣の部屋の姉ちゃんにオナニーバレてたなぁとか考えてた。
コンビニでドーナツを買って食べた。半分食べて胃がもたれたので残した。若い私の食欲はスゴかったんだな。
「いやぁ年は取りたくないねぇ。やだねぇ」
でも生きよう。
こんなろくでもない私の人生も未来の私から見たら悪くないのだろうから。




