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リオンシティへ!

「ミズキさんミズキさん!」


 リリアちゃんの声で私は起きた。目を開けると私のお腹のあたりに乗っているリリアちゃんが目に入ってきた。苦しい……。


 でもすごく幸せですリリアちゃん。これからもこうやって起こして貰えると嬉しいです。


「そういえば今日はどうしたの?」


「そうでした。今日ギルドに行ってこんな依頼を見つけたんですよ」


 そう言ってリリアちゃんは一枚の紙を差し出してきた。

 内容は荷物の配達。ふーん、1泊2日ね。まぁ普通だね。

 報酬も特に高くもないし、この依頼がどうかしたのかな?


「届け先を見てください! リオンシティです!」


 仕事とは思えないテンションの高さ。なんか企んでるでしょ。怪しい……。


 私がふと顔をあげて部屋を見ると、テーブルの上に本が置いてあった。私のじゃないし、多分リリアちゃんの物だね。題名は「リオンシティに行こう! 今この国で最も人気の観光地!」


 なるほど……そういう事ね。今日は休みの日じゃないから仕事ついでに行こうと。まぁ私も泊りがけの依頼の練習もしてみたいし、ちょうどいいかな。


 それにリリアちゃんやドーラと旅なんて私に反対する理由は一つもない。むしろ超楽しみ!


「私は賛成だよ。ドーラはどう?」


 ドーラは眠そうに頷いて二度寝した。賛成で……いいのかな?


 リリアちゃんは準備をするために一回帰っていった。私は何を持っていこうかな?




「こっちですよー!」


 私は待ちあわせ場所にした町の門の前で手を振ってるリリアちゃんを見つけた。今度は待たせちゃったみたいだね。

 あれ? 新しいリュックを背負ってる。真っ白なリュックで一つリボンがついてる。


「気づいちゃいましたか? これ頑張って貯金して買ったんです。なんと収納魔法がかけられていて、こんな小ささでも今回の仕事の荷物も全部入りますし、汚れとかも自動で落としてくれるんですよ」


 そう言ってクルッと回転して見せてくれた。汚れが落ちるのは嬉しいかも。私も色んなリュック見てみようかなぁ。


「その代わり今までの貯金が無くなっちゃいましたけどね。似合ってますか?」


 そう言ってリリアちゃんはエヘヘと笑った。うーん、100点。めっちゃ可愛いよ! すごく似合ってるよ!





 歩きだして三時間もすると、今まで見たこともない景色が見えてきた。滝があったり、谷に橋がかかっていたり。


 ちなみに肩に乗せてるドーラはいいとして、ワンコロは町の外では野生の魔物と間違われても困るからリリアちゃんが魔物収納を使ってる。


 寂しがるワンコロをなだめるのは大変だったよ。ご飯のときまで待っててね。


「見て見て! おっきな蝶が飛んでる!」


 ドーラがしっぽを向けた方を見ると、2メートルほどもある綺麗な蝶の群れが見えた。


「ほんとだ。大きいねー。なんかの魔物かな?」


 私が言った“魔物”という言葉に反応したリリアちゃんが身構えた。


「大丈夫だよ。街道近くの魔物は危険なのは少ないから。さっきから襲ってこないしね」


 そう言うとリリアちゃんは、ホッとした様子で景色を楽しみ始めた。危なかった。明日には街道が途切れちゃうから、ここで無駄に戦うわけにはいかないからね。




「もう夕方なので今日はここに泊まって行きましょう。この後は休む場所が無いですしね」


 地図を見ていたリリアちゃんが指を指した先にあったのは小さな宿場町だった。一応街道のとこには衛兵がいたから冒険者カードを見せる。


 衛兵さんはチラッと見て通してくれた。これ、ちゃんとカードの確認してるのかな? 


「宿は一緒の部屋でいいですか?」


「はい! 全然問題ありません!」


 むしろお願いします。そのまま町で唯一の食堂に向かう。今日は一日中歩いたからお腹ペコペコだよ。


「メニューはこちらです」


「ありがとうございます」


 今の時期はまぁまぁ暖かいのに暖炉がついてる。最初は暑いかなって思ったけど、火の燃える音とこの暖かさが妙に眠気を誘うなぁ。


 やっと収納から出ることが出来たワンコロもドーラと一緒に気持ちよさそうに暖炉の近くに座ってる。二匹とも今日はお疲れ様。


 注文してから結構早く料理は届いた。ちょっと早い時間だったからお客さんが少ないみたい。メニューの絵は美味しそうだったけど、実際の料理はどんなのかな〜。

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