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スカイフォール

「引き受けたのは良いけど、どうやってあそこまで行く?」


 今の私達は森の中をコソコソと歩いているから見つかっていないけど、もうすぐ野原。


 当然そこでも敵味方入り乱れての地獄が広がっていて飛び出すのはちょっとなぁ……。


「テレポートを使うのはどうでしょう?」

「便利だけど一度登録しないと行けないよ? どこに行くの?」




「どいてどいてー!」


 グリーンの巨体で魔物達を吹き飛ばしながら一路スカイの下まで走る。


 矢とか魔法とかが数え切れないくらい飛んでくるけど、周りの兵士や魔術師達が守ってくれてるおかげで何とか生きている。


 全速力で15分。グリーンが疲れてぐったりしちゃったけど目的地には着いた。


「グリーンお疲れ様です」

「ああ戦いが終わるまでもう呼び出さないでくれ」

「それは無理ですね」


 うめき声を上げるグリーンを収納してリリアちゃんは代わりにドルちゃんを呼び出す。


 今の所のMVPだね。あっちょっとドーラ分かったから服を引っ張らないで。


 一度ドルちゃんをスカイのバリアぎりぎりまで投げ飛ばす。見た目はただのぬいぐるみだから魔物達も攻撃はしてこなかった。


「それでは私達も向かいますよ。1、2、3……今です!」


 そのままドルちゃんにバリアの目の前にテレポートしてもらった。


「落ちる落ちる! ドーラお願い!」


 バリアに向かってドーラの大火力が至近距離で繰り出される。近かったからか、それとも範囲の狭い所に攻撃が集中したからか。


 バリアはみるみる壊れていって何とか小さな隙間が出来た。すかさずドルちゃんを投げ込む。


 スカイにはお腹に大きなポケットみたいなのがある。

 よし! うまい事入った。


「ドルちゃん早く! 私達落ちちゃいます〜!」


 下を見ると数メートル先に迫った地面。ひえー!


 はぁはぁ。何とかテレポートが間に合った。これで上手くポケットの中に入り込めた。


 後は内側から攻撃すれば……。


「オマエ……コロス」


 後ろには今から戦場に降りようと待機していた魔物の皆さん。


 ちょっと待って話せば分か……。言う前に目の前で大きな斧が振り下ろされた。


 スカイには傷ひとつ付かない。内側は柔らかいとか言った司令官の嘘つき!


「ワンコロ、私達を守ってください! ミズキさん今のうちにお願いします」

「任せて! もう一度頼むよドーラ!」


 うわっ。魔法がすごい飛んでくる。少しでも早く動くために装備を外してきたのはまずかったかな。


「ドーラ、ファイアボール」


 素早い魔物がワンコロをすり抜けてこっちまで来た。まずはこっちかな。


 私も負けずに小さめのゴーレムを切りつける。大量のお金をかけたナイフは岩をバターのように切り裂いてコアを破壊した。


 いたっ。見ると他のゴーレムが石を飛ばしてきていた。数が多すぎるよ!


 ああもう仕方ない。私は火薬を詰めた球を取り出す。こんな密室で使いたくなかったけど……えいっ。


「ドーラ。もう一度ファイアボール。リリアちゃん伏せて!」


 襲ってくる熱風。とにかくドーラだけは守らないと。あっ抱き締めると案外涼しい。

 けほけほ。


「リリアちゃん大丈夫?」

「ドルちゃんの魔法のおかげで無事です。近くの魔物は全員倒せました!」

「ドーラ。全力でドラゴンブレス!」


 ドーラは1分ほど力を貯めて、その全部を解放した。出来たのは空まで見えるほどの大穴。


 スカイも魔物だと思うと少し心苦しいけど、こいつに殺された人達の事を考えると……。


「リリアちゃん急いで飛び降りるよ。墜落に巻き込まれちゃう。流石にここでレッドは出せないしね」

「ですね。すみません。手……繋いで貰っても良いですか?」


 賛成。大丈夫だよ地面を見て震えてるのはリリアちゃんだけじゃないから。

 せーの!


 さっきより高度が上がっていて2、いや3倍は怖い。


「レッド! 早く出てきて!」

「魔物使いの荒いご主人だなぁ」


 ナイスキャッチだよレッド!

 振り返るとスカイが骨まで震わすような断末魔を上げて、たくさんの魔王軍の物資を撒き散らしながら落ちていく所だった。


「あのやけにキラキラ光ってるやつは宝玉だ。今から向かうからキャッチしてくれ」

「えっちょっどれか分からない。待って待って加速早いぃぃぃ!!」


 大量の木箱の雨に突っ込んでいくレッドは器用に隙間を探して飛んでいく。


 そのうち光っているオレンジの球を見つけた。よーしおいでおいで……キャッチ!


「おっと魔物まで落ちてきている。急いで離れるぞ。次はしっかり掴まっておいてくれ」

「だからそんな急に……あぁぁぁぁ!」


 でもこれで全ての準備が整った。この戦争を終わらせないとね。

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