増えた
「はぁ……はぁ……やっと着いた……」
まぁまぁ大きい街を全力ダッシュは疲れるって。ギルドに入るとすぐに近くの小さな町に向かってくれと言われた。
その町はすでに襲われてて被害が大変なことになってるんだとか。
「そんな状態のとこにどうやって向かうんですか」
ていうか危なすぎるでしょ。支部長はさっきギルドの人とこっちの街で戦うって言ってたじゃん。なのに2人でそんなとこに行けって言うの?
「すまない。しかし逃げる時間を稼げないとあそこの町にいる人や兵士たちが全滅してしまうんだ。この街で一番強いのは君達なんだから」
うーん。仕方ないか。
私達は市販されてない魔道具なんかをくれるという条件で合意した。
「しっかり捕まってくださいね」
私たちは空を飛べるレッドの背中に乗せてもらって向かうことにした。これなら結構な速さで着くはずだ。
「僕だったらもっと早く飛べるのにー」
「拗ねないでよドーラ。レッドだと2人で乗れるんだからしょうがないじゃん」
ドーラは空とび役を奪われて不満みたい。そんなに怒らないでってば〜。
そんなこんなしてるうちに町が見えてきた。うわー城壁の外側の町はもうボロボロだ……。
でも思ったよりも耐えているみたいで、まだ壁は破られてはいない。でも兵士たちの数が少なすぎて時間の問題って感じだ。
やばっ、兵士たちがレッドを敵と勘違いしちゃってこっちに弓を向けてる。顔怖いもんねぇ……レッド。
着地する場所もなさそうだし誤解も解かなきゃいけないし。このまま降りるかな。
「じゃあレッドはこのまま魔族を攻撃してくださいね」
「承知した」
そういうとリリアちゃんは地面までテレポート。私はドーラに下まで運んでもらった。
ドラゴンから人間が降りてきた事に驚く兵士たち。とりあえず攻撃はしないみたいで一安心かな。落ち着いてー私達は味方だから。
「すみません。私たちは応援にきた冒険者です」
「これは失礼した。私はここの指揮を任されている責任者だ。何か手紙などはあるか?」
私はギルドで受け取ったはんこ付きの手紙を手渡す。兵士たちは私たちが子供だったから半信半疑って感じだ。
「なに!? その歳でAランク!? 失礼しました!」
私たちが正式にギルドから派遣されてきた冒険者だという事を確認するとびっくりした。ふふ……くるしゅうない。
私達はさっそくドーラとレッドで攻撃を始める。
空を飛べる魔物はこういう時に便利だね。上からやり放題。
ほらっ魔法の雨をくらえっ!
ゴォォォォォ。
炎が魔物達を焼き尽くす。とりあえずこっちの壁を登ろうとしてた奴らはどうにかなったかな。
さぁ次はあっちの方も……。
よしよし。敵も逃げ帰っていったね。二度とくるな。べー。
他の街にもギルドは救援を送っているはずだし安心かな?
「結構逃げられちゃったな……。おい、敵の死体を片付けておけ。後にげた奴らの後を付けろ。後で目にもの見せてやる」
「了解!」
兵士達はまだまだ忙しそうだね〜。レッドとドーラもお疲れ様。はいポーション。
「ミズキ殿、リリア殿。改めて助けてくれてありがとう。おかげで避難してきた住民達を守ることが出来た」
「仕事ですから。あっ住民の皆さんは無事に壁の内側に逃げ込むことが出来たんですね!」
「あぁ……それを助けるために兵士達や他の冒険者が命を捨ててくれたおかげだ」
そんな立派な人達がいたんだ。黙祷。でも結構あっさり終わったね。
弱い魔物ばっかりだったし。魔王軍は人材不足なのかな?
特にレッドの巨大ブレスが便利だった。あーグリーンもすねないで。
グリーンと遊んでいると兵士が慌てた様子で走ってきた。
「隊長!」
「なんだ!」
「敵の死体を数えてみたところ最初の報告の時の数よりだいぶ多いです!」
「どういう事だ? むしろ敵の多くが逃げたんだぞ? それなのに死体になってるだけでも事前情報よりも多いとはどういうことだ!」
「おそらく敵に大規模な増援があったと考えられます!」
「なぜだ! この大陸にほとんど魔王軍はいないはずだぞ! それこそ上陸してきた錬金の四天王の軍勢だけだろう?」
え……どういうこと? あの数でまだまだ一部だっていうの? そんなありえない。
隊長さんの声がどんどん荒くなっていく。でも兵士も何が何やらわからない様子だ。かわいそう。
すると今度は別の兵士がやってきた。
「隊長!」
「なんだ! 今は忙しいんだ!」
「王都から緊急です。天空の四天王の軍勢による大規模な空輸により各地域が襲撃されているとのことです!」
「なに!? その攻撃に耐えられ無さそうなのか?」
「いえ、これはどうにかなるそうです」
「なんだ。それなら大丈夫ではないか」
「しかしこれにより錬金と戦っていた小国は耐えきれずに降伏。四天王討伐軍を各国が呼び戻してしまいました。おかげで我が国に錬金の軍勢が侵攻してきます!」
あちゃー。向こうから来ちゃったか。
投稿が遅くなってすみません!




