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出航

 目を覚ますと3人がのぞき込んできた。なんか私しょっちゅう気を失ってる気がする。リリアちゃんとかもう手慣れてるもん。


「ほらミズキさん。いつものポーションです」


 私はリリアちゃんかポーションを受け取って一気に飲み込む。うぅ……まずい。

 そうだ!


「ドーラは? 大丈夫?」


「安心してください。さっき目を覚ましましたよ」


「心配かけてごめんねミズキ」


「全くだよ!」


「ミズキがそれを言うの……?」


 うるさいよアイちゃん!


「それでさっきの光はなんだ?」


 イカヅチさんがドーラに聞いた。私も気になってたんだよ。あの光に当たった途端に魔族が消えて……。


「ごめんね。何も覚えてないんだよ。ボクが覚えてるのは、あの魔族が魔法を使おうとした所までで」


 そっかー。あの魔族はドーラを知ってるみたいな反応していたよね。どういう事なんだろ。

 あの時のドーラもいつもとは違ったし。


「この事も気になるけど今は魔王だ。ミズキちゃん。歩けるかい?」


「は、はい!」


 そうだった。魔王が復活なんかしたら困る。今回は魔族を倒して阻止したけれど、他の仲間がいないとも限らないから早くお偉いさんにも知らせないと。




「それは本当ですか?」


 私達が魔族の事を話すまえにギルドの支部長は誰かと話していた。

 支部長が驚いた声を上げる。何があったんだろ?


「失礼します。何かあったのでしょうか」


 それを聞いたイカヅチさんが話の輪の中に入っていった。話を聞いているうちにイカヅチさんの顔も青くなっていく。


「遅かった」

「もう復活したのか」


 ちょこちょこそんな言葉が聞こえてく流けど、何お話だかさっぱり。

 とりあえず邪魔しないようにドーラや2人と遊んでいると、イカヅチさんが戻ってきた。


「何があったんですか?」


 リリアちゃんが代表して聞いてくれた。結構大事そうな話だったもんね。気になる。


「大丈夫だ。ダンジョンの事は知らせといたよ。あとは私達大人に任せなさい。

 君たちは目標があるんだろう? 魔王の事もこっちでなんとかするから君達は気にしないで、SSSランクになれるように頑張りなさい」


「でも……お父さん……」


「大丈夫。こういう時は大人が責任を持って子供達を守らないとね。君たちがもっと強くて頼れるようになるまでは私達が守ってあげる」


 それだけ言うとイカヅチさんは支部長とお話をしに行った。でもさっきまで納得してなさそうだった2人も今の言葉で考え直して、むしろやる気が出たみたい。


「仕方ないわね。今の私達じゃ助けになれないし」


「そうですね! 早く一人前になれるように頑張りましょう!」


 よーし。私も頑張るぞ! えいえいおー!





 私達とアイちゃんは一度別れることになった。私達は最後の大陸に行くつもりだけど、アイちゃんはまだやりたい事があるらしい。


「行ってくるよアイちゃん」

「私も行ってきます」


 港でお別れだ。なんだかん数ヶ月しかいなかったけど、もう何年も一緒にいた気がする。


「まったく……リリアも泣いてるんじゃないわよ。自分で決めた事でしょ?」


 私も泣いていい?


「手紙送るからね。めっちゃ長いやつ」


 絶対に2000文字は書いてやる。


「……楽しみにしてるわ。これを上げるわ。中身は後でみて」


 アイちゃんが分厚い封筒をくれた。何が入ってるのか楽しみだね。あっ船が出ちゃう。

 私とリリアちゃんは乗り場の方に歩いて行く。


「次にあう時はSSSランクに挑戦する時かしら。次は敵同士ってわけね。負けないわよ」


「こっちこそ。じゃあねアイちゃん」

「さよ……またね。アイさん」


 船が出港する。どんどん今までの街が薄れて……見えなくなった。

 私達は部屋に入って封筒を開ける。中に入っていたのは大量の写真だった。そういえば撮ってたっけ。


 私とリリアちゃんが勝負してる時の写真。

 ドルちゃんの念力で転ばされてびっくりしてる間に負けちゃったんだっけ。


 アイちゃんが食べ切れたら賞金銀貨5枚! って言葉に釣られて店1番の大盛りパフェに挑戦して泣きながら食べてる写真。

 だから止めといた方がいいって言ったのに。


 遺跡探索で私が震えてる写真……これ撮ったの誰だ!


 大会の時の写真もある。結局大会はなぜか中止になってしまった。参加者全員にトロフィーが配られてリリアちゃんが少し悔しがってる写真。


 まだまだあった。全部で何枚あるのこれ?

 こんなに思い出の詰まった数ヶ月は初めてだよ。


「楽しかったですね……」


「うん」


「こんなにあったら今夜は寝れませんね」


「うん」


「ふふ。今になって泣かないでくださいよ」


 だってぇ……色々思い出したら悲しくなってきたんだもん。


 今からもっと強くならないと。もし次にあった時、私が今と変わってなかったらアイちゃん怒るだろうし。

 だってライバルなんだから。


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