魔王
中に入ると金ピカな部屋の真ん中に一人の男が立っていた。でも人間じゃない。肌は紫。角まで生えてる。
しかもパンツしかはいてない。変態じゃん。
じゃなかった魔族じゃん。初めて見た。ほとんどは討伐されて地上からは一部の地域を除いて姿を消したって本に書いてあったけど、こんなところにいたんだ。
こっちを見る魔族。私に向かって、いってこいって顔したイカヅチさん。任せました! って目をしてるリリアちゃん。
そのまま待つ事10秒。
「あなたがここのダンジョンマスターですか?」
先陣をきるのは怖かったけど、仕方ないから私が聞いてみる。魔族とは話が出来るって聞いたけど、実際はどんな感じなんだろう。
「いかにも。よくぞここまで来たな。その勇気をたたえて褒美をやろう」
正直いきなり殺しにかかってくるかもって思ってたから、割と普通に話が出来てびっくりした。
「褒美ですか」
お前の首!
じゃだめだろうから、普通に質問に答えてもらう事にした。
「じゃあ質問に答えてください。少し前にたくさんの魔物で村を襲ったのはなんでですか?」
「いいだろう。あれは少し人の魂が必要でな。すでに十分な魂が集まった」
魂? あったの? ていうか何に使うんだろ。
「なんのために魂を?」
「それは魔王様の復活のため。あの方が復活すれば地下での生活は終わりだ! 地上を取り戻してやる!」
魔王。数百年前にはいたという魔族の王。物語には悪役としてよく出てくるけど、最近の遺跡の調査で本当にいた事が分かったやつだ。
そして……古代文明を滅ぼした元凶だ。
「今まで我々魔族がどれだけ我慢してきたか。魔王様が倒されてから豊かな地上を人類のような虫けら共に奪われ……しかしこれで終わりだ!
魔王様が倒された原因は不明だが、倒したやつも寿命で死んでいるに違いない。魔王様が復活された暁には……」
魔族の男は一人で盛り上がっているけど、こっちはそんな場合じゃない。古代文明を滅ぼしたやつが復活なんてしたら本当に終わる。
この事はギルドに知らせないと。後は他の国にも……幸いイカヅチさんが言えば、まぁまぁ信用してくれるはず。
絶対に死ぬわけにはいかないから、魔族なんかほっとこう。悔しいけど仕方ない。
急いで扉から出ようとした私達に魔族が声をかけてきた。
「扉の方に向かってどうした? もしかして私がこのまま逃がすと思ったか?」
思わなかったけど、そこをなんとか!
でもよく考えればイカヅチさんがいるなら戦っても勝てるんじゃない?
「む。女3人はともかく、そこの男は強そうな気配がするな」
おぉ! なんか諦めてくれそうな予感。
「仕方ない。我が命を代償に消し去ってやる」
魔族の男にどんどん魔力が集まる。イカヅチさんが慌て始める。
「まずい! 二人とも、あれは自爆する気だ。私は防御魔法は得意じゃない。せめて3人だけでも」
うそ!
すると収納していたドーラが無理やり出てきた。
「ボクに任せて」
ドーラが私を守るように前に飛び出す。
その瞬間。ドーラから黄金の膜が広がっていく。
「まさかお前は……しかしそんなはずが……!」
魔族が目を見開き、驚いた顔でドーラをみる。その先の言葉が気になったけど、一度発動した魔法はもう止まらない。
魔族の所から大きな爆発が起こって、視界が真っ白になる。それでもドーラが力なく落ちていくのが見えた。
受け止めてあげなきゃ!
……なんとか間に合った。死んではいないみたい。良かった。私はそこで意識を失った。
今日からしばらくは数日ごとの投稿になります。免許とかで忙しくなってしまったのと、続きがあまり思いつかなくて…すみません!絶対に完結までは持っていきます。
できるだけ高頻度、だいたい3日以内には投稿する予定です。時間が出来たらまた毎日投稿頑張るので今後もよろしくお願いします!




