表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オタク、線をまたぐ  作者: 物理試す


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/223

【幕間】少年の旅~船の中5~

町長と町に住んでいる鍛冶師が教えてくれました。

船は、修理するのにかなりの日数を要するそうです。

必要な木材は燃料用で備蓄が無いため、冬の林に行って伐採しないといけないそうです。雪が積もり、足場が悪い上にここら辺に生えている木々は太く高いので相当重たいそうです。

その話を聞いた時、師匠は簡単に帰ることはできないと思ってしまいました。

ちょっと自分が嫌になります。


三日も経つ頃にはエントシまで行くメンバーが完全に回復し、移動に必要な物資の準備をしていました。

なんと犬ぞりです。初めて乗ります。普段は特別な馬でした。

おっきくて、もふもふです。色は白黒と多種多様です。

乗ってみると、すごく楽しいです。スピード感があって爽快でした。しばらく乗ると雪でひげが生えたようになるので面白かったです。


夜になるとすごく寒くなるので、みんなテントにこもります。

僕は火の魔石を使うのが得意です。

長時間使っても疲れません。なので体を温めるためにテントの中では火の魔石を使い続けています。かなり暖かいのでメイドたちがずっと中にいます。中々出ていこうとはしません。

まぁ、追い出す理由もないので、ずっといてもらって構わないのですが最近人数が多くなって窮屈になってきました。アンネに至っては、僕に抱き着く必要がないのに無駄に抱き着いてきます。

あと2~3日もすればエントシについてしまいます。雪が降っていて移動に時間がかかっていますが本来ならばもう着いています。それまでに炎の魔術だけでも使えるようにしないと。

その日も師匠に練習の相手をしてもらうように迫ります。

大抵、はぐらかされますが、メイドのアンネが剣を持ってきて半分脅すように練習に付き合わせてくれるので悪いと思いながらもうまく利用させてもらっています。

もうなりふり構わないと心に決めましたから。

そういえば今日の練習場へ行くときタロウさんに二つの魔石を同時に使えるか聞かれました。結果は中途半端って感じでした。

片方は火の魔石で片方は光の魔石でした。どちらも一つずつならば、苦労無く使うことができます。

火の魔石は得意なのですぐに温めることができますが、その状態で光の魔石を使おうとすると点滅してうまく光らせ続けることができませんでした。やっぱり師匠はすごいです。三つの魔石を同時に使うなんて。

なんでも二つの知識が必要かもしれないということでした。僕ももっと勉強しなければなりません。


次の日も練習に行きました。師匠のヒントがあったので、今日の練習ではそれまでできなかった、圧縮火球を成功させることができました。

あの船で打った火球に比べれば、小さい気がしますがようやく僕も力を手に入れました。

撃った後は体から力が抜けて、師匠におんぶしてもらいました。師匠の話だと今は一日に一回ぐらいしか撃てないそうです。これももっと練習しなければなりません。それにしてもおんぶなんていつ以来でしょうか?

おんぶされながら故郷の話をします。だからでしょうか。ふと父におんぶされたことを思い出しました。


今はそんなこともないですけど、いつからこんな風になったんだろう。

おんぶされてテント群に戻ると、アンネが烈火のごとく怒り師匠に切りかかりました。

師匠はまた、雷の魔術を使っていましたが、なんとアンネはそれを避けて、切りかかってきます。アレは避けられるものなのでしょうか?アレクさんが仲介に入り、数回ほど刃を交えてようやく場が収まりました。


皆が言うには、天候が良いので予定通り明日にはエントシに着くそうです。ということは練習できるのもこれで終わり、屋敷での生活が始まります。

幸いにも最後に魔術を成功させることができてよかった。屋敷での生活は憂鬱だけど、久しぶりに姉に会えます。

姉にこの冒険をいっぱいお話したいと思います。それに病気に解決の可能性があることも。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ