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カレー雑学   作者: 蟷螂
4/5

大阪スパイスカレーについて

大阪スパイスカレーは聞いたことがあるだろうか。大阪の谷町を中心に2010年あたりから流行しているカレーのジャンルである。


近年はCoCo壱番屋でもスパイスカレーを期間限定で導入したり、大阪の有名店旧ヤム邸が下北沢に出店したり、レトルトカレーとしてS&Bから販売したりしている。最近は地元の喫茶店で大阪スパイスカレーがあって驚いたくらいだ。



この大阪スパイスカレーに定義はない。言ったもん勝ちの風潮があるので、店側がウチのカレーは大阪スパイスカレーと言えば、それは大阪スパイスカレーなのである。


なので店ごとに独自色があって、良く言えば自由な発想、悪く言えば悪趣味、うまければ良いというもので、和だしが効いたカレー、秋刀魚カレー、麻辣カレーまで、もう一度言う、言ったもん勝ちの世界である。



あえて定義をすれば、スパイスを自分で調合し、和だしベースでとろみがなく、見た目が映える、といったところだろう。あと、コストの問題なのかキーマカレーが多い。


味はスパイスを全面に押し出しているので、かなりスパイシーであり、バーモントカレーやCoCo壱番屋みたいな万人に勧められる味ではなく、まにあっくで好き嫌いの分かれる味だ。



なぜ大阪スパイスカレーが大阪で流行しだしたかというと、個人出店がやりやすかったからである。


もともと初期の大阪スパイスカレーの店主たちは、元アーティストが多く、音楽だけでは食べていけないので、本業の合間にカレーをやっていたというのが多い。カシミール(おそらく大阪スパイスカレーの元祖)やバビルの塔(大阪スパイスカレー中興の祖)の店主はその典型である。


しかもアーティストゆえにスパイス調合や具材など自分のこだわり、ぼくのかんがえたさいきょうのかれー、なのである。



宣伝もSNSを中心としており、急に今日は休むとか、出来が悪いから14時から営業とか、マーケティング無視の営業スタイルも珍しくなく、これがプレミア感をあげている。


近年の大阪スパイスカレーの店主たちは、初期大阪スパイスカレーのファンたちが自分で独自にカレーの研究をしたり、有名店でバイトに入ったりして、ある程度実力がついたら出店するという人が多い。のれんわけみたいなのがないので、気兼ねなく出店できるのだ。



また居酒屋やバーなどの夜営業型の店舗を昼間だけ借りる、間借り営業で月~金の昼間だけ営業という形式のため開業のコストが安く、平日のお昼のみというプレミア感もあって、谷町や北新地ではあちこちで行列が見られるようになった。


間借り営業で有名になったら、本格的に自前で店舗を持って営業を行うという手堅い経営スタイルも大阪スパイスカレーの店が増えた一因である。


手堅い出店方式なので出店が多すぎて、もはや大阪スパイスカレーの店があるのかわからない(関西で500店舗はあるのではないか)状態である。



もし大阪スパイスカレーに興味を持たれたら、SBのレトルトカレーで旧ヤム邸とコロンビア8のカレーが販売しているので、買って食べてみて欲しい。雰囲気は味わえると思う。



蛇足


スパイスカレーという名称自体は、カレーレシピ本の元祖ともいえる水野仁輔氏が提唱したのが最初であり、彼のレシピ本を参照にしたという大阪スパイスカレーの店主達は少なくない。

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