表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】貧乏男爵令嬢の領地改革~皇太子妃争いはごめんこうむります~【WEB版】  作者: 有(富士とまと)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

80/84

けいさん

「ええ、もちろん構いませんよ。次回の打ち合わせもしませんと」

 次回って……何勝負にするかってこと?

 ハマルク宰相がニコニコ嬉しそうだ。

 いや、次回はないです。あ、そうだ。次回がないように、計算が得意すぎてかわいげがないと落選させてもらうというのも手かもしれない。

 ちょうどいい。今渡しておこう。宰相補佐にしてもらうために役立つかと思って持ってきたのだ。

「成型竹薪の生産に関してレポートにまとめてきましたので、選定会のあとご質問があればその時にでもお答えさせていただきますので」

「おや、これは素晴らしいですな」

 ハマルク宰相がパラパラと10枚ほどの髪の束をめくって目を見開いた。

「じっくり読ませていただきましょう。これは誰が?」

 誰が?

「私ですわ」

 秘密を漏らしてはないかと探りを入れられたのだろうか。とりあえず正直に答えたけれど、宰相が首を傾げた。

「お恥ずかしながら、男爵領は人をたくさんやとい入れるだけの資金がありませんので……」

 と、言葉を添えると、やっと私が書いたと信じてくれたようだ。なぜか、宰相の表情が嬉しそうにほころぶ。

 お、好感触?これは、あとは算術大会で実力を発揮して。


「子猫ちゃんたち、今日は私とゲームをしないかい?」

 全員がそろい、皇太子殿下が入ってくるといつものきらびやかな笑顔で殿下が口を開いた。

「ゲーム?」

 ざわざわと令嬢たちがどよめく。

「ほら、これだよ。計算問題。これを、私よりも早く解いた者が勝ちだよ」

 おや、殿下よりも早く解いたら勝ち?私たち候補者が競い合うとは違うんですね。

「け、計算?私計算は苦手ですわ……」

「なぜこんなゲームを……」

 そうですよね。そりゃ、いきなり計算させられれば驚きますよね。皇太子妃の資質とか関係ないし。

「ふふ、どんな手段を使ってもいいんだよ。私が計算に集中できないように子猫ちゃんたちが構ってくれてもいいんだ。ああ、そうだ。協力し合って解いてもいいよ?とにかく私よりも早く解いた子猫ちゃんの勝ち。買った子猫ちゃんにはご褒美も用意しているよ」

 ニコニコと殿下が笑う。

 なるほど。

 ゲームとして殿下を誘惑してもいいよとルールに付け加えてあるわけか。それで、唐突な計算ゲームを殿下が女性とチャラチャラする時間に仕立て上げたってわけね。

 それだけでなく、協力し合うことができるとうことは、令嬢同士の力関係や人間関係も分かっちゃうわけだよね。取り巻きが多い方が有利だとか。派閥まで分かるかも。

 ……と、まぁ、私には関係ありませんが。実力を見せつけるのみ。

「殿下質問がございますわ」

 ファエカ様が手を挙げた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 誤字報告です。 「買った子猫ちゃんにはご褒美も用意しているよ」→「勝った…」
[気になる点] 「髪の束」!? 「買った子猫ちゃん」 日本のペットショップは動物虐待組織として国際的に悪名高いですね。親元から離すと性格形成やら躾上、極めてよろしくない幼齢で親から引き離してガラスケ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ