表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】貧乏男爵令嬢の領地改革~皇太子妃争いはごめんこうむります~【WEB版】  作者: 有(富士とまと)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/84

ぼたん

 それからボタンを糸からはずして竹串に通す。うん、穴の大きさは大丈夫のようだ。キリで開けているのだろうか。そろっている。竹串の太さをあとは合わせればいいんだ。

 竹串に、5つのボタンを通したものを4本用意する。

「ああ、そうして何個かずつに分けて数えやすくして売るつもりですか?多少見栄えはよくなると思いますが、手間に見合うだけの……」

 と、マールが何やら言っている言葉を無視し作業を続ける。

 竹串が渡る大きさの小物入れ編んだ竹の隙間に竹串の先を指し、ボタンを通して向かい側に渡す。そうすることで、竹串は宙に浮いてボタンも浮き上がる。

 竹串に通したボタンはバラバラにはならずに。

 上に下にと移動させることができた。

「何をしているんですか?ミリアージュ様?」

 さすがに数を数えやすく竹串にさしたわけじゃないとマールも気が付いたようだ。

「おや、子供が喜びそうですねぇ。振るとカチャカチャ音が鳴るおもちゃですか?」

 領民も興味深く私の手元を見ていた。

 確かに、振れば小気味よい音が鳴る。そういうおもちゃも作って売るといいかもしれない。

 だけれど、これはおもちゃではない。

「マール、孤児院の子たちが計算に使っていた竹串……の代わり。こういう感じの物にしたらどうかしら?、13足す22とかボタンを動かして竹串を移動させる代わりにするの」

 マールがやっと私の意図に気が付いたようだ。

「なるほど!これならばばらばらになりませんし、桁が混ざって分かりにくくなることもありませんね。ああ、でも長い竹串分がありませんね……そうだ、こうしてはどうですか?」

 マールが竹串を1本、縦に並べたものとちょうど直角に交わるように横に1本通した。

「こうすれば、この串が邪魔になってこれ以上上に移動できないので、この上に一つ長い竹串の代わりのボタンを通して」

「なるほど!上側と下側に分けるのね!」

 領民が首をかしげる。

「なんですか、これ?」

「計算するための道具を作っているの!」

 目を輝かせて領民に教える。

 だけれど、領民はすごいという顔は見せない。

「ねーねー、あたしにも計算できるようになるの?」

「これ作ったら計算できる?」

 子供たちだけが目をキラキラと輝かせている。

 ああ、そうか。そうだ。

 私は孤児院の子供たちは親の仕事を継ぐこともできない、孤児院を出てからも仕事が見つかるようにと……いろいろ教えていた。

 領民たちは、親が、村の人たちが子供たちを育ててくれているからと、何も教えるようなことはしなかった。

 ……100人程度しかいない領民……だからこそ、全員が計算できるようにもできたんじゃないだろうか。

 全員が文字をかけるようにできたんじゃないだろうか。大人たちは仕事をする必要があるから学ぶ時間がないとしても、子供たちは?

「ミリアージュ様、むしろこうしたらどうでしょうか?」

 マールが考え込んでしまった私の横で、ボタンと竹串で別の計算道具を作り上げていた。

 1本の竹串には10のボタンが通してある。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ