ga
3週間で完成するのかしら?デザイン画を見ながらうーんと考え込んでいると、お針子の女性が口を開いた。
「あの、腕を心配しているのなら大丈夫です。サリーは幼いですが、刺繍の腕前もそれは素晴らしく」
サリーが私の顔をじっと見ている。私が初めて刺繍を教えた時から変わらない。くりくりの目は真剣でそして楽しそうにキラキラしている。刺繍が本当に好きなんだよね。
「サリーが優秀なのは知っているわ」
と、しまった。なぜ知っているのかと思われるよね。
「あ、あの、ほら、リアに教えてもらったから……」
慌てて言葉を添える。
「ミリアージュ様は、リアお姉さんと知り合いなんですよね……リアお姉さんは」
「これ、サリー」
突然口を開いたサリーをお針子の女性が制する。
下っ端貴族といえ、貴族は貴族だ。許しを得ずに勝手な発言を許される立場にはないと、お針子の女性が気をまわしたのだろう。
まぁ、私は平気なんだけど。それにサリーと話もしたいからうれしいけれど。でも、もし、この調子で他の気難しい貴族の元へ行って処罰されては大変だ。
「構わないわ。発言を許します。サリー、リアのことが聞きたいの?」
何を聞きたいんだろう。サリーのことをどう話していたか?
そりゃぁ、サリーのことは自慢するよ?優しくて年下の子たちの面倒見もよくて。だって、今も気にして少ないお給金でお菓子を買っていってあげてるんでしょう?
「ありがとうございます。あの、リアお姉さんは、次はいつ孤児院に来るのか知っていますか?」
へ?
「なぜ、知りたいの?」
もしかして、サリーはリアに会いたいのかな?だったらうれしい。そうよね。サリーにあえて私は嬉しいんだもん。
でも、サリーからすれば、ミリアージュに会ってるだけで、リアには会えてないんだから。
あ、そうだ。この後、ちょっと待っててもらって、化粧急いで落として、リアメイクに変えてサリーの前に出てきたらどうだろうか。
うん、ちょうどミリアージュを訪ねてきたことにして。
「昨日、孤児院に行ったらディラさんという人が来ていて」
ドキッ。
ディ、ディラが……?
「リアお姉さんに会いに来ていたみたいなんですけど」
私に、会いに?
胸が高鳴る。うれしい。
私に会いに……。ああ、泣きたくなるくらいうれしい。
「会えなくて残念がっていて、次はいつ来るかと皆に尋ねていたので……」
ああ、ディラ……。




