表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

ブルーベリーケーキ


ブルーベリーケーキを久々に見かけた。


ベリーの酸味は好物なので、私はまたブルーベリーケーキを味わいたくなった。

はじめからブルーベリーケーキを食べるつもりはなかったけど、あるなら食べたい。


私が話しかけると、ブルーベリーケーキは嬉しそうに私に近づいてきた。

冷たい場所で保管されていたブルーベリーケーキは綺麗で汚れてなくて、無性に私を腹立たせた。

私はブルーベリーケーキに会う前に様々な苦労があったのに、ブルーベリーケーキは傷つくことなく生きてきたのだ。


私はブルーベリーケーキを殴りたかったが、殴ってブルーベリーケーキに嫌われるのは嫌だ。

笑顔で我慢する道を選ぶ。

ブルーベリーケーキはケーキだからか脳みそがない。

私の気持ちなど何一つわからないのだ。


ブルーベリーケーキと交際を初めて、十年。

私は結婚をしたかったが、私は人間だからブルーベリーケーキとは結婚ができない。

はじめから理解していた事だけど、そういう理屈ではないのだ。

結婚できない事は仕方ないにしても、ブルーベリーケーキのために結婚を諦めた私に、ブルーベリーケーキはそれに見合うほど尽くしてくれてるのだろうか。

私はブルーベリーケーキをゴミ箱に捨てたくなったが、捨ててブルーベリーケーキを失うのは嫌だ。

私は今日もブルーベリーケーキのために我慢をする。


ブルーベリーケーキは私のために何も我慢をしないのに。


ブルーベリーケーキのせいで悲しい私は、ブルーベリーケーキを傷付ける権利がある。

私はブルーベリーケーキにケーキのくせにと吐き捨てた。


ブルーベリーケーキは、ケーキだから私の言葉で何一つ傷つかない。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ