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人狼  作者: まゆげ
1/1

クラス編

20××年、IT革命によりマイクロチップがついに人体に埋め込まれ実用化されることとなる。脳に直接信号を送り映像を見ることができるようになった。また映像だけでなく感覚や嗅覚まで時には味覚までリアルに再現することが可能になった。まるで本当に違う世界を体験しているような錯覚に陥るため、これを電脳世界と呼称されることになる。


20××5月1日、一人の高校1年生がクラスになじもうと必死にSNSを利用していた。欠かさず返信はするように心がけていたし、こまめに気の利いた発言もするようにしていた。その日は友人のなおきやゆうすけ、まさなどと他愛のない会話を楽しんだり、クラスの女子をみてかわいいだの、かわいくないだのと上から目線の評価を下したりとごく普通に過ごしていた。そんな日の夜のことだった。

「ピロリン」

電子音が頭に響く。いや実際には音はならない。体に埋め込まれてるマイクロチップから電子音が聞こえた、という信号が送られ、実際に鳴ったと錯覚しているだけなのだが彼にとっては実際になっていようがいまいが大した問題ではない。

クラスのSNSグループから通知が来たのだ。

すぐに、電脳世界にアクセスしSNSをチェックする。すると、匿名送信でURLが貼られていた。

ちなみに電脳世界にアクセスといってもSNSの確認程度ならば、目の前に映像が現れる程度の干渉しかなく、歩きながらでも差し支えない程度である。しかし映画を見たりする場合はすべての感覚を電脳世界に切り替えるためそれなりの準備が必要になる。

「なんだこれ…。」

独り言を心の中で呟きながらも、おもむろにクリックすると、テロップがでてきて注意書きが出てきた。

「すべての感覚を電脳世界に切り替えます。安全な体勢をとり、危険な場所では…云々。尚、今後この警告は出ませんご了承ください。」

注意書きを特に読んでもいないがこれまでの経験で電脳世界に感覚を切り替えるための警告だと信じ込み、OKと書いてあるところをおした。もちろん、倒れてけがをしないように万全の体勢をとったのは言うまでもない。

OKを押した瞬間場面は切り替わり目の前に再び画面が表示された。

ニックネームを入力してください

【             】

アイコンを選択してください

「めんどくさ…。うーん、まゆげにコンプレックス感じてるし、まゆげでいいか。」

【まゆ           】

「まゆげっと。」

「えーとアイコンは…。あっ。」

ニックネームに「げ」を入れ忘れ、「まゆ」になってしまったことにいまさら気が付きあわてて修正しようとした瞬間アイコンの選択画面の選択肢をタッチしてしまったのだ。

「あっ」と心の中で声を漏らした時には、すでに目の前の画面がまた変わっていた。


どうやら、建物の中らしい。大きめの部屋にいるようで、中心には丸く大きい机が置かれていた。それを囲うように九つの椅子が備え付けられている。そこの一つに腰かけていた。

訳も分からずあたりを見渡し状況を確認していたその瞬間だった。

隣の席に「ぶうん」という鈍い電子音が鳴ったと思うと、そこには一人の少女の姿があった。しかし、その姿には見覚えがあった。しかもついさっき見た気がする。

そう、それは先ほど物色していたアイコンの顔だったのだ。そこで自分の姿をとっさに確認した。今朝。友人たちと会っていた時は確かに男子高校生の姿だったのに今はなん女の子の姿をしていたのだ。鏡がなく顔が確認できないのが残念だが、確かに手は小さく腕は細い。足も細く見えるしまとっている服も女性のもののように見える。何より、下を向くと大きな二つの丘が視界を遮るのであった。

隣の少女の状況が飲めないようで、キョロキョロとあたりを見渡していた。

そして目と目が合い、お互いの間に気まずい空気が流れ、静寂を破ろうとしたその瞬間次々と席が埋まっていく。そこで頭の上に何やら文字が書かれていることに気が付いた。

九つの席が埋まったのはそれに気が付いたのとほぼ同時刻だった。

左隣から順番に

ノア、ゆうひ、775、かず、さら、けだま、A、せな

と続く。確認したと同時に

「ゴー――ン」と鐘の音が鳴り響いた。

すると、中央におじいさんの姿で半透明なホログラムが現れた

『私はGMゲームマスターです。これからルール説明をします。あなた方はこれから、二つの陣営にわかれ、お互いの陣営をかけた勝負をしてもらうことになります。陣営によって役職が割り振られます。まず、村陣営には、市民×3人、狩人×1人、占い師×1人、霊能者×1人が割り振られます。次に狼陣営には、人狼×2人、狂人×1人に割り振られます。そして明日から毎晩23:59に一人疑わしい人を処刑できます。これは生存者による投票によって選択されます。基本的には、他人の役職は知りえませんが、占い師は0:00に1人だけ、その人が人狼であるか否かを確認することができます。また霊能者は、処刑した人が人狼であったか否かを知ることができます。人狼は仲間の人狼と電脳世界では他人に気づかれないようにいつでも会話をすることが可能です。さらに人狼は毎晩0:00に誰かを襲撃し殺害することができます。しかし狩人は0:00に誰かひとりを護衛することができます。護衛した人が襲撃されても殺害されませんが狩人は自分を護衛することはできません。さらに、護衛が成功しても他人には誰が誰を護衛したかは認知されません。狂人は人狼からも認識されませんが、占われても人狼ではないと判定されます。村陣営を装い、人狼陣営が有利になるように行動しましょう。人狼が二匹とも処刑されると、村陣営の勝利となり、村陣営の生存者が0人になった時点で人狼陣営の勝利となります。ルール説明は以上です。』

『ここからは個別に話しかけています。あなたの役職は…市民です。村陣営勝利のために行動してください。0:00の行動はありません。次の招集は5月2日23:30です。』

それだけ言い終わると、いつもの自室のみなれた天井が映り込んできた。どうやら部屋のベッドにあおむけに寝転んでいたらしい。デジタル時計は5.2.0:00と表示されていた。妙に疲れていたのでそのまま寝てしまったらしい。


【クラスメイト一覧】

なおき

ゆうすけ

あつし

まさ

ふうき

ゆうだい

はるか

ななこ

くるみ

みさき

さら

あかね

あまね

いちご


【ニックネーム一覧】

まゆ

ノア

ゆうひ

775

かず

サラ

けだま

A

せな

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