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第59話 伴出、いただく

「あ、セリーナさんおこんにちはですにゃあん」

 猫娘のルーシーから他の人間にも聞こえる大きさでゴロゴロ音がしている。

「あ、ミーシャちょうどよかった。あのさ、船に乗るのに一人200万も······」

「セリーナさんボクは頑張りますから待っていてくださいませにゃ」

 サワキの言葉はルーシーには届いていないようだ。

「頑張るってなにを? まあ、無理しないでね」

「セリーナすわぁん優しいですにゃ〜ゴロゴロ」

「あの、200万もね······」

「ルーシーさん落ち着いてください。タワーってなんのことですか?」

 パトリシアが質問をはさむ。

「『キマシ』ですにゃよ! 『キマシタワー』! 師弟揃ってその道のプロならきっとボクも立派なタワーを建てられるようになりますにゃ! そしたら! そしたらセリーナさんと!!」

「はい? キマシ? セリーナさんと? ちょっとなにを言ってるか私にはよく······」

「大丈夫ですにゃ、ボクはサワキ公式の疑似ショタですにゃ。おねショタぐらいどんとこいですにゃ!」

「あれ? ミーシャ何歳だっけ?」

「27ですにゃ」

「え、えぇ······なかなかいってるなぁ。たぶんこの中で一番年上だぞ(ジガン除く)」

「ねねねねね猫年齢ですから! 猫年齢ですにゃので!」

「それだと人間換算124歳だぞ······」

「もう124歳でいいですから! できるできる絶対できる! 頑張れもっとやれるってやれる気持ちの問題だ頑張れ頑張れそこだ!」

「こっちの気持ちはまったく無視なのかな?」

 セリーナは少し困った風に頭を掻いた。


 タワー建設に意欲を見せるルーシーをなだめすかし、サワキ達は今の状況をルーシーにも説明した。


「そんなのやればいいんですにゃよ。いただき男子サワちゃんになればいいんですにゃ。簡単ですにゃ」

「来年にはもう通じないネタやめろよな」

「サワキくん風俗ジャンキーなんだしいまさら躊躇する必要ありませんにゃ」

「サワキさんサイテー」

「いやいやゲーステ君みたいな子ならともかくオレみたいなのがパパ(ママ)活しても誰も得せんだろ」

「いや、あの、スターオーシャンセカンドストーリー(1998・エニックス)のレオンきゅんのことをゲーステって名字で呼んでるのサワキくんだけですにゃよ······」

「そんなん名字かなんてわからないだろう。ダバ・マイロードみたいな例もあるんだし」

「そうそう! 重戦機エルガイム(1984・サンライズ)の主人公ダバは本名カモン・マイロードで義父がダバ・ハッサーだから名字がダバで名前がマイロードなんですにゃよね。あれ驚きますにゃよね!」

「あのぉ、そんな話広げなくてもよろしいのでは······?」


「どうしてもそれが嫌というなら他の方法もある」

 ごちゃごちゃと話の進まない人達を放置してジガンが話しだした。

「なんです?」

「このブレディールの北方に洞窟がある。そこからある物をとってきてほしい」

「はあ。それはなんですかにゃ?」

「なんてことはない石だ。黒い石」

 サワキが上体を少し起こした。

「······ほお! お使いイベントですな! それアレでしょ? それがないと船が完成しないとかそういうやつでしょ? んでその洞窟に入るために誰かを訪ねるんでしょ? それでその人のところに行くためにはまず道を塞いでいる岩をどかしたりしてさ」

「いや、洞窟には普通に入れるが······」

「あ、そう······まあ時間ないもんな」

「にゃ? なにか急いでましたっけにゃ?」

「コウヘイさんっていただろ? 森で野球したときの審判でこの町の治安維持担当の人。あの人はずっと敵が迫っているのを察知していたんだよ。だからあの森にいたんだ。警戒していたんだよ。町の治安維持を担当する人間が町を離れ、しかもオレに関するゴタゴタには以降関わってこない。今もてんやわんやの大忙しってこと。ね? ジガンさん」

「······こいつ」

 ジガンの顔が苦笑いに歪む。

「と、いうことは?」

「オレがあの斥候をどうこうするまでもなく遠くないうちに敵は来るってこと。逃がした彼らが領に帰って報告をすれば本隊がやってくるかもね。あまり時間がないよ」

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