第54話 伴出、戦隊ヒーローで一番変わった名前の戦士はグリーンサイだと思うの巻
斥候と思われる二人組はピンチだった。パワーで乗り切れる状況ではない。サワキの指摘通り時間をかけすぎたのである。
「······こうなったらこちらも奥の手を出すぞ!」
二人組の上司にあたるらしい人物がなにかを思いつく。
「えぇ! アレを!? 本当に使えるんですかい!?」
「信じるしかない! やるぞ!」
二人は顔を合わせると大声で叫んだ。
「カムヒア! デースーガーエールー!」
木々の間から表れる巨大な機械。どうやら斥候たちは潜んでいた林の中にこれを隠していたようだ。
高い跳躍から金属の着地音。
それはなんともいえないダークグリーンと茶色の塊だった。
「そーれ、乗り込めー!」
サワキ達が驚いていると、二人はその金属の塊の中に乗り込んでしまった。
それが足で立ち上がり、サワキ達を見下ろす。高さは2〜3メートルといったところか。
「な、なんじゃこりゃ!? 核搭載二足歩行戦車か!?」
「ドクターウィローですにゃドクターウィロー!」
「あ! あ! パトリシアはサイドバッシャーに一票です!」
サワキ、ルーシー、パトリシアは相変わらずのお気楽ぶりで、セリーナは呆れた表情だ。
「フフフ、我らの秘密兵器デスガエルに驚いているようだな!」
マシンから声がして見回すように面々を見ると、それからマシンガンのようなものが周囲にばら撒かれた。
「なんだ? 銃か?」
「ワハハハ! 鼻みたいなところから弾が出てますにゃよ! ゴエモンインパクトですかにゃ〜!」
「ブワハハハ! ルーシーさんインパクトて! インパクトて!」
「······まずい! セリーナ、みんなを引かせるんだ!」
「! 全員退却しろ!」
急にサワキが叫んだ。
「どうしたんですかにゃ!?」
「なにか問題が!?」
「え、いや、普通に敵が発砲してきてるのになんでそんな余裕なんだよ」
「······」
「······」
「あ! 本当ですにゃ! 危険ですにゃ!」
「たしかにその通りです!」
うんうんと頷く二人。
「お、おまえら一体なんなんだ!?」
敵の兵器から呆れた声が聞こえてきた。
「デスガー・エル、おそろしい兵器だ」
サワキが呟く。
「デスガエル、な」
マシンから声がする。部下の方だ。
「ん? デスガ・エル?」
「は? デス・ガエルだが? ほれ、ぴょんぴょん跳ねとるだろうが。カエルだカエル。ゲコゲコ」
マシンがガシャンガシャンと跳ねながら答えが返ってくる。上司の方の声だ。
「デ、デデデ、デスガエル!? カエル!? デスフロッグとかじゃなくて!? グリーンサイ以来だろそのネーミングセンス!」
「グリーンサイ殿とやらを存じ上げないがなかなか迫力ある名前だな! ガハハ!」
デスガエルが笑うような動作をすると跳ねて距離をとった。
「ともかくお遊びはこれまで。こいつを出した以上力ずくで行かせてもらう! 参るぞ!」
「RPGだったら画面がブシャアァァってなって戦闘画面に移るやつですにゃこれ!」




