第50話 伴出、納得しない
「はぁ〜」
食事中のパトリシアのため息であった。
「どうしましたか? 魚に飽きました?」
ブレディールは湖沿いのこともあり魚料理が盛んだ。というかほぼ毎食魚だ。
「だって私だけやることがないんですもの。サワキさん、いつまでここにいるんですか?」
お行儀の悪いことに魚をフォークでいじいじしながらパトリシアが愚痴る。
「ああ、もうあと一日二日でなにもなければ他の手を考えますよ。暇なら観光とかしてみてはどうです?」
「もう一通り回りましたよ。ほら、こんな観光地図が自作できるぐらいです」
そういってパトリシアは地図を取り出した。カラフルで細かくブレディールの見所が書き込まれた見事な物だった。どれほど暇だったのだろうか。
「わあ凄い。たんけんぼくのまちの長島雄一さんじゃないですか」
「私はおでこのメガネででこでこでこりんしたりしませんよ」
「それは違うやつですね」
「ふえはうたうの俊くんはみんな話題にするのにやっぱりヤンチャーの裕兄ちゃんは誰も話題にしないの私やっぱり納得できません」
「たしかにそれも納得できないですけど、オレが納得できないのは4月1日エイプリルフールですね」
「なぜです? 嘘ついていいっていうのが納得できないのですか?」
「いいえ、ある場所で嘘にちなんだ全3話の新作短編小説をエイプリルフールに一挙公開したらーー」
「ちょっと食事時に聞きたくないんですけど(結果が見えてるから)」
「丸一日で合計PV5でした」
「うわぁ······でもそれは初日だけで」
「それ以降動いてません。ちなみにそのうち3は自分で確認するために自分でアクセスした分と思われるので実質PV2です」
「言っちゃなんですけどそれもうみなさんから検索妨害としか見られてませんよ」
「いかがでしたか? 小説が不人気の原因を調査しましたが、わかりませんでした!······ってやかましいわ!!」
「私達も同じようなことになる日も近そうですねこれは······」
「ところでミーシャは? 暇ならあいつと遊べばいいですよ」
「なんだかルーシーさんは用事があるらしくていつもどこかへ出かけちゃうんです。どこに行くか聞いても教えてくれないんですよね〜」
「ははぁ、さてはイケメソがいたな」
「え、そうなんですか?」
「ミーシャは面食いのホス通いですからね。そのお相手がいたらたぶん一発でわかりますよ、明らかに美形でしょうから」
「へえー、不思議ですね」
「意外でした?」
「意外というか、面食いならなぜサワキさんなんかと一緒に旅してるのかなって疑問で」
「······」
「辛くないのかな?」
やっぱり二人の仲はよくない。




