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第43話 伴出、衝撃の事実を知る

「あんたらもしかしてブレディールに行く気かね」

「ええ。あなた達もブレディールの方々で?」

「そうだが、悪いけど通してやるわけにはいかんね。あんたらは怪しすぎる。帰ってくれ」

「そう言われても、オレ達はブレディールで船を出してくれる人を探したいんだよ」

「湖に出たいのか? 余計に通してやるわけにはいかんな。特にあんたみたいなバンダナを巻いてるような奴は。この辺りで頭になにか被ってるやつは信用ならねえ」

「そういうあんたらも帽子被ってるじゃないか。野球帽みたいなやつ」

 サワキの指摘通り薪拾いをしていた面々は帽子を被ってるのだ。しかもそれはまさにベースボールキャップとしか言いようのない形状なのである。

「ほう! おまえヤキューがわかるのか!」

「へ? そりゃまあ。むしろなんで知ってるの? こっちに野球が伝わってるの?」

「伝わるもなにもヤキューは我らの地の祭りが発祥なんだわ」

「え、嘘だろまさかオレ達の世界の野球の起源もここなのか? いや、そんなどうでもいい部分で衝撃の事実みたいな展開いる?」

「なに言ってるのかわからねえがだったら話ははええ。おらたちとヤキューで勝負してオメーらが勝ったらブレディールまで行っていいべさ」

「まさか······」

「サワキさんこれは······」

「野球回なんですかにゃ!?」


 地面に大きな三角形が描かれ、それを囲うような弧が描かれた。すなわち三角ベースである!


「じゃあ自己紹介だ。一番背の低いおらはバリーっつうんだべ」

「顎髭のおいらはベル」

「一番体がデカいわしはビューンだ」

「おら達三人はブレディの3B(スリービー)って呼ばれてるんだ」

「せめて三連星からとれよ、伝わりにくいだろだろ」

「そしてもう一人の俺がコウヘイだ」

「へ? なんか普通というかまともな名前だな。もしかしてあんたも異世界から?」

「異世界? そんなのは知らないが俺はブレディールで一番公平な男なんだ。だからコウヘイなのさ! フルネームはコウヘイ=ビョウドー=コウセイだ! 代々審判の家系なんだぜ!」

「あ、まともな名付け方じゃなかったですにゃ」


 ベース代わりになる板状の石や木を地面に埋めていく。どうにもバカバカしいが実力行使というわけにもいかないだろう。いつの間にか訛りがどんどんひどくなるブレディの3Bはあくまで普通の民らしいので、これですむならむしろ儲けものかもしれない。


「いやー、しかし野球回あったのかよ。細かいルールすらよく知らないぞ」

「野球回がある作品は名作と言われてるからですにゃかね?」

「そういう要素にとらわれてそういうのばっかやって失敗した作品の方が多いのではないですか? 食事にやたらこだわったりと」

「でもまあ、これで勝てれば迷いの森も無事攻略ですにゃ」

「そういや道具とかどうなってんの? まさか石でやんないよね? 手で打つんでしょ? 打ってファールにならず、取られなくて弧の内なら一塁進む、弧の外ならホームランって感じ?」

「ルールはそんな感じだな。キャッチャーは審判を兼ねたコウヘイが両チームで行う。球も心配いらねえよ。おら達はここで薪拾いをしててな、同時にほれ森の幸もたくさんとれんのよ」

「あら本当、キノコに木の実、こんなミイラみたいな枯れ木ばかりなのに意外ですね」

「そったらほれ、栗もこんなに。この栗がボールだべな」

「えと、それ剥くよね?」

「いやこのまんまだべ」

「イガ! イガあるよイガ!」

「ん? あるな(笑)」

「(笑)じゃないんだよ(笑)じゃ!」

「バラエティで流血はご法度ですにゃよ! 血が出ちゃダメですにゃよ!」

「え、これバラエティだったんだ。バトルものの異世界転送ものだと思ってたわオレ」

「ともかくそっちから攻撃でいいからよ(笑)」

「(笑)じゃないんですよ(笑)じゃ!」

「みなさんお待ちかね! 正々堂々と試合フィックスリリースだべ!」

「色々混ぜるんじゃないにゃよぉ!」

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