コール
うーん。今回のは今までで一番自分の中では下手くそな内容になっちゃったかなって思ってます。設定は悪くないかなって思ったんですが、内容が軽くなってしまったかなって思ったり思わなかったり。
僕は声が聞こえない。
音が聞こえないんじゃない。
人の声だけが聞こえないんだ。
学校の屋上から楽しそうに帰るみんなを見つめる。
わいわい騒いで帰ってるんだろうか。
遊びに行く予定でも立ててるんだろうか。
僕には一切聞こえない。
屋上にいるからじゃない、聞こえないんだ。
優しくも冷たい風が吹く。
聞こえる。風の音が聞こえる。
揺れる木の音が聞こえる。
落ち葉が地面を擦る音が聞こえる。
「聞こえないよ。」
僕は空につぶやく。
返事はない、帰ってくるのは自然の声だけだ。
そんな風に自然と会話していると後ろで物音が聞こえる。
ガチャッ
扉の開く音だ。
まずい...誰か来る。
誰だ。いや、誰でもいい会いたくない。
そんな僕の気持ちをよそに彼女は僕の目の前に現れた。
「あぁ。最悪だ。」
思わず口に出してしまう。
彼女は空に手を伸ばし、背伸びをしてこちらを見る。
誰もいないと思っていたのだろうか、僕を見て驚いたように目を見開いていた。
僕はただただ早く立ち去りたかった。
こちらを見つめる彼女に軽く頭を下げ、立ち去ろうと早足で扉へ向かう。
しかし手をつかまれ思わず足が止まる。
「------」
彼女の口が動いているが何を言っているのかわからない。
「...ごめん。聞こえないんだ」
視線を下に向けて言う。
そんな僕に彼女は優しく頭に手を乗せた。
思わず顔を上げる。彼女と目が合う。
その瞳はまっすぐ僕を見つめていた。
「------」
また何か言っているようだった。
しかし、聞こえない。
申し訳なくてまた顔を下げてしまう。
すると彼女は僕の手を持ち上げて手のひらにゆっくりと指で文字を書いた。
『あしたまたここにきて』
そう書き終えると彼女はニコッと笑い、手を振って扉の向こうへと消えていった。
立ち去る際に最後に彼女が言ったことは口の動きでわかった。
「またね」
きっとそう言っていたんだろう。
またね。誰もいなくなった屋上で僕は静かに言った。
・・・・・。
今日もまた屋上に顔を出す。
彼女に言われたからではない、と言えば嘘になる。
だけどそれ以前に僕はもともとこの屋上を気に入っていた。
きれいな青空や寂しい夕空などここで見える景色がすごく好きだった。
いつもの様に目を閉じて風を感じていると後ろで扉の開く音が聞こえた。
確認せずとも彼女だとわかった。
トントンと肩をたたかれ振り向くと目の前に何か真っ白のものが差し出されていた。
少し距離をとって見るとそれがスケッチブックだとわかった。
そしてその開かれたページには『おはよう!』と書かれていた。
「おはよう」
少し戸惑いつつも僕は声で返事をする。
このとき僕は内心すごくうれしかった。
正直文字で会話するという発想は誰でもできる。
ただそれを実行するっていうのはすごく大変で面倒なのだ。
「ありがとう。すごくうれしい。」
頭を下げて言う。
それを聞いて彼女はどこから取り出したのかわからないペンでスケッチブックに何か書き始めた。
静かに書き終えるのを待つ。
少しすると彼女がスケッチブックをこちらに差し出した。
『よかった!あのね、私はあなたと話したい。』
生まれてはじめて言われた言葉だった。
また彼女が何かを書いてこちらに向ける。
『泣かないで。』
「え?...あ、ごめんね。あまりにうれしくて。」
彼女に指摘されて僕は初めて自分が涙を流していることに気が付いた。
いつ以来だろう、涙を流したのは。
いつ以来だろう、話したいなんて言われたのは。
いつ以来だろう、誰かと関わりたいと思ったのは。
いつ以来だろう、こんなに人を好きになったのは。
いつ以来だろう、声を聞きたいと思ってしまったのは。
「ねぇ、君はどんな声をしているの?」
『可愛い声だよ』
「はは、ぜひ聞きたいな」
『.....いつから聞こえないの?』
「わからない。物心ついた頃には聞こえなかった」
『そうなんだ。辛いよね』
「うーん。どうだろう。辛くはない。辛くはないんだけど.....」
彼女は首を傾げる。
「寂しい...かな。」
今まで誰にも言うことのなかった本音だった。
それを聞いて彼女は昨日と同様僕の頭に優しく手を置いて笑って見せた。
そしてスケッチブックにこう書いた。
『そっか...でももう大丈夫だよ。私がそばにいるよ。』
なぜ彼女はこんなに優しくしてくれるのだろうか。
僕はその優しさに答えたくて精一杯の笑顔で答えた。
「うん、ありがとう!」
彼女と出会って2日しかたってない。
たった2日で何度お礼を言っただろう。
たった2日でどれだけ彼女に惹かれただろう。
たった2日で...
『ねえ、こっちに来て。』
その文字を僕に見せると彼女はスケッチブックを地面に置いた。
僕はゆっくりと彼女に近づく。
そばによると彼女は自分の額と僕の額を合わせた。
熱くなる体を冷やすかのように風が僕達を優しく撫でる。
そして彼女は口を開く。
「---------」
「.....ほんとに可愛い声だね。」
僕は声が聞こえない。
音が聞こえないんじゃない。
人の声だけが聞こえないんだ。
でも僕は大切なたった一人の声を知っている。
すごく優しい可愛い声を。
どうでしょう。少し内容が荒いと言いますか...雑に思われた方もいるんじゃないでしょうか。
適当に書いたつもりはありません!
しかし、自分でもスッキリしない部分もあったので今後はそういうところも直しながら書いていけたらなって思います。
また気分で書いたりしていくつもりなので見ていただけると幸いです。
できれば短編も今まで通りに書いて、時間があれば長編ものも書いていけたらなーって思ってます。よろしくお願いします!




