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なんで俺の命は危機にあう!?   作者: 榊 唯月
初めての海外旅行
5/7

第4話:日常とは、その基準は当人によって変わる……だからってこれはないだろ

 

「ふむ……悪魔に有効な聖なる攻撃とな。なかなかに感知が早いようじゃの」


「矢張り面倒事になたネ。他の班員に連絡しとけヨ」


 その暴力的なまでの光は、やっぱ悪魔となった俺の弱点なんだろう。なんかまた非日常が始まったな、と乾いた笑いしか出てこない。


 とりあえず、防いでくれたらしき食いしん坊美少女はありがとう。……またなんか食べてるけど。そしてこの事態でも立って寝てるムカつくイケメン、滅びろ。


「うわわわ、どこのとこからの攻撃!? 『教会』に(あだ)をなす者ですか!?」


 驚きの連続だからか、自分より慌てているお姉さんがいるせいか。思ったより俺は冷静らしい。


「新人、落ち着けェ。んで、そこのお嬢ちゃん、何の用だァ?」


 お嬢ちゃん。俺を、おそらく殺そうとした人物。俺の、推理。……当たって欲しくはない、推理。その答はーーーー




「教会、認識。検索………遊撃隊、判明」


 セイ・ミッレ・トレンタ。俺を殺した(生きてるけどな、俺……悪魔として)美少女。


 どうやって感知したかはわからんが(多分魔法?)、俺の生存を知った、あのいけ好かない、セイの父親?がまた性懲りも無く、セイに俺の殺害を命じたんだろう……イラつくな。もちろんセイに、ではない。セイを道具のごとく扱うあのオッサンに、だ。


「へェ、コッチのことを知らずに攻撃してきたッてかァ。ソッチの二人組も心当たりはないようだし……狙いはユウキ・ジンノかァ?」


「隊長。ねみぃんで帰っていいっすか?」


「もきゅもきゅもぐもぐもきゅ」


「テメエらはチョッット黙ッてろ」


 隊長さんの心のこもった言葉に……2人は黙った。いや、普通に食って、寝てるけど。


「ユウキ・ジンノ、殺害、命令、肯定」


「そうかァ。んじゃァ、とりあえず教会の敵だな? 新人!」


「はい………主よ。なんじが敵に(いまし)めの鎖をお与えください。光の鎖(チェイン)


 魔法。それが目の前で使われている………お姉さん、俺を拘束する時もそれを使えば良かったんじゃないだろうか。


「回避可能。迎撃態勢に移ります」


「おせェよ」


 いや、充分早いですよ~。


「セイっ!!!!」


 見えない攻撃……多分、によってセイは地面に倒れた。って、おい!


「あの女子おなごなら大丈夫じゃよ。あれ程の実力者ならば、手加減くらいできとる」


「でも……」


 やはり、心配だ……セイはさっきから、何かをつぶやいているだけで、動かないし。


 と、思っていると。目の前を何かがよぎった。


「クルリ、皇帝(ホアンディー)から連絡ネ。ささと問題終わらせろとのことヨ」


 それは白い鳥っぽいモノだったけど、栄仁さんの手に触れると、手紙?になった。多分ホアンディーさんからのお手紙なのだろう。……変な名前の人だなあ。そして、携帯使えよ、そんくらい。


「……妾があの女子の問題を解決しろという事かえ?」


「丁度よかたネ。祓魔師(エクソシスト)の後輩がこち来てるヨ。これで自由に動けるダロ?」


「……異国の地をゆるりと楽しみたかったのう」


「ふーん、なんて名だァ、その祓魔師(エクソシスト)は?」


 エクソシスト?これまたファンタジーな。というか、俺が祓われるのか?やだなー逃げたい。


「ヴィンツェンツィオ・キャンピオンだたネ」


「え、えーっ!!!!! それってまさか、最年少の枢機卿の、キャンピオン猊下(げいか)ですか!?」


「新人、驚くのもわかるが、ソノお嬢ちゃん逃がすなよォ。人違いの可能性もあるだろォが」


 どうしよう。会話にまったくついていけない。アレ?俺、当事者だよね?枢機卿ってなにそれ?おいしいの?


「行動不能。実力差……推定。計算終了。脱出、不可能。検討、自爆」


 自爆!?つまり……自殺するってことか!?そんな……そんな命令ーーーーーー


「セイっ!! 命令なんて聞かなくていいんだ」


「命令、聞く。任務、遂行。存在、意義」


「そんあことはないっっっ!!!!!!」


 美少女はそこに立っているだけで目の保養なんだ!いやされるんだ!!あと、旅行会社に証言をしてくんないと、せっかく当たったツアーがパーになる!!!


「あースミマセン。こんな感動的なシーンに空気読めない感じで登場しちゃって」


 ひょっこりと、ヘコヘコしつつ出て来た少年……っつっても俺と同い年くらい。真っ白い髪に、黄色の目がひどく目立つ。しかも真っ赤な服を着ている……よく通報されなかったな。


 それと、大丈夫です。心の中ではスッゲーゲスいことを考えてたんで。


「げ、猊下……」


「あ、かしこまんなくていいですよ」


 俺と同じくらいの年っぽいのに、かなり偉いらしい。お姉さんがすっごいキラキラと尊敬の眼差しで見てる……他の3人は総スルーだけど。いいのか!?


「来たネ。遅かたヨ」


 またもや放置される。俺はこの場に必要なのだろうか?……


 暇だし、ポケットを探る。……あれ?


「はは、ちょっとばかし面倒な案件がありまして」


 セイ?腹減ったか?いや、実はな、ポケットにチョコがあって。機内食でもらったんだ。


「言い訳はナシネ」


 え?食べたことない?じゃ、ほら、食ってみなよ。


「英国王室の……「ほほう、面白そうじゃの。これ、栄仁、話をきこうぞ」


 もぐもぐと黙って食べるセイ。……癒される。


「……説教は自分で受けろヨ」


「猊下!? 王室からの干渉ですか!?」


「もぐもぐもきゅもきゅもぐ」


「ふわぁー、そろそろ帰っていいっすか~?」


「新人、落ち着けェ! ……コイツらは落ち着きすぎだけどなァ。あと、猊下。ことが大きいんでェ、バックれますゥ」


「却下」


「ちッ」


 さてと。


 ……英国王室って?えーっと、聞き間違えですか?


 もうやだ。セイ、二人で逃げたいな。あ、無理だよな、そうだな。


 ……正太、すまん、まだお前を探しにはいけないようだ。俺が何をしたっていうんだorz


 平穏な日常に戻りたいっっっっ!!





 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 皇帝(ホアンディー)・・・皇帝の中国語であり、人名を指しているわけではない。皇帝、というあだ名の生徒が凰璃にはいる、という事。



 枢機卿(すうききょう、すうきけい、ラテン語: Cardinalis、英: Cardinal)とはァ、カトリック教会における教皇の最高顧問であり、カトリック教会において教皇に次ぐ地位にある称号だァ。まあつまり、オレらの上司だッつーことだ。スッゲーざっくり言うとだけどなァ。要するにィ、お偉いさんだ、お偉いさん!

遅れて非常に申し訳ないです。

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