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なんで俺の命は危機にあう!?   作者: 榊 唯月
初めての海外旅行
2/7

第1話:どうしてこうなった……

すみません、遅くなりました。基本、こっちは亀更新となります。

「おーい、勇紀、めんごめんご、遅くなった」


 正太、なんてタイミングで来たんだ。ある意味すごいぞ。


「一般人の存在を確認。『命令』により、戦闘行為を中断」


 な、なんか銃をしまったぞ。よかった……


「勇紀、誰だ? このロリっ娘」


 いや、確かにロリだが、他に気にするところがあるだろう。銃とか銃とか。まあ、本物な訳ないし、モデルガンか?この子はなんか全体的に中二病っぽいので、それで持ってるのかもしれない。


「『ロリっ娘』を検索・・・・・・データベースにロリっ娘のデータはなし。情報収集を必要と判断。問います。ロリっ娘とは何ですか?」


 データベースって何だ!?中二病の中では知識とか記憶という感じなんだろうか。そして真顔でロリっ娘の意味を聞かれても答えられない。どう言えと……


「君みたいな小さくて可愛い女の子のことだよ!」


 正太、お前をある意味尊敬する。中々に当たり障りなく、()つベストな答えだ。まあ元はお前のせいだけどな。


「データベースを照合。小さい、肯定。可愛い、否定」


「そんなことないよ。とっっても可愛いよ」


 日本語の意味はちゃんとわかってんだよな……そして正太、通報するぞ。それ以上なんか言ったら。


「話を変えて悪いが、君はどうして俺の名を知ってるんだ?」


「ユウキ・ジンノ殺す、命令。あの言葉、インプットされた」


 ふむ、つまりこの子は俺を殺すよう命令されてて、あの『死になさい』という言葉と俺の名はその為に覚えさせられた(インプット)と。


 ……俺は清く正しく生きてきたつもりなんだがな。


「ロリっ娘ちゃん、勇紀の命とかどうでもいいから、君の名前を教えてくれる?」


 おい、俺の(あつか)いがひどすぎるだろ。


「名前………識別名、セイ・ミッレ・トレンタ」


 識別名って……?ああ、また中二病の、人間としてのとか仮の名はコレだが、真の名は……って感じか。設定が中々に()ってるな。


「セイちゃん、一人でお家帰れる? それともお母さんと来たのかな? 時間があるならお兄さん達と遊んでもいいけど」


「肯定。ユウキ・ジンノ殺すまで、対象から離れない、命令」


 ……俺なんかしたかなぁ。心当たりがまったくないんだが。うーん、想像だがこの子は日本語ペラペラだし、日本に住んでいた。それで旅行か帰省かは知らないが、イタリアに来て、マフィアごっこをしようと思った。日本に住んでいたから、日本人でなおかつ年のまだ近い俺と遊ぼうと思った……ここまではいい。だけど、疑問点が二つ。一つ、何で俺の名を知っていたか。ご両親が父さんと同じ職場とかか?二つ、どこから落ちてきたのか。周りには高いビルなんてない。


「そうか、セイ。お前は、どこから落ちて来たんだ?」


「落ちて来た、否定。転移地点(ムーブポイント)、ズレた、肯定」


 転移!?また中二病が発動したんだろうか…


「セイちゃん、魔女っ子ちゃんなのかな?」


 その言い方はやめとけ、正太。魔法使いとかでいいだろうに。


「魔女っ子・・・・・・データベースを検索。意味、子どもの魔女。子ども……定義曖昧(あいまい)。よって否定。魔女、肯定」


「魔女さんなのか〜。どんな魔法、使えるの?」


 正太、そこの設定できてなかったらどうするんだよ。はぁ、マフィアごっこかと思いきや魔法使いごっこか。いやあの銃はなんなんだよ!?


「魔法、使用。命令違反、否定。使用可能、肯定。……氷の矢(アイスアロー)


 どんなことをするのかな、と俺達は彼女をじっと見ていた。


 氷の矢。それが出てきた。彼女のつぶやきと一緒に。魔法……実在していたのか!?そんなものが?


 これは……


「正太! 逃げるぞ!!」


 この子が本当に俺の命を狙っているのなら……危険だ。俺なんか簡単に殺せるだろう。これがトリックのあるマジックの可能性はあるが……俺達はみた。何もない空にいきなり氷の矢が浮かぶのを。これがマジックとは言いがたい。


「ああ!!」


 この子は一般人の正太が来ると銃をしまった。つまり、一般人は狙わないはず。となると、人混みに行くべきだろう。そんなのここであれば簡単だ。空港内に入ればいい。あの子はいきなり逃げ出した俺達に驚いて、止まっている。大丈夫……


魔の鎖(チェイン)


 なはずだった。しかし相手は魔法を使えるのだ。俺達は、謎の光る鎖に(しば)られた。……あの子の可愛い声ではなく、成人男性の声によって出された。


「何をもたもたしてるのだ。この欠陥品(けっかんひん)が」


「申し訳、ありません」


 感じ悪いおっさん。あの子の父親か?にしては顔が似ていない。養父とかか?


「一般人がいたなら、記憶を消せばいいだろう。何をグズグズしてる!!!」


「はい、ご命令に、(したが)います」


 胸糞(むなくそ)悪い光景だ。……と、他人事のように俺はただ見ていた。


「勇紀!!!!!!!」


 いつになく切羽(せっぱ)()まった声で呼ばれる。正太、うるさいぞ。そう言おうとして俺は…


 胸元が痛い。血が出ている。なるほど。心臓を魔法で攻撃されたらしい。


 それだけ認識して……


 すまん、正太。巻き込んで。


 ゴメン、父さん。俺は、母さんと、同じ所に、い、き、ま…………









 神野勇紀は、事切れた。


「ゆうき!ゆ「やかましい。これだから低俗な者は。まったく。忘却(オブリビオン)


 忘却。その術が正太に当たる。術の影響か彼は気を失った。そして彼は……


「人間とは、(あわ)れなものだ。親友だの言っておきながら、あっさりとそれを忘れるのだから……」


「これらは、どういたしますか?」


 いきなり現れた少女が言った。金髪碧眼。そう、セイと名乗ったあの少女と瓜二(うりふた)つ。ドッペルゲンガーと言われれば信じてしまいそうだ。


「トレンタトレか。死体は放っておけ。そっちは……」


 そう言って男性は気絶してしまった正太を見る。


「そうだな、そっちも放っておけ。親友が目の前で死んだショックで記憶喪失、と思われるだろう。よければソイツが殺したと思うかもしれんな」


「わかりました」


 セイ……セイ・ミッレ・トレンタと名乗った少女は風の魔術で勇紀を殺したあと、固まっていた。いや、思考していたと言うべきだろう。彼女には、今の自分の感情、(いな)、感情というものがわからなかった。何故こんなに胸にポッカリと穴が空いたような気持ちになるのか、目から水分が出ようとしているのか。


「トレンタ! 次に失敗したら……わかっているだろうな? 処分(スクラップに)するからな」


「はい」


 わからな、かった。



主人公が死ぬ……一話目で。果たしてこんな小説は今までに……あったでしょうね。というか、某少年雑誌では主人公が幽霊という斬新なものがありましたし。あの作者さんの某狩人漫画、面白いのに…再開しないかなとずっと思っております。

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