大図書館の管理人
よいお年を
今回も今回で超短編です。いつちゃんと書くかって?未来の私に聞いてください。
「ギリギリセーフ…!」
戻る道中で適当に置かれている本を正しい位置へ戻したり寝ている客を起こしたり諸々していたら、受付に時間ギリギリの到着となってしまった。しかし予定時間にはまだなっていないのでセーフ!(なお、先に集合していた司書さんの方々の目線を考慮しないものとする)
「セーフではない。余裕を持てと前から言っているだろ。」
カウンターの奥からやって来たのは杖を持った女性。
「一番下の階にいたので許してください…」
「あんな古い本しかない場所によく行けるなぁ…物好きだねぇ」
「なかなかに面白い本がありましたよ。広告でも書きましょうか?」
「お好きにどうぞ。それじゃあ、今日のミーティング始めるぞ」
帽子の隙間から見える長い耳
彼女の名前はマリア・エーデルワイス。エルジオ大図書館の館長でありエルフである。
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「はい、じゃあ今日の連絡事項は以上とする。掃除して各自解散。」
司書の面々が各階層に散らばっていく。縦に長いこの図書館であるが、その分働いている司書の数も多いのでさして時間はかからない。
ちなみに私は資格を持っていないので司書ではないです。はい、それではこの図書館内で私は何をしていると言いますと…
「アルト、準備は?」
「できてます。今日は昨日のあまりの食材を使って炒め物にしています。」
「良し。じゃあ先に戻っててくれ。私はもう少しいる。」
「かしこまりました。」
館長もといマリア・エーデルワイスさんのお世話係として住み込みで働いています。一文無し部屋無し知識無しのトリプルコンボでこの世界に来てしまったため、衣食住が確約されているだけでも大変ありがたい。
エルジオ大図書館の地上階は部屋状となっていて住むことができる。3階部分がマリアさん及び私のスペースで、1階の奥と2階部分が司書さんのためのスペースである。しかし、わざわざ寝泊まりする人はそこまでおらず、業務中の休憩スペース及び倉庫と化している。
「ふぅ…よし仕上げやるか。」
3階まで上がり、リビングの机に夕食の準備を進めていく。料理に関してはあっちの世界でもそれなりにやっていたため特に苦労せず、食材も名前や形が微妙に違うこと以外は特に違和感もなくて味も美味しい。
「食べ終わって片付けも済んだら、今日も練習しようかな…昨日は再現まで後少しだったし」
そう呟きながら、この大きな図書館の主の帰還を待つのであった。
これが、彼のこの世界に来てからの日常である。
・司書資格
各国指定の試験を受講のもと、図書館にて館長からの面接を経て合格した者のみ許される資格。安定した給料と国のお墨付きが付くということで非肉体系の中での人気職。




