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黙戦は好きじゃないよ

2メートルを超える槍を片手にレイ・リンは降下する。


そして呼吸をひとつつけば、ルフトの目の前に現れる。びゅんと風が吹き、橙色の光が尾を引いて、槍の先は心の臓を目の前とした。


ルフトは不愉快そうにそれを見つめて、すぐに両手で槍の先端を掴む。


その触れた手先は砂の粒となって崩れ落ちるのがわかると彼は口を大きく開く。その中から飛び出す無数のナイフのような光。


レイ・リンの顔面の方を目掛けて発射され、彼女は槍を回しながらその全てを払う。


また気づけばルフトはレイ・リンの背後にまわっていた。崩れ落ちたはずの手にも光子が集まり、元の形状となっている。


そしてその手には虹色に輝く大剣。下段の構えより振り上げようとしている。


レイ・リンの槍の先はすでに相手の方を向いており、その後端からはロケットのようにエネルギーが噴き出している。


レイ・リンは触れていない、槍の頭には猫耳のようなものがついている。槍は勝手に虹色の剣に向かって進み、ぶつかり合う金属音が聞こえる。


槍はルフトの大剣により二つに折られて宙を舞っていた。


今度は愚直に虹色の大剣をレイ・リンに突き刺そうとしたが、その時既に彼女は空中でくつろいでいた。


見上げるルフト、風は彼の艶やかな髪をたなびかせた。容姿端麗の青年である、それでも憤怒の表情がその原型をなくすほどに歪ませる。


黙戦(もくせん)は好きじゃないんだけど、話そうよルフト。」


「会話が成立するのは“金色の太陽”がこちらにある時のみ。その前に殺してやるよ。」


「そっか...。」


レイ・リンは言い終えると空中で何かを掴む、出てきたのは魔法のステッキによく似た何か。先端に飾られたハートとそれについた猫耳。


「もっと暴力的にいくよ。」


彼女はそれをすっと振りかざす。すると横に長い、橙色の光が帯状に現れた。ハートのエフェクトがちらちらと現れる異質さ、攻撃は放たれる。


光の帯は広がり、ルフトを包み込まんとする。ルフトは表情をさらに歪ませて。虹色の大剣を力いっぱい横に振った。


ルフトの周りの光だけが消えてそのほかは背後の校舎を叩き壊した。


「また学校を破壊しちゃったな...好きだったけど。」


煙幕のような埃を排出しながら倒壊する三田奈学園の校舎。


「レインが言ってた通りの絶対相殺...たのしいね。よし、私も剣で行くよルフト。」


手元のステッキが消えると、黒色の剣がレイ・リンの手元に現れる。


歪に曲がった形のつるぎ、何かの禍々しさを秘めていた。


「私がお土産にもらったものさ、使ってみたくてね。きなよルフト。」


ルフトの表情はいつのまにか落ち着きを取り戻していた。彼は跳躍し、螺旋を描きながら空中のレイ・リンに到達する。


振り上げた剣は、レイ・リンのどす黒い剣と衝突する。生身の人間を斬ったかのような不快な鍔迫り合い。


絶対相殺でもそれを殺すことはできず、叩き割る勢いでレイ・リンとルフトは様々な方向から剣を差し込んだ。


4つ目の衝突音が聞こえたあたり。


レイ・リンの目は先ほどまでとは違う程度に発光をする、釣り上げられたような笑み。猫的柔軟さで彼女は縦に回転。


感知する前にルフトの肩を剣が叩きつける、それでも斬撃とは程遠い。


その勢いでルフトは墜落する。


「あの時の私では勝てなかった、吹っ切れたからこそ...。」


レイ・リンが剣を振り翳し、ルフトを追う形。上空より隕石のようなスピードで降りかかる。


間一髪でルフトは着地をし、絶対相殺の剣を上からの攻撃に備える。


振ってきたレイ・リンの斬撃は衝突音と共にルフトの足を地へと食い込ませ、受け止めたと思われた。


「仲間の使い方を覚えた。」


ルフトの横目に映ったのは赤色の矮星だ。奥に見える血に塗れたロラは彼を指差し、姉の仇と言わんばかりにぶつける。


「...ラストシャイン。」

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