過ぎ去るもの
その後も時間はあったので、サラたち3人はゲームセンターを楽しむのであった。
シューティングゲームで店内最高得点を叩き出すサラ、英雄のように思えた彼女はクレーンゲームでは苦戦した。
逆にカイは驚くほどクレーンゲームをうまくこなす。アイシーが異様に欲しがるぬいぐるみを2つ3つと、タグを繊細に狙うことで獲得していった。
アイシーはその中でも銀色のハムスターのぬいぐるみがお気に入りらしく。もちもちとした触り心地にアイシーは満足するのだった。
彼女はバスケでは半ば反則の技を見せた。ボールを掴んで投げるかと思いきやその腕を触手状に変えてカゴに伸ばしていく。
店員は見ていなかったけれども、本当に楽しのだろうか。なんともため息が出るような遊び方だ。
最後にはプリクラを撮った。サラとアイシーは強引に連れ入ったカイの顔を可愛く加工して、それを見ながらゲラゲラと笑っている。
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「アイス食べ終わったら、行こうか。」
時間潰しに入ったゲーセンを満喫し終えた。商業施設内のベンチで3人は横並びに座っていた。
サラとカイの間でアイシーは、獲得したカップアイスを味わう。
ゲームセンターで遊んでいる最中はカイのポケットに入れて冷やしておいたので、硬く凍ったままだ。
足をご機嫌にぶらぶらとさせながら、旨く濃厚なアイスに頬をこぼす。
「そろそろか...ゲーセンって面白いんだな。」
カイは袋いっぱいに詰まったぬいぐるみを抱えながら話す。
「私もここへはまた来る、あのアイスの筐体はマスターせねばならない。」
「まだまだ修行が必要だよアイシーちゃん。わたしが伝授させてあげる。」
「うん!」
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「よし、操作は済んだ。」
夕日の空に手のひらを向けたアイシーは仕事を終える。カイは地面に置いた思いぬいぐるみの袋を持ち上げた。
「帰ろーぜ。明日は最後の学校だしな。」
「そのまま在籍した方がカモフラージュできそうなのに。」
「ああ勘弁だ、学問なんてもう嫌だね。」
「えー。」
歩き出すサラとアイシー、赤く染まった日を眺めながらカイは思う。
ーー学問か...通い続けるのも別にアリかな...。
振り向いたアイシーはカイに呼びかける。
「カイ、いくぞ!離れると暑いんだ。」




