子守りなんて嫌だね
「原初の魔王の目...。」
「あまりにも秘められた魔性が凄まじいので、周りの物理現象すらも歪ませる。」
「元は我々の持ち物であったが、エネルギー源としての利用を懇願されて人間に貸したんだ。外交的な効果もあるので、我々の種はメリットだと考えたのだがな。」
「なるほど。結局“金色の太陽”は利権的な問題が生じて、その過程で第二の災厄自体のこともタブーとなったと考えられるね。」
「鋭いな魔王よ。」
「まあ、自分なりの仮説に当てはめただけだよ。」
「納得はいくな。我々に関する記録が焚書にされたので、この契約も忘れ去られたと。
しかし、我々の種も“金色の太陽”を回収しなければならない。同じ血が流れていても、争いに発展しかねない。」
「宇宙人の文明ってまだそんなエネルギー源を必要としてるの?」
アイス詰め込まれた袋を持って帰ってきたサラが訊く。
「いや、それでもエネルギーは有限のままだ。その中であまりにもイレギュラーな“金色の太陽”に注目が集まった。」
「へえー。」
「ああそういえば魔王。」
「レイ・リンでいいよ。」
「ならばレイ・リン。明日私は宇宙船に操作を加えなければならない、新宿というエリアに赴く。」
サラはそばの椅子の上をくるくると回転しながら言う。
「でもまだ暑いよ?」
時々冷たい風が吹くものの、残暑はなかなかなものだ。23度の部屋でさえ暑いと感じるこの少女が外出など到底無理であろう。
少女はニヤリと笑う。
「カイを貸してくれ。彼の冷気が必要だ。」
レイ・リンも納得したような表情を見せる。
「別にいいよ。」
レイ・リンはあっさりと了承。カイは困惑して彼女らに訴えかける。
「こんな少女と2人なのはなんか恥ずかしいぞ...。」
「いいじゃん妹みたいだし。」
サラはカイを軽く揶揄う。クローガとレインも微笑を浮かべるのだった。
「はあ?!一昨日は俺のこと殺しかけたのに、何を考えてるのかまだわからないこいつと!」
ーー「ふんっ!」
少女はカイの脚部を素早い手刀で殴った。
「ボスが良いと言ってるだろう。従うのが忠実な部下じゃないのか。」
「いってえ!お前なあ...。」
カイは痛みに悶えながら不平を漏らすのだった。
「2人が嫌なら、サラもついていってあげたら?サラマンダーの熱で冷気も問題ないだろうし。」
「おっけー!カイの子守も観戦させていただくね。」
「悔しい...。」
--理事長から皇帝の情報を奪取するまで残り1日。--




