【番外編】会社の時間
古今東西、世界中には弟子と師匠や生徒と教師のような教える人と学ぶ人という関係が存在している。もちろん僕らの会社の中にもそのような関係はある。ただ…
「お願いします!仁先輩の弟子にしてください!」
ただ自分が師匠になるとは想定外すぎるんだが?
「えっと…僕より位の高い人はわんさかいるし、僕より実戦経験のある人もいっぱいいるのになんで僕?」
「だって仁先輩が俺の命の恩人だからです!」
トラスト市から脱出して1~2か月がたったとある日。先日新入社員として暁光君が入ってきた。そんな彼はLABOで会ったような弱そうな口調ではなく、自分の考えを伝えようとするしっかりとした口調で、僕に向かって土下座しながらしゃべっていた。
「う~ん……弟子とったこともないしな」
「とりあえずとったら?弟子に」
悩んでいるとき、上司のカイン先輩がデスクの向こう側から割り込んでくる。
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カイン。ペンネーム「K」。
僕の上司に当たるものであり、たまに辛辣。広報部のリーダー格であり、多くの社員から支持を集めている。前職は戦場記者であり、米軍にいたこともあるなかなかの実力者だ。
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「ほ、ほら!カイン先輩も言っていますので!どうかお願いします!」
「よし分かった!光君、今日から君は僕の弟子だ」
悩むも何もほかに方法がない。そして光君のうるうるとした目を向けられては断りようがない。
「やった~!ありがとうございます!」
彼は嬉しさのあまりに僕の体に飛びついてくる。僕は椅子に座っていたため、光君に飛びつかれてバランスを崩してしまう。そして体制を治せるわ明けもなくそのまま光君と一緒に地面に倒れてしまう。
「うぎゃ!」
バシャッ!
運悪く机に置いてあった水が体にこぼれてしまう。
「あ……す、すみません……」
自分の体を見て、光君の顔を見る。
「よし。それじゃあ僕の弟子君第一号!代わりの水と僕の着替え持ってきて」
「ラジャー!」
「早速こき使っているな」
「うるさい」
いつもうるさくて楽し気なWBF財団の東京支部の日常は今日も始まる。新たな仲間とともにね。




