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第1章第4話 剣術の稽古

 裏庭の植木が焦げていたので魔法を練習したのがバレてしまった。あれから1か月おやつ抜き、魔力の鍛錬と剣術の稽古以外の時間は母さんに付いて回り、1日中お手伝いの日々であった。


 シェリーは初回であったことと、今回は私に唆されたのだろうという推測にすぎない評価を理由に3日で開放された。


 まったく納得がいかないのだが、そんなことを言葉にすれば、反省していないという理由で罰が重たくなってしまうことが目に見えているので、おとなしく母さんの手伝いをしている。身重の身体には仕事が辛いこともあるだろうから、丁度良かったということにしておこう。


※※※※※※※※※※※


 今日は火曜日、剣術の稽古の日だ。毎週火、木、土曜日は、7時から10時までの間、剣術の稽古を行っている。


 稽古を受けるのはアルと私の二人だけだ。ステフ姉さんとシェリーに対しては、母さんが短剣舞闘とかいう護身術と踊りを合わせたような武芸を時々教えている。


 剣術の指導官は勿論父さんだ。冒険者時代の癖なのか、父さんは剣を持つと性格が変わる。子供に対しても何一つ容赦しないため、私は父さんの剣での打ち込みに何度も死ぬ思いをしながらも、回復魔法で一命を取り留めている。


 なんて酷い父親なんだ。普通子供と模擬戦する時には少しは手加減するものでしょう。


 何度も死ぬ思いをした。と書いたが、普段は素振りや兄さんを相手にした模擬戦をしている。因みに一度も勝ったことはないが、兄さんが学園に入学するまでには1勝くらいはしてみせるつもりだ。


 「どうしたクロ!?もう息があがっているじゃないか!」

 「今日こそは兄さんの身体に一撃入れてみせるんだ!」


 軽い打ち込みだと、兄さんの剣に簡単に弾かれてしまう。渾身の一撃を叩き込まないと、逆にバランスを崩されてしまうのだ。


 「力んでいるから剣筋が単純になっているよ。避け易いから俺には好都合だけどね。」

 

 随分疲れると思ったら、力み過ぎていたみたいだ。反省。反省。

 

 これまで習った動きを一つ一つおさらいしながら戦ってみよう。少しでも滑らかに、ねらいを悟らせずに素早い剣筋を目指して!


 「うわぁ!?ちょっ、ちょっと!急に剣が速くなったんじゃない?」

 「僕は兄さんを超えて父さんよりも強くなるよ!」

 「俺だって父さんよりも強くなるのを目標にしているからね。そう簡単には勝たせないよ。」

 「いったぁ!い!!くっそー、いつか一撃いれてやるからな!」

 「楽しみにしているよ。」


 「よぉーし!今日はここまでにしようか。二人ともいつもに増して気迫がのっていて、とても良い動きをしていたよ。」

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