第15話 騎士との訓練
いつもと同じ服。いつもと同じ朝日。違うのは寝てる環境……。
凄くふかふかだったベッドを見て俺は軽く伸びをした。
軽く顔を洗って、俺は食卓に向かった。
「おはようございます。伯爵様」
「おはようヴァース君。朝食はどうするかな?良ければもう作らせるけど……。それと、ウラヌス殿に朝食を食べるか聞いて頂きたい」
「僕の分はお願いします。師匠は昨夜、僕に朝出かけることを伝えていたので、多分出て行きましたよ。朝食は何か食べてくると思います」
「そうか。わかった」
そう言って、伯爵様はコルン様に声をかけて、料理を持って来させた。
凄い豪華で見たことない料理ばっかりだった。
俺と伯爵様は、少し会話をしながら朝食を済ませた。
俺と師匠がどんなことをしているのか……とか。
伯爵様の家族は今、領地を治めるために外に出てるとか。
俺は朝食を取り終わると、師匠が帰ってくるまで騎士の方と一緒に練習するために、訓練場へ向かった。
「騎士団長様、おはようございます」
「ヴァースか。おはよう。それと、騎士団長様ってのは少し距離を感じるから、ランドルと呼んでくれ」
「わかりましたランドル様。ところで、訓練は今からですか?」
「ん?そうだが。もしかしてヴァースも参加したいのか?」
「はい。できれば良いんですけど……師匠が外出してましていつ頃帰ってくるかわかってなくて……」
「そうかそうか。なら、参加して行くか?
と、言っても模擬戦を何回もしたり基礎練習ばっかだけどな」
「是非よろしくお願いします」
「よし、じゃあお前も今から参加な。素振り中だからお前もやれ、100回やったら次は突きを100回。終わったら、抜剣から自分が使える技を繰り返し練習しておけ。
一定時間経ったら俺から声をかける」
「了解しました」
ヴァースは騎士の中に混ざって一人訓練を始めた。
外出中の師匠のことを考えながら……
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side:ウラヌス
こんなこと、バレたら死罪じゃろうなぁ。
ウラヌスはそう言いながら、王城の一部屋を目指して走った。
警備の騎士達の視界に映らない速度で、その騎士達をかわして行く。
「おっと、ここじゃな」
ウラヌスは“国王直轄天気予報師団 団長部屋"と札がかけられた部屋の中に入った。
ウラヌスが部屋に入ると、風がウラヌスに向かってきた。ウラヌスは難無くそれらを全てかわした。
「手荒い歓迎じゃな?エーデル」
「ウラヌス殿でしたか……」
ウラヌスの前に、眼鏡をかけた白衣の男……エーデルが飛んできた。
「中々様になっておるな。それより、4日後この王城で魔物の大侵攻について国王と面談することになったのじゃが……どこまで話す?
国の重鎮の一人のお主が会議に参加せぬ訳にはいかないじゃろ?
ワシの紹介状を書いた以上、ワシらの関係性については話すべきじゃと思う。
じゃが、流石に昔の仲間と言っても設定年齢が違うじゃろ?じゃから、今回はワシらのことを話しておくべきなのではと思うんじゃよ」
「どういたしましょうか……素直に話してこの国を味方に付けておくと言うのは一つ名案かも知れませんね。
吾輩もその意見に乗りましょう。もしかしたら吾輩達のことを知らない可能性もありますし……」
「じゃな。そうと決まれば、後は軽くどんな質問が来た時にでも対応できるようにしておくかの」
「流石ですね。吾輩も見習いたい所存です。
そういえば、お弟子さんはどうするんですか?」
「あやつは、今頃伯爵の騎士連中と模擬戦でもしてるんと思う。だから心配するな」
そう言って、ウラヌスはエーデルと話しながら飲み物やら土産を出していった。
そして、弟子のことやら、エーデルの話を交わらせながら、酒を勧めて行った。
太陽が頂点に差し掛かった時、ウラヌスはエーデルの部屋を出て、大急ぎで伯爵邸まで帰ってきた。
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side:ヴァース
俺は、ランドル様に言われた通り。
素振りを100回し始めた。
周りの騎士たちは、普段見ない人間に興味津々で意識を向けてきている。
素振り。突き。基礎練習。何をしてる時も誰か一人からは視線を感じて居づらかったな。
ま、それよりも、みんな良い人で気さくに声をかけてくれたり、本当に楽しかった。
すぐにお昼になったので、騎士の皆さんとご飯を食べた。
楽しんでいただいたのなら幸いです。
誤字誤植等はいつでもお伝え下さい。
あと、キャラの喋り方がおかしくなってたりとかw