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リヴァーシ  作者: 脱色生物
2章 商業国編
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第12話 老人と伯爵家1

俺と師匠は貴族街のメインロードを走った。



「あったあった。ここじゃな」


「ここが伯爵様のお屋敷ですか?」


「そうじゃな。さて、さっさと門番と話をしてくるかの。お主もついて来い」


「わかりました」



そう言って俺と師匠は伯爵様の門の前に立っている2人の衛兵さんに話をしに行った。



「ご老人、ここに何か用ですか?」


「あぁ。伯爵様とお話をさせてもらいたいのじゃが、予定は組めそうかの?」


「それは少し厳しいと思いますね。伯爵様は忙しい身です。貴方達がどのような目的かもわかりませんし。伯爵様に話をするならそれなりの身分が必要になりますので」



片方の衛兵さんが、師匠の質問にそうやって返した。

師匠は少し考えた後、胸のポケットから封筒を取り出した。



「身分はこれで良いかの?」


「少し拝見させて頂いても?」



師匠は封筒を衛兵さんに渡して少しだけ、後ろに下がった。

衛兵さんは中身を読むと、もう片方の衛兵さんに大慌てで話しかけに行った。



「師匠。一体何を渡したんですか?」


「なぁに。この国でちょっとは有名な友人からの紹介状じゃよ」



師匠の友達でこの国で有名って……とんでもない人なんじゃ無いだろうか。

さらに、衛兵さん達のあの慌てぶりは、流石に異常だ。

もしかして王族……とか?


数分すると衛兵さんがガタイが良く、大剣を持った人物を連れてきた。

年齢は師匠より若いぐらいなのかな?

とは言っても師匠の年齢なんて知らないけど…推定50ぐらい?



「あそこに居るご老人です。」


「ふむ……。あの御老人強いな。」


「騎士団長がそこまで言うほどですか……?」


「ワシでは手足も出んだろうな」


「話してるところ悪いが、ワシらは伯爵様に会わせて貰えるのじゃろうか」


「その件についてだが、あんたが本当にあの国王直轄の気象予報士と繋がりがあるかがわからんのだ……

なにせ、あの人は今までこう言う紹介状を一歳書いたことが無かったもんでな。ただ、直筆で有るのは間違い無いだろう……ってのがこちらの判断だ」


「と、言うことは一応は信じてもらえたわけじゃな?」


「まぁそうなるな。」


「うむ。助かったぞ。して、いつ頃話す予定が取れそうじゃ?」


「今は社交シーズンじゃないから、明日でどうかとのことだ」


「ほう?予想以上に早いな。わかった。明日のこの時間にもう一度顔を出しに来るとしよう」


「伯爵様にはそう伝えておこう。」


「感謝するぞ」



そう言って、師匠は俺の方に向かってきた。

騎士団長は、姿が見えなくなるまで俺たちを見送ってくれた。





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

side:騎士団長


俺が仕えてる伯爵様のところに来た、老人と1人の少年。

少年は老人のことを師匠と呼んでたことから師弟関係なんだろうが……あの老人はヤバいな。危険というか……覇気が一歳感じ無い。他の奴らは自分の力を外に放出してるっていうのに……あの人は水のように動かなかった。

こっちからもそれなりに覇気をぶつけてみたんだが…あそこまで差が有るとはな。

一応最後、敵対意識は持ってないと証明するために念入りに手を振っておいたが……敵に回しちゃ行けねぇなありゃ。

ま、個人的な意見なんて置いといて俺は伯爵様に話付けに行かねえとなぁ。



「伯爵様。失礼しても良いですかい?」


「その声は、ランドルか?」


「ハッ。お伝えしたいことが……

面談の予定を立てたいという人物がきました。」


「ほう。それで、日時は?」


「明日の昼過ぎです。急な予定を立ててしまったことをお詫び申し上げます」


「良い。お主がそこまでと判断した理由さえわかればな。基本予定を組むのはお主に任せとるからな」


「ハッ。まずは、私よりも単純に強いと言うことです」


「なっ……それは厄介だな……」


「私よりも強い方が、何故いきなりと思いましてな。単純な興味本位です。もし伯爵様が何か手伝えることがありましたら、伯爵様にそれ相応の力を貸して頂けるかもと言うところです」


「お前…脳筋に見えて割と頭良いよな。冷静だし」


「急な悪口ですか?」


「違うぞ。それより次だ。もう一個理由があるんだろ?」


「ハッ。彼が持って来た紹介状が……王族直轄の気象予報士のものでした。それも1番上のクラスですよ……流石に断れません」


「ん……もしや、エーデル様の直筆か?」


「……」


「無言と言うことは……肯定ということか。はぁ、悩みが増えてしまうな。流石にあの人からの紹介状を無視するほど我らも愚かでは無いからな。

それより、あの人が紹介状を書いた人物。興味が湧く」


「片方は老人。片方は少年の師弟関係です。多分ですが」


「なるほど。修行の旅と言ったところか?まぁ相手の気を悪くしないようにして、聞き出して見るか。執事長にも話を通しておけ」


「了解しました」



俺は伯爵様から命令を受けたため、伯爵様の前を去って執事長に話を合わせに行った。

執事長は話を受けて、執事やメイドに徹底して掃除をするように言った。


気づけば、もう陽が完全に堕ちていた。

あの老人達と話したのは昼だったと言うのに……

俺もそろそろ休むとするか。


いよいよ伯爵家と対面!

ほのぼの穏やかな師匠は実はそれなりのやり手です。

いつも通り、誤字誤植などあれば言ってください!

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