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リヴァーシ  作者: 脱色生物
2章 商業国編
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閑話 至急の連絡(side:ウラヌス)

 閑話です。

いつもより短めになっております。 

儂がヴァースという少年を助けて、師匠になってから、1,2週間ほどが過ぎた。

儂がヴァースについてわかったことは、この少しの期間でもかなりたくさんあった。

コルマンの中に入る前に、道中で話していたことから、この少年は、儂と同じようにスキルを一つ所持しているということ。そして、儂と同様魔術よりも剣技の方が上手く扱うことができるということだ。

前者はともかく、後者が儂と一致してるということは、儂にとって教えやすい相手であった。


さらに、コルマン内のホテルでの、何も教えてないのに魔力操作を覚えたことや、昨日今日の訓練での、基礎連撃の習得速度から、天才肌であり努力家であることもわかった。

今もヴァースは振り上げから振り下ろしの練習をしている。

さて、儂もヴァースがしっかり習得できるように、改善点を探すとでもしようか……

と思ったが、どうやら連絡が来たようだ。

儂はヴァースに、練習するための道具を探しに行くと、一言声をかけて、森の中をかけていった。


大体ヴァースから2kmぐらい離れたところで、儂は連絡してきた相手に返答をした。



「何用じゃ?ザルトゥス」


「そう嫌そうな声を出すな。お前とお前の弟子は今商業国に居るんだよな?」


「そうじゃぞ。弟子を特訓して自衛ができる程度にはと頑張ってるところじゃが?」


「近くに弟子はおらんな?」


「もちろんじゃ。ワシを誰だと思っておる。今までもこれからもそんなヘマするわけなかろう」


「良し。わかった。要件については俺も聞いてない。今からエーデルが代わりに説明してくれる」


「了解」


「ウラヌス殿。悪いがコルマンの王都まで来ていただけないだろうか」


「「何かあったのか?」」



ワシとザルトゥスの声が重なる。



「ハッ。吾輩の能力で少し空気の流れを見てみたのですが、どうやら商業国の周りに多数の魔物が見受けられます。その中でもAランクを超えるやつも少量ですが見られました」


「なるほど。緊急事態ということはわかった。じゃが、わざわざワシに頼らんでもお主だって我々惑星プラネットの一員であろう。それほど弱いわけでもない」


「普通に魔物の大量発生なら吾輩1人でどうとでもできるのですが、今回のはウラヌス殿が居る南側も反対の北側もどこの街にも目もくれず、王都の周りの森にふと現れたみたいで……」



基本、魔物という存在はそうそう大量発生などしない。

さらに、商業国コルマンの国内図としては、王都の周りに森があり、東西南北それぞれに道があって、その先に街が。さらに、その街同士の間にも小さい街や村があったりという複雑な形をしておる。

そんな中、魔物たちが道中の村や街で一才見られてないことや、付近の村、街を襲っていなかったことから……



「「考えられる可能性は二つか」」



またも、ワシとザルトゥスの声が被った。



「いいえ。多分3つです。魔物が街や村を避けるように1番人が多いところを狙うようにして行動してきている及び王都の周り、普段魔物が滅多に現れないところから急激に現れたという可能性。多分この二つが貴殿らが思い浮かんだ物でしょう。吾輩が考える中で最も可能性が高いと思うのが最後の、魔物を使役する魔物及び魔人が後ろに控えてる可能性です」


「なるほど。やっぱり面白い思考をしておるのぉ。ただし、今の話とその考えを聞くと1番最後があり得そうじゃな。普段ならあり得んと笑い飛ばしてた筈じゃがな」


「ウラヌスの言う通りだな。普段なら信じない話だが、最近の魔王軍の動きから見ると、あり得そうだな」


「それで、ワシらはどのようにして行動すれば良いんじゃ?」


「はい。まず吾輩は王都内から出れないと思われます」


「どうしてじゃ?」


「まず、現在の職業が王族直属の気象予報士なので、そんな危険な状況に陥るとなると多分無理です」


「まぁお主に1番似合う職業ではあるな。なんなら命中率100%なんて余裕じゃろうて。なるほどな、それなら仕方ない」


「次に、魔物の動きがわからない以上、強い人間が1番狙われやすい位置を守るのが大事です。まぁ1番強いのはウラヌス殿なのですが、これに関しては広範囲の索敵や攻撃ができる吾輩の方が便利かと」


「納得じゃ。なら、ワシは何をすれば良い?」


「ウラヌス殿は、魔物が周辺の街に攻撃に行った際に一つでも防ぎにいってください。こればかりは吾輩の行動速度では足りませんし、範囲が広すぎる故できる行動が限られてきます」


「魔物が攻撃に行かなかった場合はどうする?」


「その場合は、索敵能力を用いて厄介そうな相手を削っていってください」


「また抽象的じゃのぉ。まぁわかった」


「お願いします」


「そうじゃ、最後に聞いておきたいが、ワシの弟子はどうすれば良い?」


「どれほどの強さかわからん以上不確定なものを組み込めなのだが……」


「名前有りネームドのトレントを一人で倒せたようじゃから、C+ぐらいまではギリギリ行けるぐらいの実力じゃろうか……

ワシと特訓してる故、少々強くなってると思うがBランクを倒そうとすると1発で意識が飛ぶようじゃ。

大量発生中に敵陣地で倒れるなど殺してくださいと言ってようなもんじゃからな、C+が限度じゃなかろうか」


「1発で意識が飛ぶというのは、攻撃を受けてということですか?それならC+でも5発ぐらいくらうと危なそうですけど……」


「違う違う。あやつは剣技や近接戦闘はそこそこできるぞ。ただ魔法が炎魔法しか使えない上に、使用できる魔法に比べて魔力量もろもろが足りてないようでの」


「なるほど。ならウラヌス殿の弟子は、中堅層をお願いしても。C前後の魔物を主に攻撃するようにしてもらいたい」


「わかった。伝えておこう」


「2人とも話は終わったようだな。では、通話を切るぞ」


「わかった」 「了解しました」



その言葉を聞くと、ザルトゥスはまず、エーデルとの通話を切った。

そしてワシに話しかけてきた。



「ウラヌス、お前エーデルにわざと考えさせただろう?」


「なんのことじゃかさっぱりじゃのぉ」


「お前ほどの策士でなおかつあちらこちらを回ってるやつが、あいつの案を見抜けない訳がない」


「ほっほっほ。時には自分を下げて周りを上げるのも仕事じゃよ」


「そうかよ。まぁ要件はこれだけだ。では検討を祈る」



そう言って、ワシとザルトゥスの会話も終えた。

ワシもあいつらに頼られた以上頑張らないといかんのぉ。


かれこれ1時間は喋っておったのか。

早くあいつの元に戻ってやらんとなぁ。

ワシは少々急いで、でも行きよりは遅くヴァースの元に戻った。

途中で練習に使えそうなものも探しながら。



お読みいただきありがとうございます。

誤字誤植、文法ミスなどありましたらお教えください。


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