第0話 夢
リヴァーシ作者の脱色生物です。
あらすじにも記載させていただきましたが、前のアカウントが諸事情でログインできなくなりましたので、新しくこちらで始めます
「黒炎」
黒い装束を身にまとった男がそう呟いた瞬間、その村は荒れ狂う炎に覆われた。
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「ッ、お母さん……お父さん……皆どこに行ったの?」
荒れ狂う炎の中、1人の少年が嗚咽を零しながら、村の中を歩き続けていた。
周りを見渡しても、動いている存在すら感じず、焼き崩れた家屋が……誰のものかも分からない骨の焼けカスが……そこら中に散らばっていた。
「必ず村の皆を、こんな姿にした奴を、殺してやる」
少年は、強い殺意と決意を胸に込め、村の外れまで歩いた。
少し離れた街まで、このことを報告しに行くために……
少年が村の外れについた時、遠くからわずかながら声が聞こえてきた。
「少年、大丈夫か?」
その声の主は黒髪黒目の警備兵だった。
村の人が生きていると思った少年だったが、別の人物だと分かったことで、少しだけ、涙があふれてしまった。
「聞いているのか少年。この村でなにがあったか聞かせて貰いたいが、他に生き残っている人は居ないのか?」
警備兵は悪気が無かったが、その言葉に少年は、少しの苛立ちを覚えた。
「いない、この村で生きているのは僕だけなんだッ!
皆アイツの炎に焼かれてしまったんだ」
涙を流しながら答える少年に警備兵も悪いと思った。
「それはすまなかったな、少年。私が無神経なばかりに……取り敢えず今から街に向かおう。何があったのか詳しく聞かせて欲しいし、何か探すにしても、私と君の2人だけでは無理だろう」
翌朝、少年と警備兵は街についた。
少年は警備兵に何があったのか詳しく話した。
村の雰囲気がどの様なものだったのか。
どうして村があんな姿だったのか
どの様な人物が村を焼いたのか。
警備兵は少年の話を真摯に聞きながら微笑んだ。
「君だけでも生きていて良かった。取り敢えず、金貨数枚は君に渡しておこう。
これで中央都市にでも行けば良いさ」
少年はその拳に握らせられた硬貨に目を輝かせた
しかし、疑問にも思っていた。
「どうして、こんなに良くしてくれるの?」
「君が昔の私に似ているからだよ。」
「そうなんだ……ありがとうね。警備兵のお兄さん」
「会えたら、また会おうな。少年。」
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