〇〇親父
客・・・客
店主・・・主
※店の前で看板を見上げる客
客 ここが美味しいって噂のラーメン屋かぁ
でも来る途中(スマホを見ながら)気になるレビュー見ちゃったんだよな
「本当は☆5にしたいけど店主が独特なので☆3にしました」
「ラーメンは美味しいけど店の親父には慣れが必要」
「店主の親父がとにかく怖い」
これって…もしかしてガンコ親父の店なのかなぁ
怒られながら食べるの嫌だけど せっかくここまで来ちゃったしな
※ガラガラガラ、と引き戸を開けて入る
※店主、腕を組んで立っているが微妙に「くの字」で立っている
客 すいません、い、良いですか?
※店主、チラッと見てアゴでうながす
客 ここで良いのかな(少し緊張気味に座る)
えーっと(メニューを見まわして)醤油ラーメンだけか
ストロングスタイルの店だな
(店主を見て手をあげながら)あの~
主 お前は次に「醤油ラーメン1つ」と言う!(客を指さしながら)
客 醤油ラーメン1つ
主 やれやれだぜ…
※店主、後ろを向いてラーメンを作り始める
客 いやメニュー1つなんだからそう言うだろ… なんだ今の?
主 (他の客を指さし)お前は次に「醤油ラーメン1つ」と言うぜ!
客 あっちでも言ってる
それにしても何か聞いた事あるような?
主 やれやれだぜ…
あ?なに?1日で何杯くらい作ってるかって?
お前は今まで食ったパンの枚数を覚えているのか?
客 ジョジョの奇妙な親父だー!
この店主さっきからジョジョに出てくる台詞言ってるー!
あのお客さんラーメンなのにパンの話しされて困ってるし
レビューに書いてあったの そういう事か!
あそうだ、今のうちに名台詞とか検索しとこう
※客、テーブル下でスマホをイジってると店主が湯切りのザルを高く掲げる
客 お!あれが僕のかな 湯切り高いな~
※ザルを降り下した瞬間
主 メメタァ!
客 擬音まで口で言ってる!
カエルは潰れないで下の石が割れるシーンだけど
もしかして床が…
※店主、スッと立って足でササッと床を掃く動き
客 あ、麺こぼしてる
※店主、客をジロっと見る
客 す、すいません
そうだ!
今のスタープラチナの能力で時間止められたら良かったですよね!
主 え、時間を、止める…? ※店主、完全に素
客 ほら、麺がこぼれる瞬間に時間を止められたら
主 スタープラチナ、時間を止められるんだ…
客 ネタバレしちゃったー!
思わないじゃーん!
こんなハマってる人がまだ3部読み終わってないって!
主 う~ううう、あんまりだ…あんまりだぁぁぁぁぁ!
客 うわ~!号泣だよ!
ごめんなさい!本当ごめんなさい!
主 ふー、スッとしたぜ
俺は激昂した時は泣きわめいて頭を冷静にすることにしているのだ ※ラーメンを仕上げ始める
客 こーわっ!
て言うか感情を台詞でコントロールしてるの凄くない?!
主 はいよ 醤油ラーメン
客 ありがとうございます(一口食べて)うまっ!めちゃくちゃうまい!
よし、ここでさっき調べた…(スマホをチラっと見て) あの~
主 あ?
客 めちゃくちゃ美味しいですね!
もう「震えるぞハート!燃え尽きるほどヒート!」て気分です!
主 (にやりと笑って) そうか
※店主 ラーメンを作りながらも「ジョジョ立ち」を何パターンも決めまくる
メメタァの湯切りもする 相変わらず麺は少しこぼして足で掃く
客 良かった なんか喜んでもらえたみたいだな
※店主 片手に持った小鉢を客の前に出す
主 これ 俺からのおごりだ
客 え、ありがとうございます!
なんですかこれ?
主 山吹色の煮卵だ 紳士の君に食べてもらいたい
客 あ、僕ピータン嫌いなんでいらないです
主 う~ううう、あんまりだぁぁぁぁぁ!
おわり