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これからが私の本当の異世界生活

大変お待たせ致しました。


「この地に住む精霊は、申し訳ないけど周囲の警戒をお願い」

「妖精の方は...そうね、この土地で彼等と共に過ごし、成長するのを試験とします。期間は1年。さぁ、職人達の手伝いに行きなさい」


へぇー。そういうのありなんですね?


「まぁ、妖精は精霊より元から存在がはっきりしてる分、急いで格を上げる必要は無いの。だから、時間をかけて色んなことを学んで貰うのよ」


なるほど。...そうなると、去年の試験の妖精は?


「その子達はもう始めてるわ。龍王、様子はどう?」

「ん?あー、リロこれからは私のことは善と呼びなさい。恐らく、時々()()()()()()()()()()

「...わかりました。それで、善どうですか?」

「そうね......間引きはある程度順調ね。ただ、スタンピード組がちょっと押されてるわ」

「ん〜予想通りね」


どういう試験なんですか?


「去年の子達は、片方が悪意を持つ人間の簡易拠点の破壊及び人間世界の情報収集。もう片方が人間が引き起こして擦り付けてきた、大規模スタンピードの対応ね」

「一応龍とドワーフ、エルフ、精霊からも援軍が行ってるけどね」


1年もスタンピード続いてるんですか?


「はい」


そんなに続くものなんですか?


「普通は有り得ません。でも、それを可能にしてしまったのが聖国です」


聖国?名前だけ聞くと問題なさそうですけど


「聖国は、自身達人間こそ神の使徒である。人外は全て駆逐すべき。と掲げる国です」


...人外を排除する為にスタンピードを引き起こす技術を?


「正確には魔物を生み出す技術です」



「捕まえた精霊や妖精、敵国の人間を改造してダンジョンや魔の森に解き放つんです。そうすると、強大な力を持つ魔物に怯えた魔物や従うようになった魔物が、こちらに攻めてくるのです」


その対処が試験?


「えぇ。合格条件とかはないの。その戦いで、何を学び、何を得て、何になるのか。それを示せたものが自然と上にいけるのよ」


...妖精って大変なんですね


「精霊と違って実体がある分大変なのよ」


そう言うリロさんの言葉には、多くの感情が含まれていた。




時間も経つにつれ、平原の装いは変わっていく。


善さんのおかげで、ドワーフ達が住む簡易的な小屋がいくつか建てられた。

虚空から現れた無数の岩や土や木材。魔法?で組み上げたらしいが、ドワーフ達が建設している社(作っているものが違うのもあるが)と比べ、若干歪だ。


善さん曰く、自分には建築センスや知識、経験がないから、簡易的な物しか作れず、更に形が綺麗にはならないそうだ。


社は、鳥居が必要な鉱石や木材の関係で後回しになり、社の土台が完成し、骨組みが立てられた。

森の手前の木々を少しずつ伐採。そこそこの範囲を切り揃え、植林場も作っていた。


伐採した木は、必要な長さ、太さに分けられ、必要な箇所に運ばれていく。

善さん含む龍王一家の居住スペースはあっという間に完成した。

なんでかって?


持ってきていた苗木を植えさせて、私がちょちょいっと弄ったから。

作物成長促進の効果が想像以上だった。湖のほとりに局所的な森が誕生した程だ。


その影響で、社の位置が龍王の住処の近くになった。彼等が守護する場所であることを示す為だそう。



精霊達の昇華試験も滞りなく進んだ。


火属性の精霊達が、木を燃やしたり、幹や枝を燃やさずに葉だけを燃やしたり。その逆をしたり、一瞬で出せる最大火力や最小火力、火力をどれだけ維持できるか、調整はどの程度か。等


水属性の精霊は、待機中から水を集めたり、集めた水をどれだけ変化させ、姿を保てるか。一度に制御できる量や、水の温度変化。等


風属性の精霊は、風の刃の数や鋭さ、風の吹く強さや弱さ、竜巻や鎌鼬等の現象を起こせるか。等


光や闇、土の精霊達もそれぞれの出来ることを確かめていった。


下位、中位で平均値が定められており、その基準を満たせば昇華する。


下位は簡単に定められている為、中位に昇華出来ない精霊はいなかった。


しかし、中位になるとその値がより高くなるため、上位に昇華できた精霊は少なかった。それでも全体の二割は居ただろう。



あっという間に日が暮れ、ドワーフ達は作業を止め、どんちゃん騒ぎの宴会に。エルフ達の演奏によって華やかに、より騒がしく。


精霊達も、その宴会に混ざり、様々な魔法で夜空を彩る。龍達はそれを眺めながら、湖に浸かりながら酒を飲み、精霊王と妖精王、龍王は3人で他愛無い話に花を咲かせる。



私は…そう。一人だった。ここに来てまだ数日。

私と話せる人と出会いはしたが、常にそばにいる訳では無い。

嬉しくもあると同時に、寂しさが募っていった。


私は一人ぼっちだ。



だけど、私は一人ぼっちでは無い。無くなった。


主神様、精霊王さん、妖精王リロさん、龍王善さん。


彼等が多くの人を連れて来てくれた。私と話せなくても、私を認識出来なくとも、ドワーフ、エルフ、精霊、妖精、龍族。皆が私に祈りを感謝を捧げる歌や舞を始めた。


精霊王さん、リロさん、善さんが私に話しかけてくれているのが聞こえる。


よく見れば、主神様が温泉に浸かっている。


これから多くの人がこの土地で暮らすのだろう。


私はそれをいつまでも見守ろう。


私はこの土地を守護する神、名前は…そうですね

これにて序章というか、彼がこの世界に来て馴染むまでのお話は終了です。

ここから先、彼と彼を取り巻く環境の変化をのんびりゆっくりとご覧下さい。


先に言っておきましょう。この作品に戦闘描写はありません。

ほのぼのしたお話にする予定です。


それと、主人公の新しい名前ですが…正直まだ迷ってます。

既存の神の名を使うのでは、オリジナリティがなく、正直合わせずらいなと。

次の話には名前を出す予定ですが、名前がしっくり来ないと次が出ません。 読者さんの新鮮なアイデアを良ければお貸しください!


以上!また次回お会いしましょう〜

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