この世界の王という立場の人?は何故こうも変なのだろう
次の話辺りで序章にあたる話が終わります。
あと、特に章分けはしません。何せ日記みたいなものですから。
神様達が帰った後、半日で来ると思っていたエルフは、来なかった。
途中で魔物に襲われたようで、その対処に時間が取られたみたい。
「ここが…」
「本当に龍脈が通ってる」
「最近、龍脈の流れが変わったのはわかっていたが…」
そして、今さっき到着したエルフ達は、この土地にちゃんと龍脈が通っているのを見て唖然としていた。
「僕が言った通りでしょ?精霊達もこの土地が気に入ったようだよ」
あ、精霊王さんおはようございます。
「おはよう土地さん。事後承諾になっちゃうんだけど、精霊達がもう既にこの地に根を張り始めたんだ」
あーだから、龍脈の流れがおかしかったんですね。
「この地に根を張った精霊達は、昇華試験に関わらず上位になるから、仲良くしてあげてね」
わかりました。精霊達と上手くやっていけるように努力します。
「…あの、精霊王さま?先程からどなたと会話をしていらっしゃるんですか?」
「え?あ、そうだ、忘れてた。皆には彼を認識出来ないんだった」
「もしや、お話に聞いていたこの土地の神様ですか?」
「そう…だね。神様でいいのかな?」
どうなんでしょう?普通の人に見えないリロさんとか精霊王さんや主神様と話せてるから、それで良い気もしますね。
「と、言うことで土地神様です」
「…御社建てますか?」
「有りですね」
御社だけポツンと建てても意味無いですよね?
「それならワシらが住み移ろう。他の建物も任せるといい」
ん?
「おや?」
「お待たせ」
リロさん。おはようございます。そちらは、ドワーフですか?近付いてくるでかい気配は、龍族ですかね?
「おはよう土地さん。そうよ。今集まってるのが、ドワーフの職人達と移住希望のドワーフ達です。後から来てるのは、ここの守護をになってくれる龍王とその眷属達よ」
龍王…それはまたビックネームですね。
「豊穣と平穏を象徴する龍王の一角、善女龍王です」
「呼びました?精霊王はお久しぶりです。土地神さんはNice to meet you.」
えっとぉ?
「初対面の人にそれをやるのはやめなさいとあれほど言ったのに…」
「初対面でやらないでいつやるんですか?」
「何故龍王共はこんなにも阿呆なのか…」
大変ですね?あ、龍王さん初めまして。この土地の神?です
「んー普通に返されました。どこがダメだったんでしょう」
「全てよ」
あはは
「湖のほとりに私達の居住区画を作らせてもらうわね。イルト、社と並行して進めなさい。貴方達の居住区画はその後よ。暫くは私の魔法で簡易的な住まいは用意するから」
「かしこまりました。事前の分担通りだ!一から五は社、六から八で龍王様の区画。九、十は必要な施設や住居の数やスペースの分割。始め!」
「「おう!」」
あ、なんか始まった
「多種族が集まるだろうから、宿屋とギルド支部も欲しいわね。あと教会」
「その辺は勝手にやってくるでしょう。人族の国の中でも、一部は我々に友好的ですから」
教会やギルドの上層部は友好派なんですか?
「そうよ。だって神の使徒よ?私達」
「強力な種族と繋がりがあれば、不測の事態に対応できますからね」
「それが分かる国は私達に協力的なの」
「わかってても、変なプライドが邪魔して、対等に付き合えないから、奴隷にしようとか考える阿呆な国もありますけど」
まぁ、人間ってそんなもんですよね。
「さて、妖精達も集まってきたことだし、昇華試験始めましょうか」
一瞬で空気が張りつめた。
それもそうか。妖精や精霊にとっては重大な行事だから。
ここで1つ注意書きです。
このお話で登場する善女龍王は、元の世界に伝わる善女竜王と若干違う存在です。
龍王という存在そのものが、崇拝と恐怖の対象です。龍王が住む土地に争い事を持ち込むこと即ち、そのモノの破滅を意味します。
故に、この世界の龍王は全てが平穏を象徴します。
元の世界(現実)での善女竜王は、恵みの雨を降らせる竜王。ものすごーく簡単に言うなら、祈りに応え枯れた土地に雨を降らせる神、みたいなもんです。
詳しく知りたい方は、伝承を調べることをおすすめします。
豊穣は、その恵みの雨という所を反映した結果になります。
雨を降らせるだけ?と思うかもしれませんが、王と言うだけあってそれに見合った実力の持ち主です。具体的に言うなら、ラスボスを裏から操る裏ボス。
とまぁ、そんな感じです。
それでは、また次回