嫉妬が嫉妬じゃなくて、それただの強欲
この作品を待ってくれている人…大変お待たせ致しました。
「精霊王と妖精王はどうでした?」
仲良くなれると思います。
「思いますって言うか、もう仲良くはなってるけどね」
「リロの言う通りです。次の日も遊びに来るくらいですから」
おはようございます。精霊王さん、リロさん
「おはようございます」
「おはよう土地さん」
「私には挨拶無しですか?」
「主神様はさっき会ったじゃないですか」
「ついさっきまで一緒に仕事してたからね」
やっぱり夜の仕事ですか
「まぁ、代行させるにしても指示は出さないとだし」
「そうですね。力の管理は主に神の仕事ですから、自身でやらないにしても代行者への指示があります」
「その指示が大変なんですよね。位置と数、範囲に効力とか考えないといけませんから」
…ブラックですね
「改めたいとは思っているんですよ?でも…」
「主神様にしかできないことなのに、この世界問題が起こりすぎてますからね」
「主に人間ね」
あぁ、侵略行為ですか
「遂に人間国同士で争い始めましたよ。滑稽ですが、リソースが戻ってこなくなるので困るんですよね」
「滅んだ国のリソースはそのまま無くなるんでしたね」
「国ごとのリソースなのに、どうして滅んだ国から奪えるなんて考えたのかしら」
まぁ人間ですから。都合の良いように考えたいものなんですよ
「…そうね」
ところで、皆さんは今日はなにか御用が?
「私はいつも通り温泉です」
「私も今日はそのつもりよ」
「僕もですね。久しぶりですよ、温泉は」
なるほど。ごゆっくりどうぞ
「そう言えば、昇華試験の会場を此処にするって言ったら、エルフが確認に来ることになったよ」
「精霊の方はそういう対応になったのね。妖精の方は龍とドワーフが来るそうよ」
「…あわよくばそのまま?」
「龍とドワーフはそうでしょうね。ドワーフの方は技術師団が準備してたし、龍も龍王一家が準備してたわ」
龍王一家…ドワーフの技術師団ってことは、そのまま道路整備とかですかね?
「じゃない?あの揃え方は住居も構えそうだけど」
「…となるとエルフの対応も変わりそうですね。何人かは残るかもしれません」
「隣に森もありますからね。貴方の領域だから、何かあれば感知できますし」
そうですね。恐らく、エルフの方が早く着くと思います。半日ってところですね
「…なんでわかるんですか?」
森の方の領域そこそこあるんですよ。どれくらいだろ…7キロ地点かな?
「ちなみに海の方は」
浅瀬の6割は
「主神様、これ大丈夫なんですか?」
「まぁ龍脈の管理権持っているので、当然の結果ですよ」
「そうか。此処に基点があるなら、そこに集まり、そこから広がる。リソースを奪うだけだった海と森から貰うことができるから…」
海に還す龍脈はないんですよね…海の龍脈大き過ぎませんか?
「この土地に面している海は、この世界の6割を占めているの。どういうことか分かる?残り4割の土地から龍脈を奪っているのよ」
なるほど。それならあの大きさも納得です。
海からの龍脈が強すぎて、海の領域広がらないんですよね。
「まぁ、海は海で別の管理下ですからね」
「海神…最近妙に大人しいですよね?」
「まぁ大人しいならそれで結構です。これ以上の面倒は勘弁して欲しいので」
海の管理者って厄介なんですか?
「海の管理ってね…竜宮城で行ってるのよ。そこの主が乙姫なのはわかるわよね?」
えぇまぁ。記憶の中の物語通りなら
「そのまんまなんだけどね?竜宮の使い…シーサペントとリヴァイアサンがいるのよ」
はい?
「リヴァイアサンって嫉妬でしょ?妬ましいと思った物を奪うのよ」
「あの龍脈美味しそう。乙姫が喜ぶ!って理由で色んなとこ奪うもんだから…」
「やりすぎて、主神様に権能を制限されてましたね」
動機だけ聞くと、強欲の方が似合いそうな子ですね。乙姫さんは止めなかったんですか?
「鳥頭って知ってる?」
3歩歩いたら忘れるって言う?
「…大罪を冠する神獣がね…」
「あの子だけよね?あそこまで酷いの」
「他の子は普通です」
え?まさか、少し泳いだら忘れるんですか!?
「そうよ」
「酷いもんだわ」
「ハハハ…」
それは権能制限して当然ですね。その調子でやられてたら、他が大変なことになりますもんね。あれ?でも待ってください?海6割ってことは、元からかなりの龍脈があったんですよね?
「違うわよ?」
え?
「えっとね、元の割合は6対4じゃなくて4対6で海の方が小さかったの。それを、今話したアホの子が奪いまくって…」
…世界全体を見れないんでなんとも言えないんですが、死んだ土地ってかなりあります?
「あるわね」
「ここもそのうちの一つでしたよ?」
「生きてはいても、海に沈んだ土地もありますから」
海の中じゃ生活できる種族とかいないですもんね。死んだも同然か
「人魚とかいますけどね」
「とは言っても竜宮城に住んでますね」
沈んだ土地が地殻変動で浮上したりしないんですか?
「地殻変動もまた、龍脈に紐付けられた現象なので…」
「アホの子が龍脈を持ってる以上どうしようもないんです」
なんて厄介な
「そろそろ私は戻りますね。いい感じに眠たくなったので」
「おやすみなさい主神様」
「おやすみ主神様」
おやすみなさい
「それじゃぁ僕も戻るよ。次来るのは、龍とドワーフが来た時ですかね」
「なら私もエルフが来るタイミングでまた来るわ」
はい。お待ちしてます
「またね土地さん」
「ではまた」
手を振って帰っていく二人。手を振り返せないのが少し寂しい。
何時か「またね」と手を振り返すことができるといいな…
投稿しましたが、改変する可能性がありますことを、先に報告させていただきます。
ここで補足ですが、ある一定範囲ごとに龍脈の起点があり、その起点が強ければ強い程、周囲の龍脈を吸収することが出来ます。
つまり、欲しいと思ったら奪っちゃうあの子は、割と世界の敵になりかけてます