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最強少女のおすそわけ  作者: 雫月
第一章 王子と迷子の冒険編
15/29

第15話 すれ違う想い



「────ふーん。ここが魔法書庫か。思ったよりでっけーんだな。」


「ねえレグノ!早くやろうよ!」


「まー待てって。少し話させろよ。」


 突如現れたSランク最強チーム【ラグナロク】。

 まるで観光にでも来たかのように書庫内を眺めるレグノと、退屈そうに文句を言うファルイーヴァ。その様子は緊張感などまるで持ち合わせていない。


「……ガルフィド。お前は隠し通路を使ってギルドへ向かえ。職員と民間人を避難させるんだ。」


「ウ、ウッス!!」


 【ラグナロク】を見据えたままフェリネスがガルフィドに指示を出す。彼は本棚の後ろに身を隠していたが、指示を受けると素早く書庫の奥へと走って行った。


「……さて、久しぶりだな二人とも。随分と派手な訪問だが、しばらく見ないうちに礼儀を忘れてしまったのか?」


「相変わらずカタいなオメーも。細けーこと言うなって。」


「やっほー!みんな元気ー?」


 フェリネスが二人を睨むが、ただ笑って軽く返されただけだった。


「え……?あれが【ラグナロク】……?」


「うえぇマジかよ……俺たちと同じくらいの年じゃねぇか。」


「……ナ、ナッキ姉。あの人たちと知り合いなの?」


「ええそうよ。といっても、ギルドで何回か会っただけなんだけどね。」


 現冒険者の頂点に立つ【ラグナロク】は、その輝かしい功績から過去最強とまで云われている。

 そのチームを前に、シエルたちは驚きはしたが感動することはなかった。それは以前に聞いた彼らの不穏な噂を覚えていたからだ。


 彼らの起こした事件の報告は【オーディン】も既に聞いている。

 今こうして魔法書庫に侵入してきたのも、何かを企んでいるのは明白。【オーディン】は警戒を強めた。


「一体何の用だ?我々の許可無しでは入れない神聖な魔法書庫に無断で入室する程だ。納得のいく理由があるのだろうな?」


「理由?大したモンじゃねーよ。ファルが遊びてーって言うから付き合ってるだけだ。」


「なに……?相変わらずふざけた理由で旅をしているんだな。」


「そう早まんなって。相手はオメーらじゃねーよ。そこの銀髪のヤツ探してたんだ。」


 あっけらかんと返すレグノの視線の先にはユグリシアがいた。


「なんだと!?この娘を知っているのか!?」


「いやー?さっき外ですれ違っただけだよ。オレもよく分かんねーけどファルがやけに気に入っちまってよ。」


 二人の会話の横ではファルイーヴァがユグリシアに向かって笑顔で手を振っている。ユグリシアは手を振り返し応えた。自分が狙われているという自覚が無いのだろうか。


「残念だがそれはできん相談だ。この娘を渡す訳には……」


「待ってフェリネス。それ以上はダメよ。」


 ナッキがフェリネスの前に手を出し、話を遮った。何かに気づいたフェリネスはハッとした表情で口をつぐむ。


「…………。はーん。なるほどねー。何か警戒してんなーとは思ったがそういう事か。」


 納得したようにレグノが一人で勝手にうんうんと頷く。


「くっ、しまった……!『邂心(かいしん)』か!」


「ええ。彼のスキルの前では全て筒抜けよ。下手に喋らない方がいいわね。」


 相手の出方を探る【オーディン】と【ラグナロク】。両者の間の空気が張り詰める。

 そんな中、フェリネスたちの後ろでシエルとリッツがコソコソと会話をしていた。


「話についていけない……。今何が起こったの?」


「しーっ!喋ってねぇで早く行けって!」


 それに対しレグノがピクッと反応した。彼の視点からはシエルたちの姿は見えていないが、何かに気づいたようだ。


「……おっとー?そうきたか。」


 レグノの持つレアスキル『邂心』は相手の心や思考が読めるというもの。シエルたちが何かしようとしているのが『聴こえ』たレグノは、それを止める姿勢を見せた。


「……来るわよ。」


「あぁ。リケア、私の後ろに隠れているんだぞ……」


 フェリネスはレグノに意識を置きつつ後ろを振り返る。が、そこにはリケアどころかシエルとリッツ、ユグリシアの姿までもが忽然と消えていた。


「……あれ!?リケア!?」


 すっとんきょうな声をあげ、フェリネスは思わず二度見した。


「あらまあ困ったわね。隠し通路を使って逃げちゃったのかしら。」


「トール!ミオ!なぜ黙って行かせたんだ!?」


 シエルたちの側にはトールディとミオネイルが付いていたはずだったが、二人ともその場に立ちすくんでいた。


「す、すまねェ!急に体が動かなくなっちまって……」


「声も出せなかったよ。たぶんあの子の仕業だと思う……。」


「くっ!早まったマネを……!」


 まさかの事態にフェリネスは頭を抱えた。


「なんだ気づいてなかったのかよ。ダッセー。」


「だっせー。ニャハハハ!」


 嘲笑する【ラグナロク】。標的のユグリシアに逃げられたというのに、余裕さがみられる。


「……あまり良くない状況ね。どうするの?」


「…………。仕方ない。ナッキはリケアたちを追ってくれ。奴らは私たちが抑えておく。」


「え?わたしが……?」


 フェリネスが少し考えた末に出した決断に、ナッキは違和感を感じた。


「おいおい。なに勘違いしてんだ?」


 【オーディン】の出足が鈍ったところを見逃さず、先にレグノが動いた。彼は右足を振り上げる。


「抑えられんのはオメーらだよ。」


「!! いかん!みんな離れ────」


 トンッと足のつま先を地面に着けた瞬間、フェリネスたち全員がすっぽり入ってしまうほどの大きな黒い球体に包まれた。危険を察知して叫びかけたフェリネスの声もかき消されてしまう。


「……いっちょあがりー。」


 そう言いながらレグノは黒い球体を覗き込む。中ではフェリネスが叫んだり球体を叩く仕草をしていた。だがその声も音も一切聞こえてこない。どうやら球体の中に完全に閉じ込められてしまったようだ。


「さーて。どうするよ?」


「もちろん追いかける!あの子のいるところ分かるもん。」


「ここに来た時もそーだったけどよ、何で居場所分かんだ?」


「うーん。なんでだろ?でもなんとなく分かるんだー。」


「ふーん。まいいや。とにかく行ってこいよ。コイツらは止めとくからよ。」


「ほーい!」


 ファルイーヴァが足軽に部屋を出ようとした時、背後から声が聞こえてきた。


「……あらあら。せっかく来たのに、もう帰っちゃうのかしら?」


 優しく話しかける声の主はナッキだった。その手には金属製の長い杖が握られている。彼女だけが黒い球体に呑み込まれるのを回避していた。


「ヒュー。やるぅ。」


「あー忘れてたぜ。そういやオレと同じ魔法使えるヤツいたなー……。」


 素直に称賛するファルイーヴァは口笛を吹く。その横で面倒くさそうに頭を掻くレグノはゆっくりと振り返った。


「あなたたちには色々とお話を聞きたいから、お茶でも飲んでゆっくりしてちょうだい?」


 微笑んだナッキは杖を軽やかに回転させ、柄の底で地面をズドンと叩く。その凄まじい音とともに、衝撃で霧が晴れるように黒い球体が一瞬にして消えた。


「────!!空間が破れた……!?ナッキか!」


「ええ。みんな大丈夫?」


 からくも救出されたフェリネスたち。トールディとミオネイルがすぐさまそれぞれの武器を手に応戦の構えをとる。

 しかし今の瞬間にファルイーヴァの姿が消えていた。シエルたちを追って行ってしまったようだ。


「あら残念。捕まえ損なっちゃったわね。」


「……すまないナッキ。危うく全滅するところだった。」


「珍しく油断したわね。さっきからあなたらしくないじゃない?」


「あぁ。そうだな……。」


「…………。」


 そう答えるフェリネスの表情はどこか浮かない様子だった。


「……『あの日』のこと、また思い出したみたいね?」


「……!」


 おっとりとしているが勘は鋭いナッキは、フェリネスの心中を言い当てた。


「リケアのお友達には普段通りって言ったけど、本当は『あの日』以来ギクシャクしたままなのよね。あなたとリケアは。」


「…………。」


 ナッキの話は図星なのだろう。フェリネスは黙ったまま下を向く。


「レグノの空間魔法に対抗できるのはわたしだけなんだし、ここは任せてリケアを追ってちょうだい?」


「ナッキ……。」


「最終的にどうするかはリケア次第だけど、いい機会だわ。これが終わってからゆっくり話し合いなさいな。」


「……まったく。お前には頭が上がらん。世話ばかりかけてしまっているな。」


「家族ですもの。気にしないで。それよりファルイーヴァは厄介な相手よ。リケアをしっかり守ってあげてね?」


「あぁ……。分かっているさ。[トランファムーヴ(転移魔法)]」


 優しく微笑むナッキにフェリネスは照れくさそうに応え、スッと姿を消した。


「……話は済んだか?」


「ええ。『聴こえ』てたでしょ?色々と事情があるのよ。」


「そうみてーだな。興味ねーからほとんど聴いてねーけど。」


「相変わらずね。ということで、あなたのお相手はわたしたちがするわ。」


「おっと。【オーディン】の『エース』が直々に相手かよ。お手柔らかに頼むぜ?」


「フフッ。こちらこそ……」


 ナッキが杖を構えると同時に、トールディとミオネイルがレグノを囲む形で左右にそれぞれ展開した。


「トール!私たちはナッキ姉の援護!距離を間違えると巻き添え食らうよ!」


「ああ分かってんよ!」


 先手でトールディとミオネイルが挟み撃ちで攻撃を仕掛けた。

 二人は騎士ランクがAという相当な実力者だ。トールディはスピードを活かし槍で突撃を、ミオネイルはパワーを活かし剣で力強い斬撃を繰り出す。


「……くっ!当たらない!」


「『邂心』か!Sランクは伊達じゃねェな!」


 二人の息の合ったコンビネーションは隙が無い。しかし動きを先読みできるレグノは、嵐のような怒涛の攻撃をことごとくかわしていく。


「へえー、なかなかいい動きするじゃんか。」


 感心しながらもレグノは攻撃をかわし続ける。動きが読めたとしても、それに反応できなければ意味がない。これだけの猛攻を容易く凌ぐレグノの身体能力は恐るべきものと言えるだろう。


「二人とも冷静になりなさい。彼の空間魔法は強力だから間合いを詰めすぎないようにね。」


 ナッキは後方で冷静に戦況を読み、トールディとミオネイルに指示を出している。


「ミオ姉!隠すぜ!」


「オッケー!」


[ホワイトスクリーン(煙幕魔法)!]


 トールディが呪文を唱え槍を地面に突き立てると、そこから白い煙が吹き出してレグノの視界を奪った。


「連なれ[フリージスダスト(氷結魔法)]」


 二人の連携に合わせ、すかさずナッキが呪文を唱えた。杖の先から青白い氷の粒が無数に放たれ、レグノへ襲いかかる。

 こちらも視界が利かないが、氷の粒は軌道を変えレグノを追いかける。追尾魔法だ。動きを読まれる事を理解したナッキたちはレグノの反応を鈍らせる攻撃に切り替えたのだった。


パキイィィン!!


 氷の粒が一気に巨大な氷塊となり周囲もろとも氷漬けになる。これは魔法が命中したことを意味していた。

 やがて白い煙が消え、氷塊の全体が見えてきた。ナッキの放った魔法は相手を氷の中に閉じ込め動きを封じるというもの。しかし……


「……おースゲーな。即座に対応してきたか。きょうだいならではのいい連携だな。」


 ナッキたちの頭上からレグノの声が聞こえた。タイミング的には完全に捉えていたのだが、彼は氷塊の上に立っており、眠そうにあくびをしている。


「あの距離で避けた!?また空間魔法を使ったの!?」


「チィ!んなもんどう攻撃しろってんだよ!」


 連携攻撃には自信を持っていたトールディとミオネイルは、信じられないといった表情をレグノに向けていた。


「よぉ。こんな派手に攻撃して大丈夫なのかよ?ココ神聖なとこなんだろ?」


「あら、気にしてくれてるの?優しいのね。でもご心配なく。この書庫内にもフェリネスの結界が張ってあるから多少のことなら問題ないわ。」


 先程の魔法が避けられるのは想定内だったナッキは、変わらずにこやかな表情をしている。


「でも、あまり時間をかけてもいられないわね。二人とも、少し下がってなさい。」


 そのナッキの声色が少し低くなる。彼女は杖を前傾姿勢で構え、前後に歩幅を大きめにとった。


〝胎動する闇を恐れる者は語る 四方を巡る(さい)(うつろ)(まこと)か 己の瞳で確かめよと〟


 呪文を詠唱をしながら、ナッキはレグノ同様に右足を振り上げる。


[シェルズ(移り行く)ヴェロンデジョン(狭間の調べ)]


「おっ?────」


 すると彼女はドンッと地面を踏み鳴らす。と同時にレグノが四角く形どられた闇に覆われ、そのまま氷塊の中へ瞬間的に移動させ封じ込めた。


〝我の憩いを邪魔するな 禁を侵さば汝の身は紅蓮に染まろう 真紅の竜は気高く笑う〟


[ドラグニル・ブレス(炎竜の業咆)!]


 続けざまにナッキが魔法を放つ。彼女の身の丈を越える巨大な炎の球が、ドン!という轟音とともに杖の先から飛び出した。その凄まじい衝撃の反動でナッキの体は数メートル押し下げられる。


ドゴオォォォン!!


 巨大な炎の球が氷塊に直撃し、目が眩む程の光を発しながら大爆発をおこした。氷塊は一瞬で溶け、中に閉じ込めたレグノごと辺りを灼熱の炎が包んだ。


「……当たった……よな?」


「のハズだよ。ナッキ姉の最上級魔法は威力が桁外れだもん。」


 トールディとミオネイルが周囲を確認する。レグノが移動した形跡はない。部屋の中も結界に守られて無事のようだ。

 ナッキ自身も手応えを感じたようで、攻撃姿勢を解こうとした。だがその時だった。


「────っとと。今のはヒヤッとしたぜ。」


「……あらあら。困ったわね。」


 ナッキの背後からレグノの声が聞こえた。その直後、空中に黒い穴が出現し、その中から何事もなかったようにレグノがゆっくりと姿を現す。見たところ彼はダメージを負った様子はない。

 動きを封じたと思われていたが、別の空間へ回避していたのだ。


「空間転送魔法と最上級魔法との掛け合わせ、か。いやーいいモン見たぜ。さすが『天聖』の称号持ちなだけはあるな。」


「光栄だわ……と言いたいところだけど、ひとつ腑に落ちないわね。さっきからあなたが攻撃してこないのは、何か狙いがあるのかしら?」


「ん、狙い?そんなモンねーな。ただ遊んでるだけだよ。」


 そう答えるレグノはおどけて見せた。言葉通り余裕綽々(しゃくしゃく)といった感じだ。


「あら、あなたもそういう事するのね?意外だわ。」


「たまにはな。オレも遊ぶのは別にキライじゃねーしよ。ま、もっとも……」


「……!?がはっ!!」


「うっ……あ……!」


 話の途中でトールディとミオネイルが突然呻き声をあげる。ナッキの魔法で溶けたはずの氷塊の一部、その鋭利な先端部分が二人の体にいつの間にか突き刺さっていた。


「……オレが攻撃したらすぐ終っちまうからツマんねーんだよな。」


 氷塊が細かく砕け散る。その破片と一緒に傷口から血が吹き出し、二人はその場に倒れた。


「トール!?ミオ!?」


 突然の攻撃にナッキは驚き、二人に駆け寄ろうとした。だが次の瞬間、彼女の周りに無数の黒い穴が出現した。そこから別の小さな氷塊が飛び出し、一斉にナッキへ襲いかかる。


「これはっ……!?」


 ナッキは咄嗟に身を翻し氷塊をかわす。が、氷塊は軌道修正して彼女を追う。先程と同じ追尾魔法。魔法防壁を張り防御を試みたが間に合わず、腕と足に複数の傷を負ってしまった。


「くっ……!」


「……ほらな?こうなるんだよ。」


 片膝をつくナッキをレグノはつまらなそうな顔で見下ろす。

 一体いつどうやって攻撃したのか……?彼は呪文を唱える仕草どころか指先ひとつ動かしていない。

 困惑したナッキだったが、すぐに答えに辿り着いた。


「……空間反射魔法……。やられたわ……。」


「お?気づいたか。さすがだな。自分の魔法食らう気分はどーよ?」


「…………」


「さっきの攻撃の隙にワナ仕掛けてたとはな。くえねー女だぜ。ま、それが『聴こえ』たから逆に利用させてもらったがな。」


 致命傷は避けたが傷は浅くはない。血は滴り落ち、意識が集中できない。だがまだ戦う力は残っている。

 ナッキは無言のままゆっくりと立ち上がった。


「おー頑張るねー。さすが神殿騎士サマだ。」


「……そう。わたしたちは神殿騎士団。聖王都より続く歴史の遺産、この魔法書庫を守護する事が聖女様から与えられた天命……。」


「…………」


「でも何より許せないのは家族を危険な目に遭わす輩よ。あなたには死の断罪を受けてもらうわ!────」


 回復魔法をかけている時間はなさそうだ。ナッキは残る魔力を杖に全て集約させ攻撃に転じようとしたその時、


「────えっ……?」


 彼女の胸に激痛が走る。下を向くと手に持っていたはずの杖が、何故か自分の胸を貫き刺さっていた。

 貫かれた箇所からは血が滲む。理解できない状況にナッキは言葉を失った。


「『天聖』も大したコトねーな。自惚れが過ぎんじゃねーのか?」


 抑揚のない声で静かに話すレグノは、いつの間にかナッキの背後に立っていた。彼はそのまま杖を引き抜く。


「オレと互角だと思ったら大間違いだぜ?バカヤロウ。」


「……っは……!……リケ…ア……」


 ナッキの胸から水飛沫のように血が舞い散る。彼女は愛する妹の名を呼びながら、力なくその場に倒れた。


「……なにが与えられた天命だよ。くだらねー。神殿騎士団も所詮は聖王都の子飼いか。あのクズ共と変わりはしねーな……。」


 杖を放り投げ、独り言を呟くレグノは憎悪の表情を見せる。


「チッ、面白くねー。この胸クソわりー所もブッ壊しとくか。」


 床に唾を吐き、彼はそのまま魔法書庫の奥へゆっくり歩いていく。


(……リケアを……傷つけ……ないで……)


 薄れいく意識の中、ナッキが言葉を絞り出す。それが声に出たかどうかはわからない。

 いずれにしろその言葉はレグノには『聴こえ』ていたはずだが、彼が振り返ることはなかった……。




どうも。雫月です。

今回は本格的なバトル回となりました。

正直書くのめっちゃ難しかったです……。

精一杯書きましたが、表現力がまだまだ勉強不足かも。

次回もバトル回なので、引き続き頑張ります。


最後に、ここまで読んでくださっている方々にお礼申し上げます。

次回もお楽しみに。

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― 新着の感想 ―
[一言] おいおいおいおい! ラグナログ強すぎだろ!? あーあ詰んだわこれ!
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