第十六話 アメラの森と指導
サンガ、ジーク、ティローラ、ユリシー、アイ、アローマの六人は和の国製の蒸気式列車へと乗り込んでいた。列車は一つの部屋にベッドが四つなので男子と女子に分かれた。
レンタヒルへ向けて走行する列車の中でアローマが言う。
「ほほほ。下界は久しぶりじゃ。まさかこんなものができあがっているとはのう」
「じいさんには列車の素晴らしさがわかるか? 黒光りしていてカッコいいよな?」
「ほほっ。そうじゃなあ。デカいのが少しカッコいいかのう」
「はっ。わかってるじゃねえか。――やっぱ男同士は気が置けなくて楽だぜ」
ジークは楽しそうに言うのだった。
サンガは車窓から景色を見るのもおざなりに、ベッドの上で『勇者指南書 その日のために』を読むのであった。志といったことくらいしか書かれていなかった。それと白紙のページが数ページあった。
(なんだ? この白紙のページは。メモ用かいな?)
メモすることもないのでそのままにしておいた。
一夜の後、列車はレンタヒルへと到着した。
「アメラさんの森までここから南東へだが、どのくらいかかる?」
サンガが聞いた。
「えーっと、馬車で半日といったところでしょうか。徒歩だと一日半はかかりそうですよ?」
ユリシーが手持ちの地図を見ながら言った。
「馬車か。どこで借りられそうかな」
「それなら街の中に行って探せば見つかるんじゃねえか?」
ジークが提案した。
「ならそれはわたしが探してくるのだー!」
タタタタっと駆けて行くティローラ。
「おーい! どこ集合だ?」
サンガが叫んだ。
「飯屋でどうなのだー?」
「了解だ!」
ティローラはどこに居ても元気一杯だった。
「ほほっ。それでわしらはどうするんじゃ?」
「馬車旅の準備さ」
「あたし、食料の調達してきますね」
アイはそう言った。
「俺は砥石でも買ってくるぜ」
ジークはそう言った。
「俺たちはどうしましょうか」
「料理店に行って席でも確保しましょうか」
「ほっほっほ」
アローマは髭を揉むのだった。
「ははっ。帰り道で少し迷ったのだ。遅くなったのだ」
そう言ってティローラは最後に帰って来た。
「馬車を貸してくれるところは見つかったかい?」
「うむ。バッチリなのだ。明日の朝一には出発できるのだ」
「そうか、ありがとうな。なら今夜は泊りか」
「それなら俺が砥石を買ったその帰り道で宿屋を見つけたぜ」
「じゃあそこで」
「もぐもぐ。――なのだ!」
ニッコリ笑った。食べるか笑うかどちらかにしてほしいなと思うサンガであった。
翌朝一行はレンタヒルを出発した。
ガタガタガタ。
馬車の幌の中でジークがボヤく。
「ったく。じいさん、夜中にブツブツ唱えるの、やめてほしかったぜ」
「しょうがないのじゃ。毎日の祈りは大切なことなのじゃ」
「はいはい。宗教上、宗教上ね」
サンガとユリシーは幌馬車を運転している。
「……。サンガさん、あのー。ちょっと近いです……」
「あっ、ごめんね」
「いえ、いいんですよ?」
眼鏡をくいっと上げるユリシー。
「あれ? ユリシー、どこか変わった?」
「――眼鏡を買いました」
「ああ。言われればそうだ。似合ってるよ」
「ありがとうございます」
ユリシーは少し頬を赤らめた。
後ろではアイとティローラとジークとアローマで、四人でウノをしていた。
お昼時、アイの手作り料理でみんなは腹を満たした。火はジークが熾した。
「おいしかったよ。ありがとうね」
みんなは口々にそう言うのだった。
「いえいえ。あたしにできるのはこれくらいなので」
「ほっほっほ。そんなことはないぞ。――夜のお世話とかのう」
「真昼間からかよ? 年寄りの下ネタはキツイぜ……。いい加減にしとけよ?」
「ジーク君、わしにはちょっと冷たくない?」
「そんなことねえよ。俺は誰に対しても平等だぜ」
「またまたー。冗談キツイぜーなのだ」
そんなこんなで昼食を済ませ、三時の魔女アメラの森を目指して再び出発した。
※ ※ ※
「――うん? なんだ、ありゃあ?」
ジークが呟く。
森の入り口には白い骸骨、理科室の標本でありそうなやつ、が黒い破けたローブを着て立っていた。
「ちょっと見て来るよ。待ってて」
そう言い、サンガは一人、馬車を降りて骸骨まで近づいた。
「ワレノ名ハ、コフィンドール。汝等、何用デ、ココマデ来タ?」
「俺の名前はサンガ。アメラさんの治療をしに来たんだ。通してくれるか?」
「ワレ、聞イテイナイ。通サナイ。通リタケレバ、ワレヲ倒セ」
「待て待て。何でそうなる? 穏便に行こうぜ」
「ワレ、聞イテイナイ。通サナイ。ココヲ通リタケレバ、ワレヲ倒セ。サァ、戦イダ」
「骸骨だからか? 脳みそないから知能も無いのか? やれやれ、困ったもんだぜ」
サンガはエターナルブレードを抜く。
「行クゾ。――オー・ヴィ・イクラ。フレメンタリア・フィスト」
ボオッ。
コフィンドールの両の拳が火を纏う。
(なるほど、そうやるのか)
「オー・ヴィ・イクラ。――フレメンタリア・ブレード」
ボッ。
キュイーン。
エターナルブレードが炎を吸収して、そのまっ白な刀身が赤く染まる。
「行くか……」
ダッ。
シュッ。ズバ。
ガキ、ガキン。
数合斬り合うと、コフィンドールの右の拳が削れて落ちる。
「ナラバ、コレハドウダ。――サンダー・プライズ」
バリバリバリ。
青い電撃がサンガの胸を襲う
「うっ」。
だが、もみじがそれを防ぐ。
「どうやら、全く効かないようだぜ?」
「――ヌウ……。オ主ハコノ森ニ害ヲ為ス者カ? ソレトモ、ソウデハナイ者カ」
「さっき言っただろ。俺はアメラさんを助けに来たんだよ」
「フム。ナラバ、ココヲ通ルガヨイ」
「やっとか。ありがとよ」
サンガは幌馬車まで戻ってきた。
「大丈夫か? なんだか戦闘になっていたようだが」
「あぁ。大丈夫だよジーク。時間はかかったが俺の言うことを聞いてくれたよ。この森に入って良いってよ。だから、さあ行こう」
「はい」
そう言ってユリシーが馬車を進めた。
見えてきたのは今までの魔女の家とは違うレンガ造りの家だった。
「あそこかな?」
みんなは馬車から降りて家の扉の前までくる。
コンコン。
「アメラさん! サンガです。入って良いですか?」
カラカラ。
扉にかかっていたドクロが喋る。
「ああ、入ってきな。生憎とあたしは今、ベッドから動けない状態さ」
「そうですか。では、おじゃまします」
「――こりゃまたゾロゾロと来たもんだねえ」
「こんにちは」
黒髪のショートヘアーで20代後半に見えるアメラさんは右足に包帯を巻いてベッドに横たわっていた。
「そういえば、結界がありませんでしたけど、大丈夫だったんですか?」
ユリシーが聞いた。
「ああ、コフィンドールをすぐ召喚したからね。私の手当てをしてくれたのも、この森を守ってくれてるのも、アイツさね」
「そうだったんですね。あの骸骨さんは傷の手当てもできるなんてちょっと意外です」
「あいつは知能さえ低いけれど、命令すればちゃんと働くからね」
「――それより、治療は良いのかい?」
ジークが口を挟んだ。
「ああ、そうだったね。早速で悪いんだけど、若い男衆には精気を分けてもらうよ。そこの戸棚からフラスコと『メリベール』と書かれた緑の粉薬と注射器とアルコールを持ってきておくれ」
「はい」
「どうぞなのだ」
アイとティローラが取り出した。
「血液を少しばかり、300mLばかしいただくよ」
「あっ、アメラさん。俺の身体は死んでも死なない身体らしいですから、もう少し行っても大丈夫だと思います」
「なら君からは1Lいただこうか」
「はい」
そういってアメラはサンガとジークから血液をフラスコに採取する。緑の粉薬を入れる。混ぜるとあら不思議。血液は凝集して結晶化した。
その赤い結晶をアメラは額に乗せて唱える。
「ウィル・ルクス。ドレイン・エナジー」
赤い結晶が上から順に透明になっていく。
完全に結晶が透明になったとき、アメラは「これで終わりだよ」と言った。
そしてアメラは唱える。
「ヒーリング・ホーリーインクレダブリィ」
アメラは包帯を外して立ち上がった。
トントン。
つま先を地面に叩く。
「うん、大丈夫だね。ありがとう、助かったよ」
「――地軸を守ると言われる神聖魔法は良いんですか?」
「そうだね、早速やりますか」
アメラは天井にぶら下がっている紐を引っ張った。すると天井から青い水晶玉を乗せた木製の台が降りてきた。
「さ、やり直しだね。今度はいい機会だから、もっと遠くまで行けるようにしようか」
「もっと遠くまでとは?」
サンガは問う。
「ああ、魔女は近くの街までなら移動できるんだよ。でもそれより遠くに行くと神聖魔法の発動がキャンセルされてしまうんだ。私はそれを改造して、より遠くまで行けるようにしようと言ったんだ」
「なるほど」
「じゃ、やりますか。……。――オー・カル・ネイ。アド・クブ。プル・イト・ウクス。――キーパーズ・オブ・ポーラー!」
ポワーン。
水晶玉が白く光り出した。
「セウ・サー・イジュ。――アドヒアー・テレイグジスタンス」
白い光の中に小さな赤い点が現われた。
「これで大丈夫さ。世界の均衡は保たれる」
「神聖魔法を使わないままだったらどうなってたんですか?」
アイが聞く。
「えっとねー。いずれ地軸がずれて星が滅びることになってただろうよ」
「怖いですね」
「あぁ。でも、もう大丈夫」
ティローラが喋る。
「ところで、石片はどうしたのだ?」
「石片ねえ。釣りをしていて、アタリかと思ったら灰色の石が釣れて、ブチギレて破壊しようかと思ったんだけど、触った瞬間に透けたから驚いたよ。『神から人へ』と書かれていたからもっと驚いたね。まだ書き写していないから渡したくはないね。――あっ、丁度いいから、私も石片集めの旅に同行させておくれよ?」
「それはいいですけど、この森、あのコフィンドールだけで大丈夫ですか?」
「ああ、いいのいいの。コフィンドールはああ見えて第五級魔法まで使えるからね。普通の賊には負けないよ」
「そうですか。じゃあ一緒に石片集めの旅に行きましょう。まあ、その前にやることがあるんですけどね」
「なんだい?」
「ほっほ。サンクルールに落ちる石ころの掃除のようなものじゃ」
「隕石かい。デカいのかい?」
「大きさは正確にはわからんのじゃ。でも魔女さんなら隕石を破壊することくらい容易いじゃろう?」
「そうね。第五級魔法アビスト・ゲーツで異界に扉を開けば隕石を飲み込むくらいはできるけれど、あんまりデカすぎても扉に入らないね。小さくする必要があるわ」
「大きいのが来たらどうしますか?」
「街を守る必要があるわね。でもバブルドームでは耐久力が足りないかもしれないわ。どうすれば……」
サンガの脳内にはドームという言葉から、ニ十世紀のダヴィンチと呼ばれたバックミンスター・フラーのジオデシック・ドームが連想されていた。
「全部が正三角形から成るドームで覆えばいいのでは? それをジオデシック・ドームというのですが」
「そうね……。なら、街の方はジオデシック・バブルドームで包んで守るとしても、隕石を破壊するには私一人では力不足かもしれないわ。――見た所によると、サンガ、君は膨大な魔力を秘めているわね。あなたなら第十二級魔法も使えるかもしれないわ。私が教えてあげるわよ?」
「ありがとうございます。じゃあ、俺とアメラさんとで隕石を小さく分割してから、アメラさんのアビスト・ゲーツで異界へ送るということでよろしいですか」
「ええ。決まりね」
隕石からサンクルールの街を守る案は固まった。
「サンクルールを救ってくれるのは助かるぜ。俺の故郷だからな」
「ほっほ。わしも助かるのじゃ」
ジークとアローマは感謝した。
「そこの魔法使いのお嬢ちゃんと――黒髪のお嬢ちゃんも魔法の素養がありそうだね――二人とも私が一から魔法を教えてあげるわ。特に破壊系の魔法をね」
「はあ、ありがとうございます」
「わっ、やった。お願いします」
そう答えるユリシーとアイだった。
数日間、アメラの特訓を受ける一同。
ジークとティローラは武器に魔法を付与することを覚えた。
アローマは仙術を極め始めた。
ユリシーは第五級魔法までしか覚えていなかったが、第八級魔法まで使えるようになった。
「おや、その杖はアマアレイブかい? 珍しい物を持ってるね。いい物だ」
アメラはそう言い、灰魔法に関する魔法書をユリシーに貸した。
ユリシーは難解な魔法書を紐解くのに苦労するのだった。
一方、アイは杖を造るところからだった。
クリスタルを内蔵した杖をアメラが用意した。
「――さあ、私に続いてこう唱えてくれ。『我は結ぶ』」
アイは続く。
「我は結ぶ」
「――とこしなえに血の盟約を」
「とこしなえに血の盟約を」
「――我は魔を司る者なり」
「我は魔を司る者なり」
「――血は贄となり、肉は結び、骨子は根幹を支えるものなり」
「血は贄となり、肉は結び、骨子は根幹を支えるものなり」
「――ここに我と具の結ばれんことを」
「ここに我と具の結ばれんことを」
「――巡れ、巡れ、巡れ。永遠に血の通う如く、我は世界をすり抜ける風の如く魔法を行使する者なり」
「巡れ、巡れ、巡れ。永遠に血の通う如く、我は世界をすり抜ける風の如く魔法を行使する者なり」
「――開け、開け、開け。魔法の門よ。我の身体を通して力を与え給え」
「開け、開け、開け。魔法の門よ。我の身体を通して力を与え給え」
「――エル・アナ・ケ・アプ。――オープン・リソース。アンド、ルート・アンダースパイン・トゥー・ブレイン」
「エル・アナ・ケ・アプ。――オープン・リソース。アンド、ルート・アンダースパイン・トゥー・ブレイン」
「……。どうだい? なにか感じるかい」
「――なんだか身体が熱くなってきました!」
「成功だね。これからは生活魔法の第二級クラスだけじゃなくて、攻撃魔法の第五級クラスくらいまではできるだろうよ」
「ありがとうございます。あたし、本当に無力だったんで、何かしら力になれるだけでも嬉しいです」
「そうかい。よかったね」
「はい!」
アイは新品の杖を大切そうに胸に持った。
「ところでアメラさん、ハグしてもいいですか?」
「何だい藪から棒に。私はそういうの、苦手なんだよね。握手でいいかい?」
「はい。かまいません。握手しましょ、握手」
にぎにぎ。
ブンブン。
「元気だねえ」
「えへへ。あたし、魔女さんと友達になれて嬉しいです」
「友達? まだ知り合いだろうよ」
「えー! そんなこと言わないでくださいよう」
「やだねっ」
「アメラさん。そういうところですよ?」
「ふん。私はわざと人を寄せ付けないようにしてるのさ」
そういうアメラはどこか淋しげな目をしていた。まるで痛む過去を振り返るときのような。
「……アメラさんは何歳なんですか? いろいろなことがあったんでしょうね」
「私は728歳だよ。――そうさね。いろいろなことがあったよ。酸いも甘いも。ビターもスイートも」
「それって似たような意味じゃないですか?」
くすっっと笑うアイであった。
そんな笑顔を見ていると、アメラも自然と笑った。
アメラはサンガと共に森の外の山まで来ていた。サンガに第十二級魔法を教えるためである。
「いいかいサンガ? 第十級以上の魔法は基礎知識を頭に叩き込んでおかないと使えないよ」
「基礎知識ですか。一体どんな?」
「例えば、今から教える『オリゴンズ・ケカド・ブレス』だけれどね、まずオリゴンズというのは龍の名前から来ている。昔むかし、天上を飛ぶ龍を総べる大きな龍、名をオリゴンという、が居た。オリゴンは黒い龍で若いころには乱暴をしていたんだけれど、白い龍のヒロルゴンというのに諭されて、乱暴をやめるようになったんだよ。そのときの祝いの炎、それがオリゴンズ・ブレスだね。そしてケカドなんだが、魔素の名前から来ている。オリゴンズ・ブレスを強化する働きだね。ケとカドだよ。ちなみにこう書くんだ」
そう言って、アメラは地面に書いたのはCEとCDである。CはQの反対のように点が付いている。
「ふむふむ。オリゴン君もやんちゃをしていたと。そしてケとカドによってオリゴンズ・ブレスが強くなるとな」
サンガは顎に手を置いた。
揉み揉み。
「じゃあ、サンガ。早速やってみな。ほら、あそこの山めがけて放ってみな」
「はい」
サンガは右手だけをかざして、唱えた。
「オリゴンズ・ケカド・ブレス」
ドゴオッ。
山から右にそれて地面を穿った。
「両手でやってみな」
サンガは言われた通り、今度は両手をかざして、照準を作る気持ちで親指と人差し指で三角形を作って、その中に山を入れた。
「――オリゴンズ・ケカド・ブレス」
ドゴオッ!
バアーン。
山に穴ができた。
「うん。威力が微妙だね。おまえさんの魔力を詠唱に注げるようにしなくちゃ。今、適当にやってるでしょ? もっと標的のイメージとそれを穿つ炎のイメージを強めるんだ」
「イメージを強めると言われても……」
「直観だよ、直観」
「インスピレーションですね。頑張ってみます」
そう言ってサンガは練習に励んだ。
アメラはジークとティローラのもとを訪れた。
「調子はどうだい? 武器に魔法を付与することはできたかい?」
「ああ、できたぜ。ちょっと見ててくれ。――フレア・スピア!」
バオッ。
空気を突く炎の槍。
「ほう。だけど手数が足りないね」
「わかった。次は手数だな」
「ティローラ! あんたの方はどうだい?」
「うっ。わたしもできたのだ。だけど隕石退治にはいまいちピンと来ないのだ。ちょっと見てくださいのだ。――フレア・アックス」
斧が炎を纏って振るわれる。
だがそれだけだった。
「たしかに冴えないわね。お嬢ちゃんは今回は補欠ね」
「ううっ。失格宣言なのだ! ガビーンなのだ」
アメラは笑った。
そんなこんなでアメラによる指導が終わり、一行は隕石による都市破壊を阻止するために出発するのだった。
「じいさん、隕石が来るまであとどれくらいだ?」
「まだまだ先のようじゃよ」
「そうかい」
ジークは安心そうだ。まだ修行の時間は残されている。