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1話「微睡」

気だるい授業の終わりを告げる、質素なチャイムが校内に鳴り響く。

教室に狂騒が湧き上がると同時に、俺は束の間の休息のために早足で目的地に向かう。


図書室の前に到着すると、何やら不穏な張り紙が入り口に貼られているのを見つける。


[本日はお休みです]


まいった、と俺は心の中で呟いた。

入学して1ヶ月、ひたすらここに通い続けた挙句、碌に友人もいないので、時間を潰す手立てが見当たらないのである。


仕方がないので教室に戻る。やはり騒がしい周りを尻目に、菓子パンを頬張る。ものの数分で食べ終わってしまうので、俺は頭を伏せ惰眠を貪った。


適当に残りの授業を聞き流し、気づけば放課後になっている。

別に予定があるわけでもないが、足早に教室を去り、昨日と同じ道を通り帰宅する。

何か熱中しているものもないので、適当に時間を潰し、就寝する。


次の日、同じように適当に時間を潰す。

また次の日、特段変わりはない。

また次の日、また次の日、また次の日……。


退屈を噛み締めるだけの日々に、俺は飽き飽きしていた。

自分で何かを成し遂げようとするわけでもないのに、日常に亀裂が入る事を待ち望んでいたのである。

転機を待つ俺を気にもしない様子で、時間は止め処なく流れていった。

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