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白いツバサ Fake imitations  作者: どら焼き☆い
第一章 始まりもせず、終わりもせず
9/82

第一章 第九話 「役者は、踊る、この世界で」

 追いかけて数分、僕達はこっちの人数が多いのを利用して脚力強化の魔法を交互にかけながら走り

数分ほどで新垣さんに追いついた。

「さあ、今ならまだ美少女戦士セーラームーン服で許してあげてもいいんだよ」

「また美少女戦士セーラームーンとか懐かしいネタを…」

「……???」

 とは冗談をいうものの両者は完全に戦闘態勢に入っていた。

だがそこには、あの仮面の男も一緒にいた。

どういう分けか多分最初の時に使った瞬間移動らしきもので紫姫さんたちから巻いて来たんだろうか。

仮面の男は囚われてるメロンちゃんの檻を触ると。

「やれやれ仕方がないですね、ここは私が足止めしておきますのでちゃちゃといってださい」

 新垣は態度が鼻についたのか特にお礼は言わず再び階段に向かう。

追いかけようとするが仮面の男の指パッチンで放った蒼い炎の火柱によって阻まれてしまう。

「待て…クソッ」

「先輩…先に行ってくださいこいつは俺たちが引き受けます!」

 柊たち下級生が前に出て仮面の男の前に対峙する。

「確かめたいんです…ある男の関係者かもしれないんです、私たちがこの世界に来た…だから」

 そういえば…そうだった。


姫ちゃんたちは元々「この」世界の人間じゃなかったけ。


 はじめ見たときは驚いた絵本「白いツバサ」の登場人物が実際にいるんだもんな。

それに強い信頼関係はあるといはいえ、この場にいてうっかり姫ちゃんたちにかかわる聞かなかった方がいい話もあるかもしれない。


 ……………確かに姫ちゃんたちの事情も考えればここは行くべきだ。

走ってる最中に後ろで聞こえた姫乃たちが言った言葉を思い出した。

「ねえ選あの男の人ロクナさんみたいに殺すためになんでもする…せめて未利たちもいてくれれば」

「ああ、そうだなでもやってみなくちゃわからないぜ」

 それはつまり下手したら殺される相手に姫乃たちを見捨てて行くなんてできない。

誰が死んでの勝利なんてそんなのは違う。


「気持ちは嬉しいけど、聞けないな…僕達イジワルだし」

「先輩…」

「この人をなんとかみんなで倒していこう」

「話は終わりましたか、待ってあげるなんて私は優しいことですよ、まあ強者の余裕って奴ですかね」

「そのままずっと舌なめずりしまま唇がカピカピに乾いちゃってください」

 とにかく強気に煽ってみるものの実際危機的な状況には変わりない。

改めて気お引き締めたその直後、窓の方に声が聞こえた。


「待ていっ!」

「友のため奔走し友のためわが身を盾にし助ける、人それを友情という」

「誰です!」

「貴様に名乗る名はない!」


 正直いろいろ突っ込みたいところだけど。

驚くことにそれは生徒会長の聖都と蓮だった…ていうかなんで作品「小便オヤヂ「おにさく」」の頭の上に乗ってるのだろう。


「あなたは…生徒会長…と副会長!」

「お困りのようだね、66小隊に…それに別の世界マギクスを救った英雄諸君」

「ここは任せたくださるかしら」

「ちっ…厄介なのが来ましたね、できればそのまま白雪雪菜先生みたく傍観をキメてくれてたらよかったんですが」

「あのチート先生と一緒にしないでくださる」

「俺たちはユキナンより強くないからね、お手柔らかに頼むよ」

 よし、生徒会長がいてくれれば安心だ、死んでも死なないような人だからな。

それに姫ちゃんたちの本当に詳しい事情を知ってる数少ない人間だ。

その点でも適任といえる。

「じゃ、生徒会長と柊君たちここ頼みます!」

 僕達は再び新垣さんとメロンちゃんを追うため火柱を避けながら走る。


 コンサートホールの劇場では佐藤と4人の戦いが続いてた。

「エアーズ・ロック」

「エレクトロパンチ!」

 二人の警察官が石つぶてを撒き空中に制止させ土属性の魔法を使い佐藤に向かって射出し、もう一人が時間をかけ練った雷魔法を解放し放った。

 それに対し佐藤は後ろの糸に飛び乗って雷魔法を回避し、避けきれない分は糸で叩き落とした。

佐藤はあらかじめコンサートに張り巡らされた糸を足場にしたり、掴んで方向転換し相手の進路を塞いだりして4人の攻撃をいなしたり受け止めたりしていた。

「なかなかやるな」

「あんたを一番に倒せば、指揮系統が崩れメロンちゃんも助けやすくなる」

「そのようだな、だが俺もなんも考えもなしにここを戦いの場に選んだわけではないぞ」

「とっておきだ」

 そう言うと佐藤は懐から音叉を取り出した。

あれは初めてあった時使った物だ、あれで音の魔法を調律し増幅するものだったはず。

…まさか!。

紫姫は佐藤の狙いに気づき阻止しようと佐藤に接近しようとするが。

直前あと一歩のとこで佐藤の音魔法は発動してしまった。


「音撃叉・チューニング!」

「ぐふっ」

「ああっ!」

 そういった瞬間、佐藤以外の4人全員が全身に鈍い痛みを感じ膝をついた。

一瞬何が起きたかわからなった。

360度全方向から攻撃がきたのだ、しかも全員に、かなりの重傷だ。

いったいどういう手品を使えばこんなことが可能なのだろうか。


 考えろ…私!。

音叉…コンサートホール…音魔法…!。

紫姫はダメージを内蔵…お腹を押さえながら剣を構えなおす。


「なるほどそういうことね」

「音叉は起点、コンサートホールは増幅器…そして音の振動!」

「音の振動派や音波で攻撃する魔法はあるけど、それを音を反響させるのに最適なコンサートホールを使って範囲だけでなく威力を大幅に上げたってことね」


 紫姫の推理に佐藤は息を吹き、たばこを取り出し一杯だけ吸って捨てごつい笑いを見せた。

「ふー、そのとうりだ嬢ちゃんおかげで能力解説フラグは回避できたな、がはは!」

「ここは俺の「ホーム」みたいなもんだ…帰りを待つな」


「総員、ここは一端ここからでて態勢を立て直すぞ!」

 女性警察官の隊長はとにかくここからでて、相手の有利な状況から脱しようとするが。

「そうはさせんな」

「体が糸に…」

 佐藤は新垣瑞希のところへ行かせないためだろうか一人ずつ確実に倒すため、重症の紫姫を糸で拘束し糸を蹴って三人の警察官の前に現れる。

「くそ!」

 とっさに銃を構えて迎撃しようとするも。

さっきの攻撃といつまたあの音叉攻撃を撃たれたらと思う恐怖心からうま照準が定まらず、外れてしまう

佐藤は一番近い奴に向かって「かまくら」から取り出した剣で切りかかる。

「!」

 接近された警察官はなんとか反応しとっさに持っていた強化ジェラルミンシールドで防ごうとするが。

シュ!、ズブッ!

「…うぐ……………がっ」

ドサッ

 銃弾も透さないシールドはあっさり切られ、警察官は脇腹に剣の刺突を受けてしまった。

刺突を受けた警察官は刺された痛みで気絶しその場から倒れる。

「蛍子!…よくもっ!」

 直後佐藤は指を数回いろんな方向に動かした。

同僚を倒され激昂した二人の警察官は素早い動きで挟み撃ちにし佐藤に雷魔法を浴びせようとするが。

「「サンダーショット!」」

「!?しまっ…腕が!」

 激昂していたせいか気づいたときには腕が本人の意思とは関係ないとこを向いていた。

「きゃああああ!」

 だが、佐藤に向けて撃っていた魔法は一方はあさっての方向にもう一方は隊長の部下の警察官当たっていた。

いや腕が動かされたのだ、腕には糸が撒きついていたこれで放つ位置をずらされていたのだ。

「ふん!」

「があ!」

バタンッ

 誤射された警察官は佐藤の蹴りを受けその昏倒し場に倒れ込む。

「おのれ!」

 残った警察隊の隊長は建物の被害を考慮して使わないつもりでいた背中に背負っていたRPG-7を向けるが。

「破ぜろ」

 佐藤は音叉を小さく鳴らして鳴らした。

「うわあああああ!」

 突然もっていたロケットランチャーが爆発し、爆発と爆風で警察隊の隊長も壁に激突し意識を失った。

「ものには固有の振動数っちゅうもんがあるんだ、その振動幅に合わせれば声でコップのガラスが割れるだろ」

「それと同じだ」

「おっと、嬢ちゃんは初見だったか?これは振動を増幅させて切れ味を増す高周波ブレードていうんだ凄いだろ?」


 なんとか糸から抜け出せた紫姫は、プロの警察官三人を圧倒されたの見せつけられながらもあくまで強気で返す。

「…つっ…あら、自らフラグを立ててくれるなん親切ね、高周波ブレードくらい見りゃわかるわよ」

 とは言ってみたもののまったく対処方法が考えつかなかった。

いや…一つだけある。


 こいつを倒してこの馬鹿げた行為を終わらせ、メロンちゃんを返してもらう!

紫姫は勢いよく地面を蹴って佐藤に向かう。

「ほう、まだ戦える闘志がるか!だが…これで終わりだ音撃叉・チューニング!」

 再び全方位から増幅された音の攻撃が飛んでくる。

すでに重症の紫姫が受けたらその体がもたないことは確実だが…。


「お!?」


 紫姫は無事だった、紫姫は水の塊に包まれて事なきをえていた。

一週間の中で結締姫乃から見て盗んだ雲集霧アクアリウムという技だ。

これにより音は水の球体の表面を揺らすだけで、密度の関係で水の中は音はほとんどきこえないよって無事である。

佐藤は慌てることなく糸を動かして紫姫の進撃を阻もうとするが。

「毒鳥!」

 紫姫から「毒の薬品」で出来た異世界の害獣エルバーンに似たものを数体召喚し周りの糸を溶かしていく。

「この糸は切れない……でも酸ならどうかしら!」

「確かに…さすがにまずい」

 さすがにこの事態を予想してなかったのか佐藤も冷や汗をかいていた。

「終わりよ!ポイズン・プロキネシス!」

 紫姫は両手に爆発したら毒酸が飛び散るという凶悪な爆炎魔法を纏い佐藤の一メートル手前まで来て渾身の一撃を放つ。

「音撃叉・シンクロ!」

 佐藤は起死回生の一手の技にすべてをこめ全力でバックステップする。


爆発の煙の中で姿を現したのは。


「があっ!………あ…ぐ………あぅ!」

 多数の糸が紫姫に巻き付いてがんじがらめにしていた。

お気に入りだった服はボロボロに破け体のあちこちに糸が食い込み出血し、しかも内臓が破壊され血を吐いていた。

紫姫は失念していた彼が音使いであると同時に糸使いということを。

「一歩惜しかったなさすがに危なかった、簡単なことさ肌に触れた糸から直接音波を伝えたっちゅうシンプルな技だ」

「酸でも溶けない予備の糸をつかってな、酸とか水の中だとか弱点を見抜かれるのは経験済みさ」

 そうだ、あの瞬間予備の酸でも溶けない糸を取り出して、紫姫の体に巻き付け音叉と劇場で増幅された振動を糸に流したんだ。

しかも、糸と肌はかなり密着している、つまり体の内部に直接的に破壊を行えるということだった。

たっく、とんでもなくえぐい技ね、油断とかベルのこと言えないわね。

正直もうあともう少しで意識が飛ぶかもしれないくらいの出血と痛みだった。

「さて弱点を知られてしまった以上次は勝てないかもしれない手足の一・二本貰っていくぞ、恨んでくれてもいい」

「これが俺のやるべきことのためにすることだ」

 そう言うと佐藤は高周波ブレード―を振り上げる。

私は最後の瞬間に大切な人の名前を言葉にした。

きっとあの人のことだ、私が大怪我したら自分を責めるに違いない。

目を瞑った、次に目を開くときにベルがいることを信じて。

「…べ…ル…」

 もうだめか…そう思った瞬間。


「しきいいいいいいいいいいいぃ!」

 けたたましい雄たけびとともに

突如紫姫を縛っていた糸が切れた、これは誰かが放った斬撃によるもの?。

佐藤は突然のことに戸惑いつつも後ろに飛び上がって避ける。

衝撃波で劇場の座席が吹き飛ばされるほどの威力だ。

コンサートホールの扉を破って、私の名前を叫びながら突撃してくる一人の鎧を着た男。


 そう間違いない私の大好きで大好きな大好きな人。

コール・ベルダッドそのものだ。


 ベルは血まみれの紫姫を見つけるやいなやすぐに駆け寄って抱き起す。

「紫褒!大丈夫か!?早く手当を!」

 正直今は痛くて喋りたくないし、手当はしなくても傷は全魔力をを使って全部塞いだわよ。

「これが大丈夫に見えるわけ?手当より先にやることがあるでしょ…はぁはぁ……来るのが遅いのよ」

「…ばかぁ」

 だけど口では罵倒しているものの、紫姫の瞳には涙が溢れいていた。

「後は任せろ」

 俺は紫姫を折り畳み座席の前にもたれかけさせ、佐藤と対峙する。


「さて、お熱い感動シーンの中悪いが……お前さんどうやって毒を解毒したのかおじさんにもわかるよう説明してもらおうか」

 そうだ、たしかに目の前のコール・ベルダッドという男は新垣瑞樹のに受けた毒で行動不能になっていたはず。

だが、現に目の前の男は五体満足でピンピンしてる。

それに解毒剤は一般には流通してない薬や魔法でないと解毒できないもののはず。

そして、仮に解毒剤を持ってたとしてもこんなに早くはない。

「あら…知らなかった…・私は毒魔法が得意なのよ…・はぁっ…かといって解毒剤を作れるわけじゃないけどね」

 確かに資料にあった彼女の得意魔法は毒だ前の異世界では「毒姫」とよばれるほど。

そして、あくまで彼女の魔法は毒を生成するこであって毒を消す魔法は基本的なものしかできない。

ベルはその答えを出す。


「毒で毒を消したんだ」


 そうだ俺は大ホールで捕まってる時、紫姫に遅効性のもっと強い毒を注入して打ち消したんだ。


「がはっはあはは!なんだそれは…360度くらいの柔軟さだ、部下に詰めの垢を煎じて飲ませてやりたいくらいだ面白い!」

 正直信じられないがこういう世界だそういうこともあるのだろう、そして今はそんなことはどうでもいい。

「ま理由は今はいい…どうせ逃げたって高速で追ってくるんだろ?ならいまここで倒すさ」


 一人の少女をも救えない自分に今の俺に、復讐だとかあの人の正義を止めれるような言葉は持たない。

だから、俺は戦って止めることしかできない。

「これが、今の俺にできることだ!」

 武器を構え両者の心は激突する。

劇場の役者は交代し舞台はラストスパートを迎える。


 そして屋上でも最後の戦いが始まろうとしていた。

新垣瑞樹は焦っていた。

本来ならここに脱出するための迎えが来ているはずなのだが、来ていなかった。

そして今さら地上から逃げようにもッずっと前から包囲されてここからしかそもそも無理だ。

「クソ!迎えが来てるはずなのに、どこで何やってるの!」

 バン!

 勢いよく屋上への扉が開かれ、みるともうそこには66小隊の面々が追いついて来てしまっていた。


 いた…間に合ったか。

さっきまでいた屋上に戻ってくるなんて因果なことだな。

「頼みの綱はどうやらまだなようだね…邪魔が入る前にちゃちゃっと捕まえちゃおうか、へへへ」

 ゲスい笑いを浮かべながらじりじりと近づいていく。

鳳だけはそれに何か言いたげな雰囲気だったがいつものこととため息をはいて諦めた。

「8人で囲ってボコれば強い奴も倒せる!数の暴力万歳!」

「悪役のやり方じゃない!?」

「これが僕達のやり方だ」

 一瞬、素に帰って突っ込みを入れてしまったが、気落ちを整え。

「残念ですけど、それは私にも言えることですよ、あななた達を全員倒せばいいだけなんですから」


 正直無理がある…が、やらなければ次の世界に復讐ができない。

不退転の決意で向き合う。


「…お願い待って!」


 屋上につながる僕達とは反対側の扉から一人の女の子が現れた。

確か彼女は…あっ!あの食堂での新垣さんと佐藤さんのやりとりの時ずっと新垣さんに付き添っていた同じクラスの親友の子だ。


「瑞希もうこんなことやめよ」


 この混乱のさなか任務途中に偶然移動中の新垣さんを見つけてしまったのだろう。

そして彼女は新垣さんを説得する気でここに来たんだ。

僕達は待つことにした、彼女を手荒な事をせずに説得できるのは親友の彼女しかいないと思ったからだ。

「今更なにを言っ…」

「こんなことしても誰も喜ばないよ!…この作戦の前にも瑞希のお母さん言ってた!瑞希が無事なら他に何も望まないって…瑞希のお父さんだって……」

「うるさい!…死んだ人間の気持ちを勝手に代弁しないで!」

「私聞いたのよ!お父さんはアイツが憎くて憎くてしょうがないって!」

「死んだ人間の無念を誰が無念を晴らすっていうの!法律?警察?殺しは良くないとかいう偽善者の主人公?止めれたら満足?何もしてくれないくせに!……邪魔っ!インパクトオォ!!」

 かなり興奮してしまってる新垣は衝撃派の魔法を放つ、親友の少女に向かって。

「きゃ!……………瑞希なん…で…?」

 バタッ、魔法の直撃を受けてしまった友達の少女はその場に倒れ意識を失ってしまった。

その瞳は親友の方を向いてるようでむいていなかった。

今の新垣さんは、今ここにある母親や親友まで切り捨てて復讐に借り立たれているというのか?。


 なんだ…この違和感は、死んだ人間が語り掛けるなんてそんなことあるか?。

それにテラーの襲撃のはずなのにまるで特定の犯人がいるような口ぶりだ。


 親友の説得は失敗、だがそんなこと考える余裕もなく。

突如屋上に轟音とともに10メートルはあろう巨大なドラゴンが下りてきた、肩には一人の少女が乗っていた。

まずいぞ、警察と学生しかいないこの状況じゃ制空権を使われたらまともな対空兵器がない僕達は不利だ。

そして高価な空を飛べる動物を持ってるなんて本当にただの政治団体か!?。

「…お待たせしました」

 そこには黒色のロングへ―アーで兎みたいな赤いカチューシャが特徴のメイド服をきた女の人が立っていた。

彼女は機械のような無機質な口調で淡々と伝える。

「聞こえるか、ニャモメ団とかいうのに邪魔させれて遅れてしまった」

「それで魔力の大部分をつかってしまった帰りの分がない、持ってきた飛行魔獣の魔力の装填に8分かかる」

 なんだか、よくわかないけどまだすぐには逃げれないってことか…なら。

「みんな!その前にメロンちゃんを救出しよう!」

「「おう!」」

 僕達は全員で新垣さんとメロンちゃんのいるほうに突撃をかける。

幸い、ドラゴンは急激なエネルギー切れのせいで建物によりかかり活動自体がでいないようだけど。

ただ、あのメイド服の少女が持ってきたであろう数体のはぐれ上級テラーとこんどはこちらが劣勢になってしまった。

つまり、他のテラーと戦う場合誰かが新垣さんに各個撃破されかねない。

「新垣さんは僕と音海さんに任せてみんなはメロンちゃんを頼む!」

「思い通りにさせるもんでっ……なっ!」

 阻止しようと距離を詰めようとするが、勢いよく手斧の振るが音海の太郎はあえてそれを受け止めた。

防御に使用した手持ちの武器のバックラーがミシミシと音をたて砕ける。

そのままの勢いで二人は新垣を押し倒しコンクリートの地面に押し付けた。

いや、その先の地面に押し付ける!。

「ぐっ!…盾よ!」

 僕は一気に二つの魔法を発動させるため英語なら「and」にあたる接続詞をいれる、続けていうと一つの詠唱とされるため発動がキャンセルされるからだ。

「エクスプロード及びグラビティ!」


 この程度の魔法で倒されはしない!。

新垣は相手の攻撃を予測して防御魔法をかけたが…。

すさまじい轟音と熱風と共に、「対象」の物体に比例した何倍かのGがかかる。

予想に反し何故か自分の身には何も起こっていなかった、それは二人も同じだ。

だが音や熱風から魔法が発動したのは事実だ、いったいどうして…?。

「しまっ!?」

 慎重にあたりを見回してみると、コンクリートの地面には円形上にヒビが入りいまにも崩れ落ちそうだった。

ミシッ……ガラガラガラガラガラ!

次の瞬間魔法で損をうけた地面は崩れ落ち。

その場にいた三人は例外なく落ちていく、一個したの階へ。


「フィールド変更だ、新垣さん!」


 つまり強めの爆発の重力系魔法で足場を壊し新垣さんを戦線から離脱させる狙いだ。

落ちてすぐ瓦礫に埋もれていた三人は立ち上がり、対峙する。

「つっ!…やってくれるじゃない…でも、私にたった二人で挑もうとしたのは失敗だったわね」

 ここはどうやら恐竜の骨格や予想模型図を展示してあるスペースのようらしい。

幸い落ちたところでなくて良かったが、真ん中には2~3階分吹き抜けの竜巻発生実験装置みたいななのがあったとても、風の通りがいい。

というか…上の階って科学館とかだっけ?。

「…ここは私の得意フィールドですからね……すぐ倒して戻らせていただきます」

 事実、クラスメイトだけど新垣さんの能力は良く知らなかった、果実名だけを紙に書かれたのを目に通したくらいだ。

「そうは、させない僕達だって勝算があってやったんだ」

「やるよ太郎君」

 先手必勝とばかりに太郎と音海の銃撃が炸裂する。


 ここでは決して人目に振れないであろう緞帳のおろされた舞台裏での戦いの火ぶたが切って落とされる

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