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白いツバサ Fake imitations  作者: どら焼き☆い
第四章 あいとゆうきと家族
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第四章 第十話 「グレーテルVS三人の騎士&鳳凰鳳VS剣製の冴子」

一方、姫乃たちを先に行かせ

グレーテルや少年兵らと戦っている多目的ホールでは

少年兵たちと鳳の兄弟と先生の

グランフォード学園のメンバーとグレーテルの

激しい戦いが続いていた

グレーテルは今、多目的ホールのちょっとした二階にある通路の場所で戦っていた

「いい加減に目を覚ませ!」

「・・・邪魔です」

ガルムとジャグラーさんが左右から拳で殴りかかる

だが、それはグレーテルの手のひらに受け止められ

そのまま拳を掴まれ、弧を描くように持ち上げられ二人は地面に叩きつけられてしまった

「やんちゃな生徒はおとなしくしてもらいますよ」

次に氷山先生がグレーテルの背後に近づき、羽交い締めにし

その関節をギリギリと締め上げて、抵抗する力を奪うつもり・・・だったが

「以前の私と思わない方がいいと思います」

「なっ・・・・・・グレーテル君、正気ですか!」

グレーテルは、羽交い締めされたまま、二階の手すりを蹴り飛んだのだ

つまり、地面に落ちた

それも、跳躍の果実を使い

その速度は、確実に下のコンクリートが壊れるくらいの速度だった

氷山先生は、冷静に手すりを蹴る前に察知してグレーテルを拘束していた腕を外し安全な着地態勢に入ろうとした、だが

グレーテルはあえて、氷山先生の襟元を掴み氷山先生を逆に拘束し自ら着地態勢などとれない態勢にしてしまった

これは完全に、みんながグレーテルの戦法や戦い方を熟知しているからこそ

その逆もまた然り、グレーテルも相手が自分の行動を読んでいるからこそ

あえて、自分ではとらない戦法をとったのだ

二人は、そのまま頭から落下する

地面に当たった衝撃で、二人が落下した地点の地面のコンクリートがひび割れていた

「まずは、氷山先生を・・・」

(グレーテル君は・・・それほどまでに母親の存在が影響を及ばすとは・・・世話のかかる生徒です・・・)

立ち上がったのは、グレーテルだけだった

氷山先生は当たり所がが悪かったのか、額から血を流し

一言グレーテルを心配する言葉を喋った後、意識を失った

「グレーテルもう手加減しないぜ!、漢と漢は拳で語り合うもんだって知ってるか!」

次にジャグラーが拳を振りかぶりグレーテルを追うように二階から飛び降りて

そのまま降下しながら体重を乗せた拳を振るう

そらに、続いてガルムも続くように二階から飛びのき

果実で鳥の能力を憑依発動させ、蹴りに行った

「ジャグラーさんのそういうところ暑苦しいです」

対するグレーテルは内に秘めていた本音?のような悪態をついて

ジャグラーの拳に容赦なく刀を当てる

当然、刀の刃がはジャグラーの拳にめり込むように刺さる

本来なら、ジャグラーの気合の果実で魔法防御のような闘気を纏った拳は

生半可な刃物では傷一つ付けれない鉄拳となっていたが

グレーテルの魔力と刀剣術ががジャグラーの気合の果実を上回っていた

ジャグラーは、手の皮膚と肉に刀の刃がめり込んで、思わず苦悶の表情を浮かべる

「ぐ・・・っ・・ぃてぇ!」

だけど、ジャグラーもただやられたわけじゃない、自分の犠牲は計算の内

自分がグレーテルを引き付けてるうちに、背後から鳥から象に憑依チェンジしたガルムの蹴りがグレーテルを捉えるのが本当の目的だ

「・・・・・そうですか、審判の時です」

だけど、そんな二人の考えをグレーテルを読んでいた

グレーテルは、拳に刀を当ててるジャグラーに対し

当ててる方とは違う左手の小太刀を変化させ、一撃必殺用の大型ランスに変えた

そしてそのまま、不意をつかれたジャグラーの腹をぶっさして

ランスに纏った魔法を飛ばして、ジャグラーを吹き飛ばした

グレーテルは、刀とランスの同時使用という荒業をやってのけた

そしてグレーテルは、まるで時計の針が回るように

右回りに体を回転させ、向かってくるガルムの蹴りに当てるように回し蹴りをした

お互い、魔力を纏わせた蹴りだったので

その場で魔力の相反発作用による魔力光や火花が飛び散る

「がっあ!!」

膨大な魔力による蹴りの鍔迫り合いに勝ったのはグレーテルだった

ガルムも落下の衝撃+像の体重による、ガルムに今できる最大威力の普通の人間なら死んでいたであろう攻撃をしたのだったが

恐らく、跳躍の果実でガルムの攻撃をさらに上回って力を増していたのだろう

グレーテルの魔力の余波で押し負けたガルムは、グレーテルの居る場所の反対側多目的のホールの端まで吹き飛ばされ激しく壁に叩き付けられる

ガルムを処理したグレーテルは、ジャグラーの方を向く

対するジャグラーは、先ほどのランスを受けたことで腹に穴が開き

手で傷口を抑えなければ血や汗がとめどなくながれる、立ってるのが奇跡の非常に危険な満身創痍の状況だった

「俺は諦めないぜ!・・・・・っこの拳を必ずグレーテルに届かせる!」

だけど、ジャグラーはまだ諦めていない

ボロボロになりながらも、足を引きづっていても

グレーテルに近づこうとし、大切な仲間を取り戻したいそんな自分の気持ちをこめたその拳を届けようとしていた

だけど・・・そんなジャグラーを

グレーテルは無慈悲に無感情に

刀で切り捨てた

ジャグラーの気持ちは届かなかった・・・そう思われたが

「届かなかったようですね、ジャグラーさんはいつも気合だの熱血ばかり・・・・・」

「ほらな・・・届い・・・・・た・・・だろ?」

かすかだが、本当にほんのちょっとだけジャグラーの拳がグレーテルの頬に当たった

それは優しく触れるように撫でるように、ジャグラーは優しい笑顔を浮かべながら

その直後ジャグラーはうつぶせにに倒れ、意識を失った

グレーテルは、ただその光景を無感情に見つめていた

あなたたちの言葉が届くわけないじゃない・・・だってグレーテルが一番好きなのは家族である私

そうエメロード・メロディは心の中であざ笑っていた

グレーテルは終わりとみて、次に行こうとした時だった

「終わりましたか・・・」

「まだ・・・・終わってねぇぞグレーテル!」

先ほど吹き飛ばされ、グレーテル自身は戦闘不能の見立てを立てていたガルムがこっちに走ってきて襲い掛かってきた

「二人そろってしぶといですね!」

「男の子なもんでね!」

ガルムは、奥の手を使った

ライオンとトラ、さらに熊とい猛獣を三体同時に憑依させたのだ

さらにそこにガルムの二つ目の武器を遠隔操作する果実を発動させ

かまくらから取り出したありとあらゆる武器が空中で制止し、グレーテルに狙いを定めていた

それにより、爆発的な身体能力と遠距離攻撃力の両方を得られるがその分肉体の負荷も高い

長くは使えないどころか、使った後は病院で精密検査が必要なほど

まさしくガルムの最強の奥の手であり、諸刃の剣でもある

そして、ガルムは息を突かせぬ遠隔武器による遠距離攻撃と

憑依した獣の身体能力の連続攻撃でグレーテルを圧倒していく

それはもう、技術だとか技とか関係ないただ殴る蹴るだけや体のどこかをぶつけるだけのまさしく獣のような戦いぶりだった

今まで、無傷だったグレーテルに生傷がつき焦りの表情が浮かんでくる

「くっ・・・・!」

猛獣牙ビーストサーベル

そして、ガルムは武器として手にもっていた剣によるとどめの一撃を決めようとした

だが・・・

突然ガルムの体が、グレーテルの背中から生えた白い羽と黒い羽に貫かれた

それと同時に、果実の同時使用による活動限界がきた

さっきまでの無理がたたり、口から血を吐き全身からも血がどくどくと流れ出ていた

「まさか・・・こっちも奥の手を使うとは・・・・やりますねお兄様」

グレーテルは、ガルムが動けずただ立っているだけと推測した

そして、ガルムにとどめの最後の一撃を加えようとした時だった

「でもさよなら、お兄さま」

「・・・・・・だよ」

だが、その時両手を広げたガルムが言いかけた言葉にグレーテルは止まった

「お前が大好きなんだよ・・・俺もクルミもあいつらもみんなお前のこと・・・家族して仲間として・・・・だから戻ってこいよ」

しかし、その言葉は聞こえていない・・・そうエメロードが聞こえさせないよう暗示してある

だがそれはグレーテルの心に届いていて、かすかな変化が見られた

私は・・・なんでこんなことを・・・あれ・・・・でもお母様の言うことは絶対・・・

だって、今までクルミとお母様を探しててやっての思い出みつけて・・・今のお母様は優しいお母様に戻ってるのだから・・・・

こいつらは、偽物・・・・私たち家族の邪魔する・・・偽物たち

そして、ガルムは洗脳され母の言うことを絶対だと思い込まされてる実の妹のグレーテルの刀によって、切られた

「妹に・・・クルミに男連中は情けないて・・・笑われちまうな」

切られたガルムは、後ろ向きに、仰向けになるよう倒れこんだ

最後に、一言妹達に兄として情けないとこを笑われるのを心配しながら意識を失う

「さて・・・次は愛熊さんを始末したら」

「私の大好きで大嫌いな・・・・結締姫乃さんを殺しに行きましょう、うふふ」

だって、結締姫乃は私たち家族の世界の敵、結締姫乃がいるから悲劇は生まれる・・・・そうお母様は言っていた

自分はきっと結締姫乃という圧倒的な存在に憧れながらも自分との違いにコンプレックスをいだいていたんだろう

今なら、勝てるあの結締姫乃だって・・・お母様との家族の絆があれば

グレーテルはそう考えていた

グレーテルは、すでに自分が何を考えて何を言ってるのかわからない

完全にエメロード・メロディの傀儡だった

だけど、そこに現れ立ちふさがったのは愛熊帝だった

彼は、今まで弟のい憐と戦っていたが人知れず決着をつけたようだった

憐は、仲間を信じグレーテルを助けようとする兄の姿を見て改心し愛熊に負けた後姿を消した

「ふん女・・・・俺は手強いぞ、ちなみに憐ならもう帰った」

「弟さんと仲直りできてよかったですね・・・・」

「それがお前の本音なのか?女・・・・いやグレーテル・・・・」

愛熊の100%コピーしたグレーテルの跳躍と、以前に覚えた数多の他の果実で

グレーテルに対して120%の互角以上に渡り合う

だが・・・

今のグレーテルは120%以上だった・・・

そう、彼女には・・・


コントロール室制圧班と分かれた後しばらくして

僕達は、ようやく鳳凰現部がいるであろう社長室の1階前までたどり着いた

この階段を昇れば、たどり着く

その時だった、側面から魔力光見えた

僕達は、走るのをやめ急制動をかけた

「攻撃!?」

そして、僕達が止まったその真ん前の床が

何者かの魔法攻撃によってへこまされていた

攻撃のきた側面を見ると数人の少年少女の人影がいた

その誰もかれもが普通の少年少女ではない異形の形をしていた

「大罪の残り・・・ってことか!」

「6人もいっぺんに来るなんて・・・」

彼らが、前に出会った七つの大罪の一つである「暴食」をその身に発現させていた少女と同質の存在だということがすぐに分かった

普通に考れれば彼らがあの暴食の子と同じ力を持ってると考えていい

そして、一体でも苦労したのにそんなのが6体もいっぺん来るなんて・・・

苦戦は必須だろう

あともうちょっとなのに・・・

「ご機嫌麗しゅう・・・結締姫乃さん、まずは自己紹介を私くしは強欲を持つ者オーブですわ」

「そして俺は傲慢のゾフィー」

「同じく、憤怒のセブンだ」

「私は嫉妬のベリアルよ・・・」

「怠惰のMaxちゃんって呼んでね♡」

「あちしは色欲のゼロ、可愛い子が沢山いるじゃねぇか味見したいわ~」

しかも前の暴食の子と違って、体は異形の形をしていても個々の意思のようなものが見られた

「こいつら、自分の意思があるのか・・・?」

「また濃いキャラクターが来たな・・・」

「ご名答、私たちは望んで今この場にいますのよ・・・」

そこに、また一人、正面の扉から現れた

それは僕達と鳳君が良く知っている人物だった

「やはり来られましたか鳳様・・・いえ鳳凰鳳」

「冴子・・・」

予想は出来ていたけど・・・やっぱり僕達の前に立ちふさがるのか冴子さん

鳳君本人は、冴子さんと戦う覚悟はできてると言っていた

・・・彼女のことは、鳳君に任せよう

産まれたときからの付き従ってる従者で、鳳君にとっては親のような存在で

彼女のことを一番よく知ってるのは鳳君だ

なら、やることは決まっている

「鳳君、ほかの有象無象は爆達に任せて・・・彼女を」

「私たちは、鳳君がどんな結果を選んでも受け入れるからね」

「狛犬隊長、音海さん・・・・はい!」

僕達の意図を汲んだ鳳君とお付きのメイド隊達はまっすぐ冴子さんに向かっていく

当然、周りの大罪の子達が襲い掛かってくるが

それは、僕達が攻撃を受けることで鳳君の道を作った

6つの大罪持つ者達と僕達の戦いが始まった

「冴子!」

そして、一気に冴子のとこまで来た鳳は

もはや言葉は不要、そう言わんとばかりに

間髪入れず、拳を冴子の顔面目掛けて振るう

「・・・いい拳ですね、ですがまだ甘い」

だけど、鳳の拳は

冴子を捉えることなく、冴子の横の空間から現れた剣に当たり

拳の軌道を逸らされた

鳳は思い出した

彼女が剣製の冴子の二つ名で呼ばれてることや彼女の果実が「鍛冶」

刃物ならどんな武器でも自在にその場で作り出す能力だということを

「それに・・・次の行動が遅れてる!学んだこと生かせていません」

冴子は、逸らされて態勢を崩した鳳の腹に蹴りを一発入れ

さらに鳳の背中に鍛冶で生成した剣を二本切りつけた後、剣から衝撃派をだし鳳を吹き飛ばす

「鳳様、今いきます!」

「冴子さん、どうして・・・!」

「私がいないくらいで、あなたたちが弱くなるようにした覚えはないはずです!」

一歩遅れて加勢しようとしていた周りにいたメイド隊の子たちを、剣を次々に生成し投げつけ切り刻み行動不能にしていく

冴子は再び鳳に距離を詰め槍を取り出して、容赦なく鳳の腹を貫いた・・・かに思われたが

「僕だって・・・あなたに教えて貰ったことは全部覚えてる」

鳳は、かろうじで冴子の槍を左手で掴み防いでいた

正確には、手で受け止め威力を殺して致命傷を防いだ

槍の先端は確かに腹に刺さって当たっているが、その威力は鳳の鍛え上げられた鉄のように分厚い筋肉によって深く刺さっていなかった

さらに、鳳の武器である魔法ステッキを槍に叩き付け粉々に砕いた

「そ・・こ・・・・・だぁ!」

鳳は、その隙を逃さず

最大威力で魔法を纏った拳を冴子にぶつけた

「ぐぁ・・・・!」

鳳の渾身の一撃を受けた冴子は、地面に仰向けに倒れ込んだ

冴子の意識が遠くなる中、彼女は過去の出来事を思い出していた

彼女は、昔いわゆる捨て子だった

そんな中、鳳凰玄武に出会い彼は言った

幸せな時が永遠に続けば・・・君はそう思ったことはないか?

人は一番幸せな時は過去にある、人は生きていて不幸になるばかりだ

幼いなころの幸せと比べてな・・・

今を捨て去り未来が止まった私に君は、私についていってくれるか?

そうして、冴子は現部に拾われた

その言葉の意味を冴子はわかってしまったから

現部様・・・私は・・・あなたもあなたの息子を・・・鳳様を裏切ることは出来ませんでした

すみません現部様・・・今の私にはあなたとの過去も鳳様の今もかけがえないものだったです

「あとは・・・ここは突破して!」

鳳君は上手くやったようだ、なら・・・・

「そう上手くいきますかねぇ」

「グレーテルさん!?」

だけどそこに、現れたのはグレーテルさんだった

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