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白いツバサ Fake imitations  作者: どら焼き☆い
第四章 あいとゆうきと家族
56/82

第四章 第三話 「バルト公国の秘密」

「そんなことがあったんでですね」

鳳の話を一通り聞き終わった、部屋では

それぞれが感想を言ったり、状況を分析したりする

「つまり・・・単的に言えば棘ちゃんがその七つ大罪が全部入って制御に比較的成功してるエンジェルグループの研究の成果物で、鳳凰現部はそれを奪いにきたということか・・・」

佐野理久はそう分析する

「じゃあ、これってもう棘ちゃんがどこにいるかわ簡単だよね」

ということは

「はい、多分エンジェルグループの本社です」

棘ちゃんは、現在エンジェルグループの本社にとらわれれいると見て間違いない

というか、今現在僕たちというか警察とGA全体でエンジェルグループの本社を

攻め込もうとしてるから、丁度都合がいいな

ベルさんたちのとこも、魔王のとこにメロンちゃんと紫姫がいるし

少し、都合がよすぎと思えなくもないけど・・・

「絶対、取り返そうね・・・棘ちゃんは66小隊の大事な仲間だ」

「はい」

先ほどまでの、暗い雰囲気はもうない

希望を抱き、明日を見つめ

そう決意改めたとことで、姫乃はあることに気付く

「後は・・・グレーテルさんがどこにいるかということですね」

「それと私としても、こういう大事なことはもっと早くいってほしかったなって・・・」

「もっと早く気付ていればもっと早く伝えてれば・・・思いが伝わらないことで、悲劇もあったから・・・」

そう、姫乃は強く言う

・・・きっと

そういう過去があって、言葉にして伝えることの大切さを姫ちゃんたちは知っている

そういえば・・・

今まで気付かなかったけど

彼女たちは、白いツバサの世界・マギクスでいったいどれほどのことを経験し学んだのだろう

きっと、この中の誰よりも人間的に成長してるはずだ

しかも、僕達のような高校生と違って

まだその時は小学生だというのに

僕は、改めて結締姫乃たちの凄さを実感した

「ごめんね姫ちゃん、言い訳もしない・・・その言葉忘れないよう心に刻んでおく」

僕も、その姫ちゃんの思いをしっかりと受け止め心に残した

誰だって、仲間や友達に嘘をつかれたり隠し事をされるのは嫌なはずだ

「でも今は、みなさん成長されてるから・・そんな気にしないでください・・・それになんだか上から目線になっちゃてるし」

「いーのいーの、ある意味人生については姫ちゃんたちが先輩みたいなもんだし」

「紫姫さんとか愛熊さんとかしょっちゅう上から目線だし、一人二人増えたとこでー」

そう言うと、言えてるーとか言いあってみんなで納得して笑い合う

そして、話題はグレーテルさんのことへと移っていった

「その事ついでに・・・実はぐるみもみんなに・・・・隠してることがあるんだ」

「それを今から言う」

僕は、今まで僕達にすら言ってない(薄々分かるけど)自らの過去を話すぐるみちゃんを一瞬心配したが

どうやら、その必要はなかったようだ

彼女は、大切の人を絶対に取り戻すと決めた顔だ

例えそれが・・・もう二度大好きな人と一緒にいられなくても・・・そういう顔だ

「私は、クルミ・メロディ・・・バルト公国の王族でグレーテルとガルムの妹だ」

「やーっとかよ、ったくお前は昔から強情なんだよ・・・・とっとと白状しろっーての」

そんな中で、兄であるガルムがそのぐるみを煽る

え?なにさも初めて話すことのように言ってんの?お前以外の奴みんな気付いてるぜ

と言ってるような雰囲気出していた

「ガルムは黙れ」

「ひ、ひでえ・・・俺一応兄貴だぞ」

ぐるみは、がるむを本当に嫌そうに手で物理的に押しのける

多分・・・そういうとこが妹さんに嫌われてる理由だと思うと姫乃は心の中で思った

「ちなみにガルムとは小さいころから、事あるごとじゃれついてきて大嫌いだ・・・猫かお前は」

やっぱりな

「で・・・本題に戻るが・・・エメロード・メロディ、母様がなぜ姉上を連れ去ったかの理由はだな・・・」

その理由は、ぐるみちゃんの話ではこういうことだったらしい」

まず、10年前の魔王と戦いで一時的に魔王を倒した後のときエメロード・メロディは・・・

ベルさん達みんなが自分たちの道を行く中一人、気持ちの整理をつけるためヘイと一緒にいったん国に帰ったそうな

だが、その時だった

そこに、魔王の声がしたのだ

そう魔王ヴラドは、あの戦いの後ウルル・エルドを世界樹の人柱にした後

カラーとは違うもう一つの異世界通称魔界と呼ばれる場所に本拠地を構えてるはずだったが

魔王にはある二つの特殊能力があった

それは、今までに関わってきた人間・・・すなわちエメロードや子を産ませてきた女たちに関することで

魔王の体液には、その人間の心を侵食しどんなに距離が離れてようが入りこむ効果があったのだ

それが一つ目

二つ目は、その女たちを快楽の底に落としこめることができる媚薬のような効果

感度3000倍くらいにできるらしい

そのような手段で、ヴラドはエメロードの夢や日常に侵食し語りかけてきたのだ

(主が真に望むのは平和か?本当は・・・・俺様のことが忘れられないのだろう?)

事実、エメロードは今の平和な生活に満足できなかった

体が、心が快楽と・・・・・・・

(黙りなさい・・・私は・・・・)

(また愛してやろう・・・・知っているぞ前の国王とは愛のない結婚で愛されてないのだろう)

(え・・・!?)

魔王の、ヴラドの・・・愛情を求めていた

それほどのまでに、魔王の力は強大だった

(また・・・あの時みたいに、俺様はお前を優しく抱いてやろう愛してやろう・・・)

(また・・・愛してくれる・・・)

その瞬間、エメロード・メロディは魔に落ちた

だけど・・・

その魔に落ちる中で、エメロードは残った最後の理性を振り絞った

愛する子供たち・・・しかしグレーテルとガルムは

長男と長女という立場上、公務で人前に立つことがあり

顔を知られている

それに、戦闘訓練も積んでおり「私から逃げること」は可能なレベルだ

だけどいつも国民にあまり顔を知られていない、いつも部屋に引きこもってぬいぐるみや裁縫が好きな女の子・・・クルミは年齢的に戦闘訓練などしておらずまだ弱い

せめてクルミだけでも安全な場所に・・・、私は多分この国を攻撃するだろう

完全に悪に堕ちた私に殺されてしまわないように・・・と

「ごめんね、クルミここで幸せに・・・私はあの人に会いにいきたいの」

「もし・・・戦うことがあるなら」

そこで、クルミ・・・ぐるみは羽ツバメに預けられた

守るため万が一、グレーテルとガルムが私のように敵の手に落ちた場合のためにあえてクルミの場所をを教えず

ほどなくして、悪に堕ちたエメロードは、バルト公国を攻撃しそ自らのその手で国を落とした

グレーテルとガルムは、エメロードの予想通りヘイに付き添われ沈みゆく国を脱出した

「ああ、その時は俺もグレーテルも生き残るために必死にテラーや魔獣と・・・母上と戦ったからよ・・・かなりギリギリだった護衛もほぼ全滅してよ・・・多分クルミを守りながらだったら死んでた」

彼は、ヴラドはその能力で次々と人々を・・・自らの意思で人間たちを魔族側に寝返らせること

そしてそれが魔王が何故、恐れられているかの答え

ぐるみちゃんが言うには

恐らくエメロードさんはもう心の髄まで魔王に心酔しきってる

死ななければ、戻らない・・・と言っていた

その話を聞いて、僕らの沈黙が漂う

それもそうだ

・・・実の母親が、自らの欲望のために敵に寝返ってたなんて

どんな声をかけていいのかわかない

「んーと・・・・たいえきさん?」

「なあちゃん辺りには、まだ早い内容が多々あったね・・・」

希歳さんとかミコちゃんとかは、一部話が理解しずらい部分もあたったらしい

そういえば、この話はグレーテルさんとガルムさんも知ってたんだよな

「グレーテルさんとガルムさんも知ってたんですね」

「ああ・・・まあな」

だけど・・・ガルムさんは歯切れの悪い返事した

それは・・・

「でもよ、グレーテルの方はまだ半分母親を取り戻せると信じてるみてぇでよ・・・」

「そこが・・・姉様のいいとこだ」

グレーテルさんが、そのエメロードさんをまだ説得できると思っていることらしい

僕達には、実際にその程度がわからないが

ぐるみちゃんとガルムさん・・・当の本人たちが戻ることは不可能だろうと言ってる

そう諦めのようなものを感じていた

・・・隣の姫ちゃんは、なにか言いたげだった

気持ちはわかる、だけど今は情報がまだ少ないからなんとも言えない

「みんな・・・母上の身勝手で迷惑をかけてすまない」

「みんな・・・どうか姉様を取り戻すため・・・・力を・・・貸してほしい」

そして、ぐるみはそう深々と頭を下げた

姉、グレーテルさんを絶対に助けたい

そう強い意思が感じられた

「ぐるみん・・・・」

「そんなの、あったりまえじゃん!ぐるみんは大切な友達だよ」

「66小隊はみんなの居場所・・・・そこにはぐるみちゃんだって・・・」

「当然いるよ」

僕たちは、当然

力を貸すこと選ぶ

友達が困っていたら、助けるのが親友だ

「兄様・・・よーこ」

ぐるみは、顔を上げて

大好きな仲間達の言葉に

頬にちょっと涙目になって嬉しそうに喜ぶ

「そーだぜ、俺らのせいじゃねーんだから、ブスがもっとブスになるぞ」

ガルムは、またもやぐるみちゃんを茶化す

「(# ゜Д゜)ビキビキ」

「いってーーーー!」

怒ったぐるみに足を踏まれて、思わず悶絶するガルム

だから、そういうのが嫌われるんだけどな

「なんや、すっかり私のポジション奪われてしもうたわ」

リューさんは、呆れ半分少し寂しそう

なにか、思うとこでもあるのだろうか?

「で、話はまだ続くが姉様を連れ去った理由・・・ぐるみは知らないがガルムなら知ってる」

そうだった、今はそれが一番重要な情報だ

「それは多分グレーテルを闇に引き込むつもりだと思うぜ」

さらに、ガルムさんの話ではこういうことらしい

長年、母エメロードと妹クルミの行方を追っていたグレーテルとガルムは

その日は、壊滅してしまったバルト公国の女性騎士団の生き残りの女騎士隊員三人と出会って連絡をとりあっていた時だった

その時、見てしまった

母エメロード・メロディを、こちらに近づいてくるのを・・・

二人は、女性隊員に押し込めれそっと物陰に隠れて様子をうかがう

すぐに女性隊員とエメロードは戦闘に入った

そして、エメロードは一人の女性隊員に近づき・・・

なにかの闇の魔力をその女性に纏わせた

女性隊員の彼女は、バルト公国が健在なころはエメロードを強く慕っており

エメロードと同じく一度は魔王軍につかまり子を産まされた境遇でもある

二人は境遇ゆえ仲が良く、親友のようだった

だが、エメロードにその闇を注入されたとたん

彼女は、しばらく苦しんだ後

その刃を仲間たちに向けたのだった

彼女がすぐに闇に堕ちたのは、魔族の体液を浴びたせいもあるだろう

そして、その光景を二人はただ物陰から見ることしかできなかった

そう、エメロードは恐ろしい考え方を持っていた

裏切った自らの仲間に殺される様を見るのを、至上の快楽としていた

つまり、こういうことだ

グレーテルさんを闇に堕としこちらの戦力とし、僕達と戦わせ

その苦しむ様を見物する

自らの仲間をどんどん増やすと同時に、その元の仲間を殺させる

それが彼女のやり方だった・・・

「でもどうやって?グレーテルは魔王に接触はしてないのに」

青龍君とトラちゃんの疑問ももっともだ

グレーテルさんは、魔族と直接肌が触れ合う機会はなかったはずだ

それでどうやって闇に堕とすのか

「それがそうでもない」

「グレーテルには、片方魔族の魔力があるだろ?それはつまり魔王の体液が体に入ってると同じなんだぜ」

うひぁ~

精子レベルで狂暴だということか、魔王の力ってやつは

「ちなみにぐるみが狙われなかったのは・・・魔王の魔力分が弱いことと・・・・それに弱いから大した戦力にならんからだろうな」

「でも、まだ子供で少ししか闇が入ってないグレーテルを堕とすのはかなり時間がかかる」

通常、闇に堕ちる侵攻速度は年齢が熟していればいるほど早くなるし魔王の声も聞こえやすくなる

大体、18歳後から聞きやすくなる

まだ子供のグレーテルさんは、時間をかけて洗脳するしかない

「だから、じっくり時間かけて効率よく洗脳できるようななんらかの機械装置があるとこにグレーテルはいる」

なるほど、洗脳するための大掛かりな機械があるとこにグレーテルはいる可能性があるのか

そこで、鳳凰君は気づいた

「あ、それなら調べたことがありますエンジェルグループの本社には、人を洗脳する装置があるって」

「じゃあグレーテルさんもそこにいる可能性は低くはないということか」

やっと、グレーテルさんがどこにいるのか見当がついて

一同は、とりあえずほっとする

まだ問題は山積みだが

棘ちゃんとグレーテルさんが一緒の場所にいることは、こちらにとってもまたとないチャンスだ

そんなとき、佐野さんが机をたたいて拳を握り苦悩する

「鳳凰君も古木さんもそんなに苦悩していたんだて・・・・それに気づけなかったんて俺は・・・生徒会員失格だ」

本当に、佐野さんって責任感や正義感の強い人だな

「だから気にしすぎですよりっくん、みなさんからもなにか言ってあげてください」

佐野さんのそれを正せるのは愛乃さんしかいないだろう

二人の信頼関係の強さがうかがえるね

「フン、難しことは必要ない要は俺様の女グレーテルを力づくで奪い返せばいいのだろう」

愛熊さんが、どや顔でそういう

そういえば、今までおとなしく話聞いてたんだ珍しい

「愛熊はポジティプやなー、というかよく今ままで出しゃばらんでおとなしゅうしとったな」

「ふ、俺がかっこよく締めてやろうと思ってな・・・フハハハハハ!」

愛熊は、いつも通り高笑いする

グレーテルさんが自分たちを裏切るはずがないだろう?そういったような顔だ

「まあ・・・雰囲気が明るくはなったな」

ジャグラーさんが、愛熊に半場同意してその場はお開きになった

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