第二章 第十一話 「いつもの三人、そしてもう一人の浄化能力者」
ベルは灰姫の夢幻の魔力をサポーとを受け
ベルはとにかく灰姫から無限に湧いてくる魔力を利用して重傷な傷でも何度も回復魔法で瞬時に直していく大魔法や力まかせに魔力の塊を剣にのせてたたきつける攻撃をしていく
二人とも音速のスピードでのぶつかり合い
そのぶつかり合う力は、武器のぶつかった余波の衝撃だけで部屋を揺らし周りの壁や置物を破壊していく
目で追うのがやっとだった
戦況は、ベルが押していた
「ほう、やるなそれが噂に聞いていた夢幻の魔力か・・・」
「ではこちらも本気を出すとしよう、100%中の100%だ!」
そういうとズーテイラーは、先ほどぐるみの拘束をとき姫乃たちを倒したときのよう全身の筋肉が隆起しどす黒い魔力のオーラをその身に纏った
ふむ・・・少々厄介な能力だ・・・
ズーテイラーは思案していた、確かにさすが元勇者の使うスキルだけあって超強力だ
だが、どんなものにも必ず弱点はある、それを見つければ・・・
・・・むあれは・・・?
「ベル~|頑張って~」
ベルの弱点はないかと辺りを見回してみていたズータイラーは何かを見つけた
見ると灰姫は、子供のように無邪気に手を振っていた
まったくの無防備と胃って言うほどその身を晒していた
「・・・ふ、見つけたぞ勇者殿の弱み」
灰姫は、無限の魔力をベルに与えてる最中はその場から動けず無防備になる
それは灰姫に課せられた、そういう条件だった
夢幻の魔力とて無敵ではない弱点はあるということだ
とっさに無防備の灰姫をかばって、ベルは水属性の切断系魔法攻撃を足首に受けてしまった
「灰姫!・・・ぐ、しまった足の腱がっ!・・・時間がかるな」
「私は魔法でも、とりわけ水魔法が得意でね」
「このように、高圧の水はなんでも切断できるのさ」
「大丈夫!ベル大変だよ~」
先ほどの攻撃でベルは足首の腱を切ってしまった、当然走ることが難しくなるし
人体の複雑な筋肉の集合である「足の腱」はすぐには回復が難しい
「それに、本人だって四肢の欠損の回復には膨大な魔力や時間・高度な魔法陣・魔言が必要になるしし頭部や心臓を壊されれば回復はできまい、そういう弱点は漫画によくある」
人体の欠損の魔法での回復は理論上は可能でも、通常ならば不可能に近い
だが、ベルならこの世界にいる十本の指に入る魔法量と窓、それと無限の魔力を持っているので時間をかければ可能だが
そんな時間を待っている間にやられてしまう
「そして、魔力を一度に放出する量は私の方が大きい」
それに魔力の窓がズーテイラーの方が大きいため、押し負けてしまう
人はその鍛錬(気合やコンデイションによって増減する)の度合いで一度にだせる魔力の量は決まっている
ゆえにいくらベルが無限の魔力を得ていても、相手の魔力の窓が上回っていれば気を抜けば必然と一気に、一瞬の死亡だ
「小学生でも分かる解説だよね」
灰姫は、こんな状況にも関わらずのんきにッ実況しあっけらかんとしていた
「しかし、ちまちまダメージを与えていけばそのうち回復が出来なくなるが・・・このままでは埒が明かんな」
そう言うと、ズーテイラーは、指を鳴らし自分緒の配下である動物たちを瞬時に召喚した
多分・・・その動物たちに俺や灰姫を攻撃して一気に戦局を有利するするつもりだ・・・
さらに、ズーテイラーの、今まで受けていた傷が・・・
一瞬で回復した
その時に、ズーの周りに動物や壁から黒い魔力みたいなものが彼に集まっていた
「一人で十分じゃなかったのか?」
それに・・・そっちも回復する方法があったのかクソッ
「おや、そんなこと言ったかな?・・・君もチートを使ってるからお相子様さ」
「さあ、行けお前たち」
「いっとくけどね、ベルは君如きに負けたりしないよ、だって天使たる僕が選んだ主人公さ負けるはずがないね」
「生意気なお嬢さんだ」
灰姫の自信満々な独自をよそに
ズーテイラーがそう言って、動物たちは二人に攻撃し始める
当然、俺は灰姫とそれとメロンちゃんを守りながらズーテイラーとも戦っていた
ズーテイラー一人ならば、流れ弾や不意打ちを受けてもメロンちゃんはジョージと翡翠さんがしっかり守ってるから心配はいらなかったが、相手もそんな甘くない
「そう来たかだがジョージ、裏切りは許されない」
翡翠とジョージは魔力防御を展開させ、こっちは任せてくれと言わばかりの表情だ
「ジョージ・・・翡翠ちゃん、ごめんなさい本当にありがとう・・・・・でも無理しないで」」
メロンちゃんは心の中で自分の無力感に唇をかみしめていた
2回もみんなの足手まといに
私にもっと力があればみんなをパパをママを・・・無力な子供でいること悔やむんだ
「うきっ・・・・うきうきうきうき!」
「もうやめるぽよ!君たちは自由に生きていいぽよ!」
「パオォーン!」
「グガオォーー!」
かろうじでジョージが魔法防御で攻撃からメロンちゃんを守っていた
そして、ジョージはかつての仲間たちに呼びかけてるようだった
もうズーテイラーに従う必要はないんだ!俺達は自由に生きるんだ!・・・と
ジョージは白い歯を光らせて大丈夫!と言ってるようだった
でもピンチであることに変わりない、この状況このまままでは現状維持すらままならない
みんなで束になっても勝てない、絶望しかない状況だけど
さっきのあれ・・・ズーテイラーは確実にアレを使って魔力を補充していた
まだだ!・・・・まだ奥の手が残されてる
姫ちゃんも察して頷く
「姫ちゃん・・・」
「みんな、ベルさん少しの時間でいいから時間を稼いでください、すぐ終わらせます!」
「わかった!時間稼ぎとかが66小隊は得意!」
「はは、もう・・さっき聞いたよ」
66小隊の後ろ向きなのか前向きなのかわからないいギャグ?に姫乃も思わず苦笑すしてしまった
「結締さん・・・わかった!君に全て託すぞ!」
ベルさんは姫ちゃんに賭けることにした
僕達も今やれる精一杯で、やろう
「まだだ!まだ終わってないぞ、僕達が相手だ!」
「こっちは任せてくれ、ベルさん!」
66小隊だけじゃない、選も緑花も華花もみんなダメージを気合で振るい立たせて、立ち上がる
みんなもうかなりのダメージを受けてるけど
例え99%負ける戦いでも、一%も成功するじゃんといって諦めないのが白いツバサの彼らだ
「ええい何をしている貴様ら!さっさと邪魔な猿と蝙蝠如きを消してしまえ!使えない奴らめ」
「お前の相手は俺だ!」
「お前、実は本当は昔みたいに人間の奴隷が欲しいけどそうやって動物たちに代わりをさせてストレスを発散してるにすぎないんだ」
「ええい!貴様に何がわかる!」
ここにきて、ズーテイラーははじめて苛立ちや怒りの感情をあらわにしたような気がした
ズーは冷静さを欠いて、ベルにくぎ付けになってしまっていた
ここに来て、太郎君たちの煽りスキルが役に立ったな!
「えーベル、僕の知らない間に面白い事覚えてんじゃん」
灰姫もベルの変化を嬉しそうに見ていた
「お願い・・・精霊さん答えて!」
姫乃は、魔言の書かれた魔導書を片手に地面に魔法陣を描いていく
この世界に「同じ人がいる」ということはこの世界でもあの力は精霊がもたらしているもののはずだ
滑らかに、祈るように、一筆一筆にみんなを助けたいと思いを込めながら
書いてる最中、姫乃は気づいた
「ウオォーン!」
みんなの攻撃で相手の動物たちは、血を流し涙を流していた
荒れに似たのをマギクスで見た、魔獣だ・・・もしかしたら仕組みは同じかもしれない
いくらこちらを殺そうとしているとはいえ、それは彼らの意思じゃない
今の状況では、向かってくる動物たちを最終的にその命を奪わなければ、やられるのは私達でそれが精いっぱいだった
こういう時、なあちゃんがいてくれれば・・・
いやなあちゃんだったらどうするだろう、ううん考えるまでもない
きっとこうする、こういうだろう・・・
その時、白き妖精は姫乃のことを・・・
そして意外な方向から声がした、姫乃が思ったこととそっくりそのままの言葉を携えて
「まってダメなの!どうにかして助けてあげたいの、動物さんたちも助けたいの!」
そうだ、そこにいたのは未利と、啓区となあちゃんの、いつもの三人だった
確か二人はニャモメ団ってとこに所属してて飛空艇で各地を見て話待ってたはずだけど・・・
「あー!思い出したぽよよ、三人は確か姫乃の友達だったぽよ!」
「なあちゃん・・・・・それに啓区に未利も!二人ともどうして・・・ここに」
「えっとね、実はねここにくまでに沢山の部屋をダーって真っ直ぐ行って、オリガヌさんがなあたちの邪魔をしてきたの!」
ちょっとわかりにくいけどだいたい分かった
三人は私たちのようなジョージのショットカット裏ルートを使わず正攻法でここまで攻略して来て
衝撃の事実だけど、途中で三体目のオリガヌが現れて足止めを食らっていた・・・と
それでも追いついちゃうんだからほんと凄いよ
「って今はそんなことどうでもいいでしょ、土産話は後にして・・今は動物とズーテイラーをなんとかするのが先でしょ」
「手を貸すよー姫ちゃん」
「っ・・・三人とも!ありがとう・・来てくれて・・・」
姫乃は、意外すぎる友人との再会に半分涙半分笑顔の状態だった
あのときから、ずっと最初から傍に居続けてくれたんだもん、そりゃ泣くよ
「へっちょっと遅すぎんぜお前ら」
「遅れた分はしっかり働いてくださいね」
「分かってるわよ、華花も言うようになったじゃん」
私と選びと緑花と修君と啓区となあちゃんと未利と、そして翡翠ちゃんと琥珀ちゃん
みんなが揃えばも私達に怖いものはないなんでもできそうな気がする
だってこんなにも素敵な友達がいるんだん
そして、その横ではぐるみちゃん達となあちゃんたちが再開の喜びを分かち合っていた
「ぐるみちゃんたち、いつのまに仲良くなったの」
「ふふ・・・兄さま・・・ちょっとあってな」
「啓区君心配したよーとっくの昔に他のプレイヤーにやられたかと思ってたー」
「君も無事でよかったよー、あ飴食べるー」
「なあちゃんまたあったぽよ!うれしいぽよ」
「なあも嬉しいなの!・・・あとは動物さんを助けるの!」
そして、翡翠とハイタッチした後強い意志を持った瞳で動物たちと向き合う
魔言を唱え始める、その色は虹色の音符の形をした魔力の塊が宙に漂う
ベルや太郎たちは知らない色だった
だけど姫乃たちは知っていた、そうあれは・・・
「クエ―エルカノン」
なあちゃんが魔法を発動した瞬間、動物たちから、動物たちを操ってたと思わせる闇が体から抜け
動物たちは生まれ変わった
クエ―エルカノンは憑魔に取り付かれた動物を、新たな命として生まれ変わらせる魔法
まばゆいい白銀の体を輝かせながら、動物たちは完全に自由な存在となった
だけど、悪い知らせもある
なあちゃんと立戦ってる間ずっとズーテイラーとベルは戦ってたが
「まずい!すまない姫乃さん・・・灰姫の封印は時間制限があってこれ以上は出せない」
「ベルさん大丈夫ですあとは、今度は私達がベルさんを守ってみせます」
そうだ、これ以上は長時間顕現させたままでいると灰姫の封印が完全に解かれてしまう
だけど、大人として姫乃さんたちに頼ってばかりではだめだ、今は自分のできることを
「じゃあね~ベルまた待ってるよ」
灰姫は先ほどのようなまばゆい光に包まれ、紫姫と交代した
今度は灰姫とは対象的に炎と水が合わさって毒々しい紫色の光と共に紫姫はでてきていた
「相変わらず軽いお姉ちゃんだわ」
戻ったばかりの紫姫はそうあきれて言う
そして、なあちゃんのクエ―エルカノンをみて驚いたズーテイラーは焦っていた
「ばかな!あり得ん、そのような魔法は見たことも聞いたこともない!」
「結締姫乃貴様はいったい?」
ズーテイラーは姫乃に問いかけながら、姫乃に狙いをしぼり突撃していく
だけど、姫乃以外のみんながズーテイラーにどんだけ倒されようとその動き止めようと立ちふさがった
姫乃のチャージの時間を稼ぐため
「夢幻の力のない貴様如きに!」
「夢幻の力が無くてもできることがある、俺は異世界でそれに気づいた!」
ベルはズーテイラーに向かって剣を突き立てる
差し違える気かと!とズーテイラは右手のステッキで防ぎ左手の魔力で撃つというベルを確実に殺せる迎撃体勢をとるが
違った、ベルはズーテイラと接触する寸前で剣を投げ捨てて、空手の構えをとった
「何!?」
当然右手のステッキで弾かれる、ステッキの動作を殺して空手でやるつもりか、だがまだ左手の魔力がある
狙いはそれじゃなかった、ベルの背後から紫姫が現れ
なんとベルを毒に包んだ
そしてそのまま体当たりをした
当然、ズーテイラーは左手の魔力を放ったが、毒に強固な魔力防御がプラスされていた
そしてズーテイラーは咄嗟に後ろに身を引いたもの毒をもろに食らって動きが鈍くなる
ズーテイラー自身はちゃんと紫姫の毒を警戒していた、実力差が開きすぎてるため普通だたっら絶対に当たることのない
だがベルと紫姫は、紫姫を翡翠と琥珀の透明化魔法で隠しながら接近して、この中で一番ズーテイラーに攻撃を当てれるベルに毒をぶっかけて体当たりさせ確実に足を止める作戦だった
相手が冷静でなかったのも運がよかった
「貴様ら、拾ってやった恩も忘れ私の邪魔をするか」
さらに先ほど、なあちゃんが説得した動物たちも姫乃たちに加勢した
「私は、結締姫乃です・・・この世界に生きるちっぽけで小さな一つの命で普通の中学生です」
「ズーテイラーさん、人や動物の命をもてあそぶあなたは許せません!」
ズーの問いかけにそう姫乃は啖呵を切って見せた
あ、さっきの姫ちゃんちょっと本気で怒ってたよね
優しい姫ちゃんもああいうとこもあるんだな、こういうのは絵本じゃわからないよな
「みんな!今から一発でかいの放ちます!・・・多分・・契約完了したと思う・チャージがいるからそれまでお願い」
「あいよ!」
「これで21対一だ!」
「雑魚が増えたところで!」
「いきます!」
ズーテイラが―みんなを無理やり吹き飛ばし、姫乃にあと一歩と鼻の先まで来た時だった
「ミニ・スティール・フォール!」
みんなが吹き飛ばされるときベルが盾になって一人だけ動けた紫姫の
放ったその魔法が、ほんの一瞬姫乃の命を繋いだ
勝利への布石の、必殺技を撃つためのチャージが完了した
すでに魔導書に文字が浮き出て、契約は完了した
だけど、それでも失敗するかもしれないのが9割だ
それは、この世界のあれがどういうものか見ていないから
魔法の「容姿」のイメージがマギクスとは違う
想像しなきゃ、この世界の・・・容姿
本当の一発勝負・・・大丈夫やれる!
その名前は・・・
「ティア・ハート!」
「間に合った、あれが姫乃さん・・・・!」
姫乃のペンからまばゆいばかりの白い光が現れズーテイラーにむけて放たれた
そうそれは、マギクスで姫ちゃんが使った浄化能力の技だ
そう、ズーテイラーの倒し方・・・それは浄化能力「ティア・ハート」を使うことだった
実は、魔人は魔人のその力の源はこも世界にもある陰の気だった
そして、魔人は浄化能力の光を浴びると憑魔とは違い死に至る
では、なぜ浄化魔法を姫乃が使えたのか?
それは、この世界にも浄化能力者が存在したのだ
つまり、この世界でも姫乃たちがいたマギクスと根本的なシステムは同じで
違うのは、精霊に認められること
そしてそれはこの世界でも姫乃が浄化能力を使えることを精霊に土壇場で認められたのだ
「音海さん・・・と同じだね」
「うん、綺麗・・・私と同じうんちょっと違うけど鳥だ・・白いツバサをもった」
ちゃんと撃てた!
イメージしたのは、この世界に生きる動物や植物、自然をイメージした
なあちゃんがクエ―エルカノンでやったようなあの、綺麗な動物たちのようなティアハートをイメージした
そして狛犬先輩と大空先輩の必殺技クリアーハートだ
クリア―ハートは絵本に出てきた私のティアハートを参考にして二人で一歩一歩コツコツ作り上げた技らしい
二人の技の、あの綺麗なペンギンを私は白いツバサを持った鳥・・・ピナちゃんに変換した
「惜しかったな!その程度の浄化能力者はもう何人も殺してきたよ!」
だけど、ズーテイラは浄化能力の光に押されながらも健全なままだった
でも、今かなりのダメージを受けてるのは確かだった
あと少し、あと少し力があれば・・・
そして、姫乃の視界と隣に先ほど階段から登ってきた見覚えのあるある少女がいた
確か、彼女は・・・
「・・・・・・一人でダメなら二人です!ティア・イグニス!」
なんと突然現れた隣の彼女も浄化魔法を放っていた
よくわからないけどもしかして、あの人は私と同じ浄化能力者で私達の味方のようだ
いける、二人でやればズーテイラーを倒せる!
「な、なに!・・・この攻撃はレミ・・・」
「ばかなあああああ!」
そして姫乃と現れた少女の放った浄化魔法は、ズーテイラーを飲み込み陰の気で構成されたッその体を消滅させようとする
まばゆいばかりの浄化能力の光がしだいに消えていく
本来、そこにズーテイラーがいたその場所には・・・
なにもなかった
「勝ったの・・・・?」
「・・・土壇場で精霊が姫ちゃんに力を貸したんだ」
「やった、勝ったよ姫ちゃん!」
「よっしゃ!どうだオリガヌ俺達にできねえことはねえぜ!」
ズーテイラーが完全にいなくなったと思われる、その空間には
みんなの歓喜の声が部屋中に響き渡る
信じられない・・・あの最強の種族と言われる魔人に
私達・・・勝ったんだ、一人だけじゃないみんなのちからで
姫乃の体からどっと力が抜けた、今まで気を張っていた分がきたのだ
ちょっとは、休憩してもいいよね
「姫ちゃん、お疲れ様・・・まだオリガヌがいるけどしばらく休んでいて」
だが
まだ終わっていなかった
「はあ、はあ!・・・いやはや、さすがに・・・今のは・・・・効いたねぇ」
「「な!?」」
声のした高台の方を向くと、ズーテイラがいた
生きていたのだ
だけど、確かに大ダメージは確実に受けていた
右腕とステッキは折れていて
全身、ボロボロで、額には大量の汗が流れ、呼吸は乱れて肩で息をしていた
先ほどの余裕の笑みは影も形もない
再び、部屋に緊張が走る
「嘘・・・」
「バケモンかよ、こいつ・・・」
「みんな、もう一回浄化能力で・・・」
この状況でも
みんな、武器を構えて戦う意思を見せていた
「おっとやめてくれたまえ・・・次食らったら今度こそ本当に死んでまうよ・・・・はぁ」
だがズーテイラーは、ため息をつきながら左腕でまてのポーズをとっていた
降参、まいったといわんばかりだ
「おめでとう・・・今回は君たちの勝ちということにしておこうゲームクリアだここを通るといい」
そう、ズーテイラーはわざとらしく拍手した
正直、そういわれても信用できないしそう言って後ろからだまし討ちする気なのではと思った
「だが、気おつけたまえ・・・オリガヌ君の怖さ戦闘力じゃない・・・忠告しておくよ」
「願わくばまた戦うことを祈って、では」
そういうと、ズーテイラーは願壁をすり抜けてどっかいってしまった
それは、つまり本当にこれ以上は戦う気はないことを意味していた
今度こそ本当にどどっと肩の力が抜ける
「二度会いたくないわよバカヤロー!」
「二度と会わんわクソボケ!」
「「あ」」
紫姫と未利は思わぬ台詞かぶりに、驚いて顔を見合わせた
それはおいといて、姫乃はあることに気付く
「そうだ・・・・それでそのあなたは確かゴーカートのとこにいた人の・・・お姉さん・・・ですか?」
さっき、姫乃を助けた浄化能力者の桃色の髪のゆるふわショートボブの少女は
確かに、最初の方でゴーカートで勝負した幼女に似てた、あるで姉妹のように瓜二つだった
「あ、えっと違います・・・その・・・本人です魔法で体を省エネモードにしてたのです!」
「え!あの幼女がこの可愛らしいお嬢さんと同じ人?」
その言葉にみんな驚いていた、まさか体の年齢を操作するなんて見たことも聞いたともない
ちなみにベルさんはふくれっ面の紫姫さんに足を踏まれ「いてっ」となっていた
「はい・・・で、でも今はそれは後で話します・・・今重要なことは」
「私、白いツバサの大ファンなんです!・・・その主人公の女の子が目の前にいるなんて感激です!ぜひささささサインをお願いします!」
「ええ?・・・えと、うんサインはあなたがよけれなぜひ・・・・それに年上だしそんなこしこまらなくても」
唐突に彼女は姫乃のファンだと言ってきた
あまりの気迫と輝かせた目に姫乃は引き気味だった
何故今!?
あまりにも強く言ってくれてるし、この人は本当に私のファンなんだろうな・・・
だけど私の代わりに翡翠ちゃんが話を戻してくれた
「じゃなくて!もう姫乃は押しに弱いぽよ・・・それであなたちのお名前と目的はなにぽよ?」
「あ、すいません・・・つい熱くなっちゃって」
「私の名前はグレーテル・メロディです」
グレーテル・メロディ・・・聞いたことない名だ、日本じゃない外国の人だってのは分かるけど
「私は・・・・・・・・・・・白と黒の両翼の政党の依頼で来ました、すでに市長とは話を付けてあります、そしてベルさんに話たいことやってもらいたいことがあります、これも後で話します」
白と黒の両翼!?・・・確か斑鳩会館の事件を起こした佐藤勝さんもそこの党員だって行っていた
確か、政府発表では過激派政党だって言っていたけど
この人・・・そんな組織に関わる人には見えない・・・
「・・・・・・わかった、俺もちょうど白と黒の両翼を探してたんだ、それは後でじっくり話しあおう」
・・・そういえばベルさん、佐藤さんに必ずなんとかすると行っていたな、それ関係かもしれない
「公務員が政治と関わりをもったらいけないんですけどね」
「じゃあ、グレーテルさんは・・・?」
どういうこだろう、見た感じまだ学生の年齢に見えるけど
「私は、公安学生の生徒としてズーテイラーの身辺調査に来てたんですこの二人と一緒に・・・」
この人公安学生だったのか
聞いたことがある、本土の方には金持ちや政治家の子供・皇族・上流階級のエリートの卵がが通う学校があると
普通の学校のただの治安を守るお巡りさん程度な意味と警察的権限しかないガーディアン・アリスとは違って対テラー戦闘「も」こなしつつ魔人やテロ組織とか対人戦闘に特化した訓練が積まれて犯罪に対しより強い捜査権をもってるそれが通称ガーディアン・ガバメントって噂だった
「なるほど・・・ざっくばらんにいうとズーテイラーを監視するためにここにいたんだ」
「はい、そうです」
よく見ると少女の後ろには、かなりイケメンの青年が二人いた
「ん?俺はジャグラーよろしくな!女だろうが男だろうが関係ねえ、友達100人目指してるぜ!」
一人は、金髪と黒の学ランが特徴の胸にエックスの傷がある筋骨隆々の細マッチョなイケメンだ
そして、もう一人は、ベルと紫姫の知合いのヘイ・シーンだった
執事服を来た高身長の片方のもみあげが長い黒髪の金縁のメガネをかけた青年だった
「って!ヘイじゃないか!どうしてここに?」
「ほんとだわ!」
「久しぶりだな、ベルダットと灰姫・・・じゃない方か」
「んだよ、知り合いかよそれならそうと早く言えよ」
「お前は黙ってろ」
「んだとぉやるかおまえー!」
軽く説明するとヘイは、有名なハーフエルフの貴族の出で王女様の執事でよくあるベルのイケメンライバルで後半は一緒に旅をした仲だ
一瞬、ジャグラーとヘイの間に火花が散ったが、すぐヘイがあほらしいといわんばかりに体勢を変える
「そっちは変わりないようだ、別に興味はないが立ち直ったのか?」
「ま・・・そうでないと困るがなお前を倒すのは俺だ・・・忘れるな」
「そっちこそ、不愛想ななとこは変わってないな」
「ふっ・・」
ベルとヘイは互いに笑いあった
紫姫は「相変わらず変わってないわねこの男たちは」って感じで見つめていた
「・・・・・・・グレーテルにヘイ・・・・・そうか」
そんなやり取りを見つめる一つの影がいた、ぐるみだった
「ヘイ×ベル・・・いやベル×ヘイですカ?」
ついでにロボ子ちゃんも謎の興奮をしていた
「・・・はぁ・・ですが結局証拠を掴むことができず、このような大事件に・・・」
「姫乃さん・・・いいえ、ここにいる方全員に申し訳が立たないです・・・ごめんなさい」
「えっと、グレーテルさんのおかげで私たちはズーテイラーに勝ったんです、それに今は・・・」
「姫乃さん・・・ありがとうございます」
グレーテルさんは感激のあまりに深々とお辞儀をした
な、なんかやりにくい
「話はまとまったことだし、あとはオリガヌをぶっ飛ばして願壁を終わらせるだけだ、勝てる!」
「「えいえいおー!」」
みんなで手を上に突き上げ、音頭を取る
なんだかよくわからないけどドンドン仲間が増えてくるし、これなら勝てるきがする