第二章 第七話 「ウルルエルド、そして漢ジョージ」
俺はウルルを追うメロンちゃんを追いかけいたが完全に見失ってしまっていた
「くっ・・・メロンちゃんどこ行ったんだ?」
しばらく歩いたとこで俺は立ち尽くしてしまった
目の前には・・・ウルルがいた
「ウ、・・ルル・・」
「・・・・・」
ウルルは言葉を交わさず悲しそうな顔でこちらを見つめていた
そもそも彼女は・・・一生人目に姿を現さないと
そうあのとき言ったはずだ・・・
「ベルダット君、君はもう苦しまなくていいんだ」
「え・・・?」
ウルルは俺に向かって手を広げ近づいていく
「ベル・・・いた・・あ」
そして後方から紫姫と三島さんと小木さんがやってきていた
「あの人が・・・」
紫姫は二人が抱き合ってるのを見てがっくりと肩を落とした
心臓をわし掴みにされるような気持ちだった
彼、ベルは・・・彼女、ウルルを選ぶのだと
だけどすぐ、気を張ってそれが幻影であることを伝えようとするが・・・
「ベル聞いて!そいつは・・・・・・・・っ!?」
突如、空中から四角い物体が現れて陣形をとり透明な壁を形成してしまった
2~3回魔法を連射して破壊を試みるも、まるでびくともしなっかた
防音機能もあるのだろう、声も届かなかった
「勇者の責務から魔族との確執から・・・そしてなにより僕のせいで君を苦しませてしまった」
そう言ったウルルはベルダットを抱擁した
まるで物語に出てくる天使のようだった
「今までつらかったろう?だから逃げよう僕と一緒に」
「僕とベルダット君と僕の娘のメロンちゃんと三人で家族三人で幸せに暮らそう」
「ここで永遠に・・・」
ベルの瞳の色が消えかける
勇者としての責務も人間と魔族の確執、全部捨てて
ずっと心の中に描いていた俺とウルルと娘との幸せな結末
それが、今実現しようとしているのにどうして手放すことができようか・・・
「どうでもいいんだ、今のことなんて」
「?・・・あ・・れ」
違う・・・ウルルは・・・
なにかが違う気がする、彼女は・・・
彼女は自分たちだけが幸せでいいなんて無責任な女性じゃない!
そうだ、本当の彼女は父である魔王の村の人が兄弟たちが飢えて苦しまないよう人間たちと仲良くなれるよう努力をしたはずじゃないか
そもそもウルルがこの場に、メロンちゃんがいることをどうして知っていいる?
この人は・・・ウルルじゃない!
ベルの瞳の色が戻った
ウルルの手がベルダットの背中まで手が回った時だった
「だめ・・・ベルダット君・・・・・・・・・逃げて!」
突然ウルルは苦しそうに汗をかき顔に苦悶の表情を浮かべて
背中の手を戻そうとし震えていた
この瞬間だけは違和感が消えた、やっぱり本物・・・なのか?
「そう・・・じゃあここで死んで?」
「ベル!?」
「かはっ・・・・」
次の瞬間鋭利な剣がベルの腹を貫く・・・俺はウルルに刺されていた
一瞬の出来事でまったく反応できなかったが、なんとか紫姫のいるところまで後ろに跳躍し退いた
紫姫達も拘束をなんとか解きベルのもとへ駆けつける
刺したウルル・・・
いやウルルの形を偽った偽物は、到底あのウルルとも思えないような邪悪な笑みを浮かべながらゆっくりとたちあがって「あともうちょっとだったのにぃ」と言って楽しそうに笑いながら喋った
「あはぁ、最後にちょっと抵抗された時はほんとヒヤッとしたよぉ」
「あと別に心臓を貫いてベル君を殺さなかったのは、そっちの方が楽しいと思ったからだよ」
「ゲームをプレイする人を減らすような真似しないからね」
まるでゲームを楽しみたいという子供じみた理由でこんな悪趣味なことするのは
その酷い言葉は・・・姿形は似ていてもウルルから遠くかけ離れた存在であることは確かだった
それにこの声に口調どこかで・・・
!あの放送でこの惨事を始めたオリガヌという少女
「その声・・・もしかしてさっきのオリガヌという少女か!?」
「そうだよ」
彼女はあっさり答えた、いくら高等な幻術魔法でもここまで変えるのは他に例がない
とんでもない力を彼女はもってというのか
「ああ、それとぉメロンちゃんとかいう子は預かりましたぁ」
「あんたはオリガヌとかいうクソガキ!?それにあんたメロンちゃんをどうしたのよ!変な事したらただじゃ置かないわよ!」
黙って聞いててたらふざけたことしか言わないので業を煮やした紫姫が食って掛かる
「本当の姿を現して正々堂々と戦なさいよ卑怯者!」
「違うよ、私はみんなが面白いと思うゲームを見ていたいだけ」
霧の中から、誰かが近づいてきた、体格から見て男の人だ
「それに私と戦いたならぁまずはズーさんと戦って勝ってからにしてねぇ」
「ゲームマスターが戦ったら一般プレイヤーが可哀そうでしょ?いわゆるこのゲームのボスキャラよ、ラスボス」
近づいてくる男はその隣の緑色の空間にだれかを抱えていた、あれは女の子・・・いや、あの子は
「おっと動かないで貰えるかな?」
「メロン君は私が預かっているよ」
その四角い箱が形成した空間い入っていたのはメロンちゃんだった
そして、隣にいる男はズー園長だった
「あなたはズー園長なんですか?・・・これはいったいどいういうことですか?」
「いかにも、私が今回の騒動の首謀者だよ」
本当にズー園長が黒幕だったのか、だけど何故メロンちゃんを?
だがそんな突然の告白に驚いてる暇はなく自体は動いていく
「・・・うっ」
メロンンゃんが苦しみ始めた、体から汗が出ていて苦しそうに衰弱していた
「メロンちゃん!?・・・その子を今すぐ話せ!」
「できぬ相談だよ、安心したまえ仮にも魔王の娘の子供だ手荒な真似はしないさ」
「だけど、ほっといて土壇場で魔王の血が覚醒して逆転負けなんてマンガみたいな面白くない展開にはしたくないからね」
またまた、オリガヌと同様長い前置きを挟んでくるズーに紫姫が切れ気味に先を促す
「御託はどうでもいいわそっちのオリガヌはともかくあんたの目的はなんなの?その子をどうするつもり!」
「それに関しては私の幻術を打ち破った勇者様に免じてお話ししよう」
そうか、この霧と鏡の幻術空間を作ったのはオリガヌじゃなくてズー・テイラーだったのか
「まず私がこの遊園地を経営してる意味だが」
「それは、子供を集めるためですね」
「若い子供の純粋な心は「我が種族にとって」最高のごちそうなのだよ」
「今ではすかっかり廃れたしまったが、昔は国から定期的に生贄の子供を融通してもらっていた」
・・・聞いたことがある、「あの種族」は人に似た容姿をして少数の種族でありながら長寿・老化が遅くて常人の何倍の身体の能力・魔力・知性を持っていて
古代は一時的に大陸の半分を支配すまでに至ったまさに最強の種族、「魔人」
支配した地域で彼らは道楽でそれはそれは非道な仕打ちをしたらしい
彼らを恐れた人々は彼らに定期的に生贄の子供を差し出して彼らのご機嫌とりをした
だけどそんな彼らも一時的に残った国が連合を作って抵抗したことや現地の多数のレジスタンス、少数故の出生率の低さが相まって敗北し、今は全盛期のような権力も財も自分たち国もない
人里離れた場所で屋敷で貴族的な暮らしをしているにすぎなかった
「絶望に歪む心は最高に美味なディナーなのだよ、だからこの子を絶望させるために君たちを殺そう」
「私も欲しいのだよ、魔王の血族のそれも新鮮で潤沢な血が魔力が得られるだろうからねえ」
・・・ようするにこれは、この事件はこいつらの自分勝手な理由で引き起こされたというのか
「ようするに隣のオリガヌってやつと同じで道楽でこんなことしてるのね最低」
「道楽については否定しようがない、実際魔力を摂取できればなんでもいいんだかから」
「しかし、面白くないのだよ最高で崇高の種族である我が種族が」
こいつらは・・・こいつらは悪とか正義とかそんなんじゃない生まれ持っての上に立つ生物
この前の事件の首謀者である、自分の正義があって自分自身と必死に戦ってきた佐藤さんや新垣さんとは正反対のやつらだ
人間的な物差しでいいなら救いようのない純粋悪
「力を持った我ら種族魔人が何故我慢しなくてはならないのか?」
「ここは人間のルールが引かれた場所だ」
確かに魔人という種族はこの世界では少数で戦争をすれば大きな犠牲を払えば勝利することができる存在だ、だけど人間にも魔界にも属さない立場で圧倒的な力を持つ故
「彼らの領域と私たちの領域、分けてお互いに不干渉」の存在だ
彼の領域に足を踏み入れてしまったのなら国は動かない
しかし今ここは明らかに人間の領域で大量殺人を引き起こそうとしている
そうなったらあの種族と戦争の可能性もある
そんな疑問にオリガヌが口を挟んできた
「わかってないなぁ~、要は犯罪はバレなきゃいいんですよ」
「ああ、なるほど・・・つまりバレずさらに効率的に子供を集めるためにこの遊園地を作ったてわけね神隠しの噂にも納得がいく反吐が出るわぺっっ」
そう言うと紫姫オリガヌがいる当たりの地面に向かって中指を立てながら唾を吐きつけた
「実際唾はくなよ紫姫・・・中指もはしたないぞ」
だけど、これでようやくすべての合点がいった
この事件の首謀者はこの二人で
目的は、オリガヌは遊ぶため
ズー・テイラーは美味しい料理を食べるため
そしてこの空間は、誰一人と逃がすことなく殺し合い遊びの場にし子供たちを食すため・・・
「分かってくれたかな?さてだ・・・さっそくだがお喋りが嫌いな君たちの為に・・・」
「君たちをとっとと殺すことにしよう」
「やれるもんなら!」
「あなたたちは、許せない!」
オリガヌとズー、対峙するベルら4人らは武器を構えて向かい合う
恐らくズーらが戦闘に集中するためだろう段々と霧が晴れていく
完全い霧が晴れたとこで戦いの火ぶたが切って落とされた
「まずは前菜!ちなみにさっきの影達は動物の方はズー君ので、人型の方は私の駒ゾンビたちだよ!」
「我が僕のけだものたちよ!やれ」
先手を取ったのはオリガヌ達、あの霧の中に紛れ込ませていた影、その正体のズーやオリガヌの駒たるテラーのゾンビ兵が仕掛けてきた
ベル達4人は武器や魔法で雑魚どもを蹴散らしていく
部屋に轟音や激しい戦闘の余波が響く
当然メロンちゃんを捕えてる物体の中まで届いていた
「ベルパパ・・・紫姫ママ・・・」
「お願いジョージここから出して」
「ウキ・・・ウキィ」
いてもたってもいられなくなった私はジョージに懇願した
だけど、困惑した表情でジョージはズー・テイラーの方をチラッと見た
そして、その手に握られたステッキを見た瞬間
何かを思い出しかのように顔がそむけてメロンちゃんに対して首を振った
あれだ・・・きっとジョージはあの杖で酷いことをされたんだ
「あの人が怖いの?」
最初はジョージがズーさんの仲間で、だから私を誘拐したんだと思っていた
だけそ違う、さっきのを見て分かった
一緒にいた時間は短いけどジョージはきっとこんな悪い事するような子じゃない
「大丈夫、ジョージは私が守る」
ジョージがズーさんを怖がる
なら、私がジョージを守る
私だって守られてばかりではいけないと思う
思えば・・・太郎と音海といた時は私は守られてばかりだった
だから・・・今度は私は誰かを守ってみせる
そして、だって私はあんな辛そうな顔するジョージを助けたいと思うから
また、さっきの触れ合いコーナーの時みたいに笑い合っていたい
「ウキィ・・・・・ウキ!」
そして、そんなメロンちゃんの想いが通じたのだろうか?
ジョージがとった行動は・・・
「くそ数が多いな」
いっぽう4人は、予想より多い物量と強い敵の練度に苦戦していた
伊達に、今までこのゲームをバレずに隠し通してきたことはあるというわけだ
「雑魚は私達に任せて、ベル先生と紫姫さんはンメロンちゃんの救出を!」
「朝子・・・わかった!恩にきるわ」
このままでは埒が明かないので、雑魚は二人に任せて
少々無理をしてでもオリガヌとズー・テイラーのとこまで行くしかない
「すまない二人とも、だけど無理するなよ!」
ベルと紫姫は敵の包囲を突破するためいったん背中合わせになって互いの死角をカバーしあう
「だけどその前に」
「紫姫ごめん!・・・そのさっきのこと・・・いやもっと前のことだ!」
突然いきなり謝られてもなんのことか分からず慌てる紫姫だけどさっきのっという単語で理解してしまった
先ほどのウルルという存在
私が灰姫であった時にできた仲間で恋人で、ベルの大切な人
「ベル!?いきなりなにを・・・あ」
「今言うことじゃないのは分かってるけど・・・ほんとはここをでてすぐ言おうと思ったんだけど」
「でも!今言わないとダメなんだ!・・・ずっと考えてたんだ」
「まずウルルの事を言わなかったのは・・・全部俺の心が弱かったからだ」
「一時の性欲に溺れ後先考えず子供を作って・・・」
「その結果が今のメロンちゃんの孤独だ」
「だから・・・俺は仲間に・・・紫姫に嫌われるのが怖かったんだ」
「仲間に隠し事をしたせいで俺も紫姫も66小隊のみんなんも・・・・メロンちゃんも」
「俺は最低な男だ・・・なんと言われようと構わない」
「だけどウルルやメロンちゃんだけじゃない・・・」
「紫姫だって、俺の大切な人だ!」
「だから、絶対に守って見せる・・・紫姫を、ここにいるみんなを」
「これでも感謝してるんだ・・・10年間俺の心を慰めてくれて」
「ベル・・・うん!」
紫姫は嬉しそうに頷く
そして、それを見ていた朝子と玲がにやにやと茶化してきた
「お二人さんお熱いね~見てるこっちが恥ずかしくなるわ」
「い、今のは忘れなさい忘れてよ!」
オリガヌはあきれた様子で溜息をついていた
「はぁ~くっさい強制イベントにわざわざ待ってあげてるこっちの身にもなってよねぇ」
俺と紫姫は少し被弾しながらメロンちゃんとズー・テイラーの前まで一気に距離を詰める
だが、その間にオリガヌが入り込みゆく手を邪魔しようとしてきた
「紫姫いくぞ!」
「ええ!」
「おっとぉ・・・ここは通さない!君は僕置いて先にいくんだ!ってね♡」
そしていかにもわざとらしい口調と手振りで漫画みたいな台詞を喋っていた
「はぁ、あんた、自分を倒す前にズーを倒せっていったわよね?」
「お邪魔しないとはいってないよぉ」
ようするに邪魔しないとは言ってないわけだ、ただのお邪魔キャラね
「ベル、こいつは私に任せて先に言って・・・ていうか私にやらせて」
「・・・でも」
いちいちこんな奴に付き合ってられないし、なにより喋ることなすこ鼻につくのよねぶっ飛ばしたい
「オリガヌなんて私一人で十分よ、今の私は無敵よ!」
「分かった!でも無理だけはするなよ」
「それだけじゃないんだ・・なんだかあいつまだ何か隠してるんじゃないかと思うんだ」
「うん、わかってる」
そう言うとベルはオリガヌを無視してズー・テイラーまで走って向かう
こっちの狙いに気が付いたオリガヌが使い魔の人形をベルの方へ向かわせて妨害しようとする
オリガヌの隣から使い魔の人形が放たれる
「目の前で相談するなんてお馬鹿さん!」
俺はオリガヌの一回倒してぶっ壊した手下の人形の頭部を相手に向けた
すると、オリガヌの使い魔は攻撃をやめてしまった
そう、囲まれて戦ってる時に気が付いたのだがこいつらは絶対に味方を誤射しないのだ
そしてそのまま持っていた頭部を使い魔にぶつけて倒すことに成功した
「へぇ・・・やるじゃない」
「ずる賢いのは君だけじゃない、俺も太郎君たちに毒されててね!」
俺はそのままズー・テイラーののとこまで来て、速攻で一気に攻撃けしかけ無力化しようとした
「ズー・テイラー、メロンちゃんを返せ!そしてこんなことは辞めろ!」
「嫌だ、と言ったらどしますか?」
しかしベルの振りかざした剣はズー・テイラーの持つ杖によって力を受け流され弾かれた
「力づくでいく、昔からそうしてきた」
「ふふ、良いでしょう!あなたのような人嫌いではありませんよ」
俺はもはや話し合いは不要と言わんばかりに、二手三手と攻撃の手を緩めず連続で切り結んでいく
そしてそのままベルとズー・テイラーの激しい戦闘が続いていく中・・・
「ウキ!」
「ジョージ・・・ありがとう」
ジョージはメロンちゃんをここから逃がそうとしていた
ジョージが私を拘束してる物体に魔力でできた鍵を差し込んだ
そして私は拘束がとけたことで空中から地面に着地した
「このまま、怜ちゃんの所まで・・・」
今ならオリガヌさんもズーさんも戦いに夢中で気づかないはず
このまま、せめて戦ってる4人の邪魔にならないようよう部屋の朝子ちゃんと玲ちゃんのとこまで一気に行こうとみんなの目を盗みながら走るが・・・
メロンちゃんの傍にカメラレンズが付いた四角い物体がいることに一人と一匹は気づいてなかった
だが、オリガヌに気づかれてしまった
「あ!・・・ズー園長、籠の小鳥が逃げてしまったよ♪・・クスクス」
「「!?」」
「メロンちゃん、何故そんなとこに自力で脱出したのか!?」
「ジョージめ・・・裏切ったのか」
ズー・テイラーは仲間の裏切りがあったのに冷静だった、いや表面上冷静の様で声色から読みとれるように怒りの感情を抱いてるのかもしれない
もしかしたらジョージの事を仲間とも思ってなかったのかもしれない
「私を裏切るということがどういうことか分かっているのかね?拾ってやった恩も忘れて」
「お前の家族や仲間のように抵抗して死んでいった物のようにお前もなりたいのかね」
ジョージの足が竦む、遊園地ができる前森の中で群れでで平和に暮らしていた彼だったが・・・
家族を仲間を「狩り遊び」「害獣駆除」の名目で惨殺されていく光景がジョージの頭に蘇っていく
「させない!ジョージは私が守る!」
「・・・キィ」
完全に動きが止まって動けなくなったしまったジョージを
メロンちゃんは抱き上げて抱えたまま走った
そしてその時メロンちゃんに守られてる気が付いたジョージの萎えていた覇気が戻ったような気がした
メロンちゃんの成長を肌で感じて嬉しくなりつつも、すぐさまベルがメロンちゃんのフォローに入る
「そうだ!ズー・テイラーその前に俺がいることを忘れるな!お前の相手は俺だ」
ズー・テイラーは軽く舌打ちし、再びベルとの戦闘に入った
「残念!メロンちゃんおとなしく捕まっててよも~」
しかし、走ってメロンちゃんの前に、オリガヌが現れたのだ
「な、・・そんなとこにもう一人のオリガヌですって!?」
これは、どういうことなのよ
当然、現在紫姫と戦ってるオリガヌはちゃんと目の前にいるし
見たとこ生気があって幻術やロボットの類でもないと思う
同じ人間が二人も同時も存在するなんて一体どうやったらこんな手品みたいなことができるのか
「メロンちゃん!?ここからじゃ間に合わないじゃん!」
一体目のオリガヌと戦ってる紫姫も無数にいる雑魚と戦ってる三年生の二人も敵の妨害と距離が離れてるせいで助けに行けなかった
オリガヌがメロンちゃんの命を刈り取ろうと武器を振るう
もはや絶体絶命・・・これまでかと思われたが・・・
「ウキいいい!」
メロンちゃんの腕の中から飛び降りて、メロンちゃんの前に立ったジョージは
白い透明な盾をかたどった防御魔法を展開させ、オリガヌの攻撃を防いでくれたのだ
ジョージが決心してくれたのだ
ジョージは確かに今でもズー・テイラーを恐れている
だけど男して、いや雄猿として女の子にかっこ悪い姿は見せられないといわんばかりの覇気だ
あとジョージってお猿さんだけど魔法使えたんだ・・・
「ちょっと魔法が使えるくらいのお猿さんじゃあねえ」
オリガヌはこの状況を予見していたのか特に表情を変えることなく、冷静に2撃目を放とうとするが
ジョージは目を開けてられないほどの眩しいくらいの光を白い歯からだした
閃光を放つ目くらましの魔法だ
「目くらましの魔法?・・・だけどそんな魔法を使ったとこで正面からは逃げられないよ」
オリガヌは意に介さずそのままの勢いで剣を振り下ろすが、そこに二人の姿はなかった
「ありゃりゃ、どこいったのぉ?」
消えた二人は意外な場所にいた、それは鏡の壁の一部のガラスになってるとこを回転させると隣の部屋にいけるようになていたのだ
そうだ、ジョージは三島と小木がいる正面でもなく紫姫とベルのいる後ろでもなく横にあった壁に行った
ゲームに有りがちな壁抜けをしたのだ
「何!?そんなとこから?・・・いや、そうなるのも当然か・・・チッ」
「そうか!ここにずっといてズーの傍にいたジョージは当然ここの内部構造も全部わかってるはずだ!」
そうこれは何年間もズー・テイラーのずっと傍らにいたジョージだからできたことだった
「狛犬や結締さんのとこに行けばいいわ、それとエテ公メロンちゃんのこと頼んだわよ!」
「二人とも!俺達に気にせず行くんだ・・パパとママは絶対に勝つから!」
「うん!」
「ウキ~」
二人からの励ましをもらい、二人は隠し通路から逃げていった
「里瑠君とジョージのせいでうまく逃げおおせてしまったか遊び心で作った仕掛けが仇になったな、捕まるのは時間の問題だがな」
「・・・くくっそうでなくては面白くない」
「さあさあ君たち、あの二人を追ってねぇ」
オリガヌの指示でこの部屋にいる二人の手下である動物やテラーが二人を探して捕らえる為に一斉に扉の方に動いて移動し始めた
だけど仮にここにいる雑魚程度なら狛犬君たちでも問題ない
よし!あの子達なら絶対にメロンちゃんを守りきれるだろう
そして三島さんと小木さんがベルと紫姫のとこまで合流した
後は・・・
こいつら、をどうするかだ
追いかける雑魚を全部は倒せないし、下手したら後ろから撃たれる可能性もある
だったら、狛犬君たちでも倒せる雑魚はほっといて4人でこの得体のしれない力を持っているこの二人を集中して攻略するのが先だ
「まずは速攻でお前たちを倒してからだ!」
「倒されるのは君たちだよ、君たちはまだ我らの種族の本当の力を知らないようだ」
「ていうか、ゲームはこれからっしょ」
人質という切り札を失ったにも関わらず二人は余裕の笑みを浮かべていた
「じゃあ、私メロンちゃんとちょっと遊んでくるね」
「くく、そうかい」
4人と二人の戦いはよりいっそう激しさを増していくが
オリガヌは小声で不気味なことをいったのを、ここにいる4人は知る由もなかった




