陽冬美
陽冬美
12月21日 誕生日
B型
高校1年生
年齢16歳
好きなことは読書
イタズラ好き
弱気で内気な性格
少し、料理は苦手
頑張り屋
全身に違和感を感じ、僕は重い瞼を開けると脇腹や首をくすぐる妹、陽冬美の姿がぼんやり目に入る。
またか……
気にせず目を閉じる。 しかし痛くはないのだがそこまでくすぐったいこともないが気になってしまう。
「こんどはこっちかな?」
服の中に手を入れ、人差し指でお腹をなぞる。
「ぉわっ」
一瞬にして寒気が全身を這い、鳥肌がたつ。それと同時にピクリと痙攣する。
「これでも……」
「起きた、起きたよ」
さらに何かをしてきそうな雰囲気だったため、諦めて体を起こす。そして徐々に意識がはっきりしてきて寒いことに気づく。
「あ、おはよ、お兄ちゃん」
「おはよ……さむっ」
周りを見渡すとベットの下に布団が落ちていた。それを手に取ろうとすると陽冬美がひっぱってきた。
「だめだよ、また、寝たら」
「寝ないよ」
そんな気はなかったが陽冬美には寝るように見えたようだった。
「だめだょー」
陽冬美は力一杯引っ張るが僕には敵わず逆に僕に体ごと引かれる。それでも引っ張るがついには負けて僕に倒れこむ。
「おわっ!」
布団が僕に被さりさらにそこに陽冬美が被さる。
ぼくはふとイタズラしたくなり寝息を立てたふりをする。
「寝ちゃだめだって」
そう言って力一杯布団を剥ぎ取る。今回は素直に布団を渡す。
チラリと目を開け、陽冬美の様子を伺うとしょんぼりしていたのですぐに起きる。
「ごめん、ごめん、飯食べよ」
陽冬美はそれを聞いた途端嬉しそうに駆け足気味でキッチンに向かった。
ぼくはやれやれといった感じを装いキッチンに向かった。
「いただきます」
「いただきます」
ニュースをつけながら陽冬美の用意してくれたトーストにかじりつく。
「あ、ベストオブブック賞、失った思い出に決まったんだ、あれ良かったよね」
テレビではベストオブブック賞の表彰の様子や本の紹介、作家の紹介等を行なっていた。
「あ、ほんとだ、だけど、私はそんなに好きじゃない」
「えー、面白かったよ」
「女の子の気持ちがビミョー」
「そうか?」
そんなことを話しながら最後の一口を放り込み、牛乳で流し込む。
「陽冬美、早く食べて! 学校遅刻するよ」
「お兄ちゃんが起きるのが遅かったのが悪いんだよ」
僕は何も言えず陽冬美が食べ終わるのをゆっくり待って一緒に学校に向かった。