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番外編 彩友美のバレンタインデー
「起きてくださーい」
ぼくの頭をノックする妹の彩友美。
そんなので起きると思っているのか。
不思議だが実際起きたぼくもどうかと思うがまた寝ることにする。
「ダメですよー、おきてくださーい」
「チョコをあげるので起きてくださーい」
そう言って明らかに市販品の袋を開ける音がする。
「はい、あーんしてくださーい」
ぼくは寝ているということなので目を閉じ、口も閉じる。
しかし彩友美は容赦なく無理やり口の中に押し込もうとする。
「私のチョコ……あ、これ製菓用のチョコだった、ま、いっか」
え、彩友美さん?
それはどういうことですか?
不安になり目を開ける。
「袋には確かに製菓用とあるが違いがわからない。
味は大して変わらないため大丈夫だろう。
しかし不安になる。
それ以上食べるのをやめた。
「朝食食べようか」
「これが朝食だよ」
そう言ってまたチョコをぼくにたべさせようとする。
ぼくは逃げるように学校に行くことにした。




