二人の約束
「ありがとう、お前がいたから俺の人生楽しかったよ。…もし、来世があったらまたお前と一緒に居たいな」「任せろ、例えあんたに記憶がなくても性別が変わってても見つけてみせるよ」
そう言うと彼は皮肉気に、
「自慢の鼻でか?」
「信用してないな?」
「まあな」
そう、やり取りした後二人は。青年と一匹は。怪物と少女は。懐かしそうに、楽しそうに、けれど寂しげに笑った。
やがて、立ち上がった一人は、一匹は、少女は、固い決意を胸に刻み付け
「またの」
昔々に世界の片隅であった、二人のちっぽけな約束。
それから数百年。
ところ変わって、ロローン大陸。ここは、世界一栄えてる国。そして、魔術異能力研究学院がある国でもある。景気がいい国には物や人が集まりやすくなる。そんな訳で学院の前には学生や教授、業者の方々がいるわけで。色んな人がいるとも聞いてたけど、こいつは予想外。目の前にちっこい変な電波女がいる。それは予想外なだけど。
「もしもし?あの誰かと間違えてないですか?」
「…前世の記憶はないのじゃな。まあ何とかなろう!!」
いやいや、全然なんともならないから!
「忘れておるのなら自己紹介からじゃな!わしは暁ともうす。もう一度よろしくの!」
見た目十二歳前後の少女はよくわかないことを言っているけど、気にしなくていいか私の見知った子じゃないし。
「後、今日からご主人の家でお世話になる」
「え?」