大統領と私立探偵
昔むかし・・・
22世紀後半・・・
合衆国大統領初のアジア系女性が当選したので街は盛り上がっていた。
その中に私立探偵のマークという男がいた。
タバコをふかしながらパレードの行列を見る。
アジア系大統領?そんなに盛り上がることなのかぁ?
マークの目線の先には大統領が通行人たちと握手をしていた。
腰まである長い黒髪をうなじのところで結んで着物のようなものを着ている。
ジャパニーズかな?
結構若いんじゃないか?!
マークは大統領に近づいていった。
まだ20代半ばといったところだろうか?
マークも通行人に混ざって大統領に握手を求めた。
その瞬間・・・
ズドーン!!
大きな銃声が鳴り響きマークは背中をハンマーか何かでぶん殴られたような感覚に襲われた!!
撃たれたのか?!
その瞬間マークの感じている時間がスローになる。
大統領に倒れかけたが踏ん張って立ち止まり後ろを振り返る。
これだけの人ごみの中だ!!高い場所からの狙撃に間違いない!!
マークは正面にある高層マンションを下から上に見た。
地上5、6階であろうか?ライフルなどに装着しているスコープがきらっと光った。
あれか!!!
マークは脇の下のホルスターから357マグナムと取り出しそこをめがけて2発撃った。
ポリスアカデミー時代は射撃大会で毎回優勝していた凄腕である。
マークはその場に倒れこんだ。
大統領が抱きかかえる。
「お怪我はありませんか?大統領・・・」
マークは気を失った。
マークが目を覚ますとそこはホテルの一室のベッドの上だった。
そこらへんの安ホテルではない。VIPルームである。
脇には大統領が心配そうな顔をしてマークを見つめていた。
「おお!?気がついたか!?」
「ん?大統領・・・無事でなによりです・・・」
「おぬしが身代わりになってくれたおかげで無傷じゃ!!撃ったやつもすぐに捕まえたぞ!」
やっぱりジャパニーズか・・・
マークは懐に手を入れてタバコを取り出した。
空・・・
「大統領・・・タバコもらえますぅ?」
Tシャツにジーパンというラフなスタイルの大統領はマークにタバコを1箱手渡した。
マークは新品のタバコの封を開いて一本取り出して火を付けた。
満足げに煙を吐き出す。
「しかし、おぬしは頑丈じゃな?ライフルで撃たれたのに打撲だけですんでしまうのじゃから・・・」
「職業柄・・・いつ撃たれてもおかしくないんで最強の防弾チョッキ着てますから・・・」
「おぬし・・・何をしておる?」
「私立探偵です!」
「私立探偵など辞めて、わらわのSPにでもならんか?」
マークは立ち上がりタバコをくわえたまま・・・
「ありがたいお話ですが・・・遠慮させていただきます」
「なぜじゃ?いい話だと思うんじゃが・・・?」
「しばられるの嫌いなんですよねー」
マークはにこっと笑って大統領に近づいた。
大統領も苦笑いをしながら・・・
「おぬしも頑固よのう・・・まぁよいわ!このまま何もなしで返したんでは格好がつかんのでな!礼をさせてくれぬか?!」
「礼といいますと??」
「おぬし・・・どこか行きたい所はあるか?」
「?」
「VIP待遇で旅行をプレゼントしようではないか!」
「おおっ!?」
「それだけではないぞ!!これも付ける!!」
大統領はジーパンの後ろポケットからカードを取り出してマークに渡した。
「?」
マークは手渡されたカードをマジマジと見つめた。
見た事ねーぞ・・・こんなの・・・
ガラスカードのようなものに一本黒い線が入っている・・・
「おぬし・・・見た事なかろう・・・?ゴールドプラチナブラックの上のクリアカードじゃ・・・!!」
「・・・!?もらっちゃっていいんですかぁ!?」
「よいよい!命を助けてもらったのじゃ!!いくらでも使うがよい!で・・・どこに行きたい?」
大統領が口の端に笑みを浮かべてマークににじり寄る。
マークはしばらく考えた。そして・・・
「インド・・・」
「ん?」
「本場のカレーが食いたい!!」
「うむ、よかろう!でわ傷が治るまでここにいてかまわんぞ!治ったら出発じゃ!!」
大統領はそう言って部屋を出て行った。
うむ・・・取り残されてしまった・・・
マークは大統領が出て行ったドアとクリアカードを見つめた・・・
もう探偵辞めよっかな?
働かなくてももう困ることはないし・・・
でも働いてないと人間堕落しちゃうからなぁ・・・
やめるのはやめて・・・
依頼の量へらそっかな?
・・・って、今でも少ないじゃん!?
と、いろいろ考えてるうちに・・・
時間は流れて・・・
次回 インインド をお楽しみに!!
っと・・・
20年以上前にLINKSってとこで
連載してたStarLightCity2091ってやつのの続きもんです!
自身のブログでも公開していたのですが・・・
こーゆー専門的なところでも公開してみよっかな!?
って、思いまして・・・