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レミの本心

ガサッと大きな音を立てて毛布をはぐり、レミが目覚めた。レミは、まず最初に仲間の姿を探した。仲間―――レイとショウは、横にあるソファに横になって眠っていた。

「私・・・そうだ、カヘン団の壱宮に殴られちゃって・・・それで・・・」

そして、恐怖で顔をひきつらせた。―――もしかしたらこの2人は、“眠っている”のではなく“永遠の眠り”についたのでは・・・。

頭の中で必死に否定する。しかし、一度芽生えた不安はそう簡単には消えてくれなかった。

もし、本当にそうだったら・・・そう考えると、レミの瞳から涙が伝った。

その時だった。



「レミ・・・起きたのか?」



はっとしたレミがソファの方を向くと、目をこすりながらレイがこちらを向いていた。ショウは、相変わらず眠ったままだ。レイは、レミの目もとに、何か光る物を見つけた。それは涙だった。レイはショウを起こさぬよう、そっとレミのそばに歩み寄った。そして、レミを自分の部屋に連れて行った。



「レミ、どうしたの?」

大方予想はついていたが、レイはあえて質問した。

「ううん、そんな大したことじゃないの。でも・・・私、皆と違って、カヘン団と戦うの、今日が初めてでしょ?だから・・・その・・・ショックが大きくって・・・私、足手まといだったでしょ?ごめんね・・・」

レイが出会った明るいレミは、今ここにはいなかった。今いるのは、暗く沈んだレミだった。そんなレミを見ていると、レイの心が締め付けられた。

「そんなことはないよ、レミ。君は、十分頑張ってるからな。これから頑張ったらいいさ」

今は、ただそういうことしかできなかった。レイ自身も、心と体にすごいダメージを負っていた。そんな自分に、レイは嫌気がさしていた。しかし、そんな一言にレミは励まされた。

「ありがと、レイ」

レミは、今自分ができるだけの笑顔で、レイに言う。そんな笑顔を、レイは嬉しくも思ったが・・・泣いているようにも捉えた。そして、レミの事を優しく抱きよせた。

「大丈夫だよ、レミ。君なら、絶対に出来るさ」

うん、とレミは言いながら、そのままレイの腕の中で、再び深い眠りに落ちて行った。そんなレミを抱きかかえ、レイはレミをレミの部屋のベットに寝かせた。そして、ショウのこともショウの部屋のベットに寝かせ、レイ自身も自分の部屋のベットに横になった。

空には、美しい星がきらめいていた。



翌日、3人は回復していた。

レミは、元の明るさを取り戻していた。そのことに、レイは内心ほっとした。

3人は、ショウの部屋に集まり、朝食を取った。今日の朝食は、バタートーストとリンゴのコンポートとヨーグルトとチーズのスクランブルエッグ、ドリンクはアップルジュースだった。

「カヘン団のアイツ・・・実は俺、昨日初めて会ったんだ。でも、アイツは俺とレイのことを知っていた。レミが、新しいメンツだってこともな・・・」

ショウが言った言葉に、レイもうなずいた。

「実は俺もなんだ。あんな奴、見たことなかった。そして、予想以上に強かったよな・・・」

2人の会話を、レミは黙って聞いていた。その間にも、ショウとレイは、会話を続ける。―――レミは、2人の足をひっぱらないか、迷惑をかけていないか考えていた。2人の前では、いつものような明るさを保つよう心掛けていたが、心の中では泣きだしたいくらいだった。

レイとショウの会話を、レミが聞き流す朝食が終わり、レミはカヘンヘンカから出て、カヘンシティに行くことにした。今来ていた戦闘用のカーキのショートパンツと、ピンクのポンチョ等を脱ぎ、つい先日買ったエプロンワンピとショートブーツをはいた。



「じゃあ、いってきまーす!」

大きく声を張り上げて、レミは玄関から飛び出した。

「ちょっと待てっ!レミっ!」

その後、後ろから、大きな声が聞こえてきた。はっとして振り向くと、後ろからショウが追いかけて来ていた。

「ショウっ!?どうしたの、その格好・・・」

そんなショウは、ジーパンと黒のロゴ入りのTシャツを着ていた。下には、ライトカラーのスニーカーも履いていた。

「いや・・・俺もカヘンシティに行きたくってな・・・レイに留守番任せて、ついてきた」

「そっか・・・なら、一緒に行こっ!」

「あぁ!」



2人は、軽い足取りでカヘンシティへと向かった。




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