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発見した少年

ショウとレミ・・・運命が2人を引き合わせ、2人はカヘンヘンカにアジトを置く最凶組織“カヘン団”から世界の平和を守るためにチームを組んだ。そのチームの名前は、“Messiah”―――直訳すると、“救世主”という意味になる。



「レミ、ウチに来るか?」

ふと言われたこの言葉に、レミは驚いた。

「えっ?ここに住んでんじゃないの!?」

「いや、違うぜ?ここはまぁ、休憩所?っつーの?」

頭をかきながらショウは窓からとあるビルを見た。そのビルは、カヘンシティではそう、昨夜レミの泊まったあのホテルになるビルだった。

「え・・・あそこに住んでるの?」

レミは、目を見開いてビルを見つめた。そして、無性に行きたくなった。そのまなざしに気がついたショウが、“行くか?”と言う顔をしたから、レミはうなずいた。



レミは、同じビルなのにその違いに驚いた。

カヘンシティのホテルは、きらびやかで華やか。それでいて憩いの空間でもあった。ロビーにひとたび入れば、豪奢なシャンデリア。高級な絨毯やテーブルやソファが置いてあり、室内植物園まであった。しかしこちら・・・カヘンヘンカのホテルでは・・・電気は付いていないし、電気どころか人の気配すらない。カーテンがかけられたところが、おそらくショウの住んでいるところだろう。ロビーのあった場所には・・・古びたろうそくがあるだけで、シャンデリアなんて形もない。絨毯やテーブルやソファはボロボロで、高級感なんてなかった。

「ショウは、何階に住んでるの?」

レミが訪ねた。ショウは、目の前にあるエレベーターに乗り込むよう指示しながら、“20”と書かれたボタンを押した。そしてついたのは、昨晩レミが泊まった部屋の位置と同じだった。

「ここだよ。散らかってるけどさ・・・入って」

少し照れるショウが可愛いように感じたレミも、顔を赤らめた。そして、部屋に入ったら・・・

「なにこれっ!すっごいきれいじゃん!」

感嘆の声をあげた。そこには美しい絵のような部屋があった。そんな部屋のバルコニーから、隣の部屋にも行けた。その部屋も十分奇麗だったが、人の住んでいる気配はなかった。

「こっちの部屋は・・・?」

「あぁ、これは・・・その、あれだ。レ、レミにやるよ」



数分後・・・

レミは、自分の荷物を新しくもらった部屋に運び込み、ショウの部屋に再び集まった。その時、ショウは思わず驚きの声をあげた。

「おい、さっきの服はどうしたっ?」

―――レミは、さっきまで来ていた新品のエプロンワンピを脱ぎ、黒いタイツとカーキの短パンとピンク色のポンチョ風のカットソーを着ていた。下には茶色の網上げブーツをはいていた。

その容姿は、さっきのガーリー系とは違い、クールでかっこいい感じだった。そのギャップに魅了されたショウは、思わず顔を真っ赤にする。その様子を見てなぜかレミまで赤面。



そして、しばらく話をした後、レミがふと言った。

「私、そと行って探検してくるねっ!」

「あ、ちょっ・・・!」



勝手に出てきたレミは、走ってとあるビルの後ろへと行った。

「はぁ、はぁ・・・もう見つかんないよね・・・?ショウには悪いけど・・・危険がたくさんって知ってるけど・・・私、探検したいもんね!」

そう小さくつぶやくと、レミは歩き始めた。



―――はぁ・・・はぁ・・・



どこかからそんな声が聞こえてきた。最初は幻聴かと思ったレミだったが、その声は、だんだん大きくなっていった。だから、大声で叫んで探し回った。

「だ、だれか・・・いるのーっ!!」

・・・しかし、返事はない。―――もしかしたら、返事ができないのかも・・・。そう考えたレミは、呼ぶのをやめ、ただ探し回った。



そして見つけた・・・

―――ビルの後ろに、真っ赤な顔をして倒れている男の子が・・・!




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