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運命の出会い

「ありがとうございましたー!」

レミは、泊まっていたホテルに部屋のカギを返して、ホテルから出た。そう、いよいよ旅の始まりだ。ドキドキとわくわくが交差するなか、レミは朝のすがすがしいカヘンシティを歩いていた。カヘンシティの雰囲気は、朝と夜では大きく違うということを、レミは1日で知った。

下に降りると、何かそわそわした様子の女性が立っていた。近づくと、その女性が誰なのか分かった。つい数十分前に会った女性、リカだった。

「リカ!どうしたのー?」

「あッ、レミ!」

リカはレミに気がつくと、急ぎ足でレミの方へとかけてきた。そして、手に持っていた荷物を手渡し、こう言った。

「これっ、レミ、旅に出るんなら、この首飾り、付けときなっ!」

「これは・・・?」

レミはそう言われると、自分の手のひらにある大きな輪のついた首飾りを見た。

「これはっ、この世界の守り神の“メサ”様の魂が宿るとされる木で作った輪のついた首飾り!よく、旅のお守りにするのさ!」

そういうリカの胸元にも、同じような首飾りがついていた。

「リカ・・・ありがとう!大切にするっ!」

そういうと、レミはリカにハグをした。そして、その首飾りを首にかけ、人の多くなってきた町に向かって歩き出した。後ろでリカは、

「いつでも、会いにおいでーっ!」

と叫んだ。しかしその声は、騒音にかき消され、レミの耳元まで届かなかった。



町の中は、予想以上ににぎやかだった。そして、たくさんの店もあった。果物や野菜を売っている店、雑貨屋、惣菜屋・・・色々なものがあり、目がちかちかした。

しばらく歩いたところで、レミは服屋へと入った。そして、少女服のコーナーへと行った。

「むむっ・・・可愛い服ばっかで、困るー・・・このライムグリーンのワンピースも胸元のバラの刺繍が可愛いし、この水色のサロペも可愛い・・・あ、でも、この桃色のドットのTシャツと茶色のキュロットもかっこいいし、でも、この紫の肩だしのニットのワンピースもかっこ可愛い・・・もう、迷っちゃう!」

―――そう悩み続けること45分・・・。

レミは、1着の服に着替えてお店から出てきた。それは、柔らかな桜色の、裾がかなり膨らんだエプロンワンピだった。腕の部分もふんわり膨らんでいて、女の子らしかった。下には、茶色のショートブーツを履いている。ブーツの後ろ側には、純白の白いレースがリボンのように通され、結ばれていた。そして髪の毛は・・・ウェーブがかけられたショートになっていた。その容姿は非常に整っており、道行く人が振り返るほどだった。



そのまま歩き続けた時・・・レミは、町の裏側へと来てしまっていた。人気はなく、いるのはホームレスと思われる無精ひげの生えた汚らしい人ばかりだ。そんなところに、レミは細い路地を見つけた。―――その路地に、レミは興味を持った。そして、気がついた時にはもう、足を踏み入れていた。



路地の中は、まるで迷宮迷路のようだった。入り組んでいて、終わりがなかなか見えなかった。レミは、壁伝いに歩いた。そして、とうとうたどり着いた場所は・・・

「お、お店・・・?」

そこは、古びた閉鎖中のお店だった。飾り気なし、ネオンもなし、電気もなし、看板までなし、そして人の気配は・・・

―――ドスンッ、バコッ・・・!

そのお店の中から、大きな音がした。レミはとっさに思った。―――この中に、誰かがいる・・・!そう感じ、レミはドアの取っ手に手をかけ、ドアを開けてしまっていた。その瞬間だった。

「危ねぇ!逃げろっ!!」

お店の中から誰かの声がした。レミは前を向く。そこにはものすごい形相をしてこちらにかけてくる謎の人物が・・・。一瞬逃げようと思った。しかし、逃げる場所もない・・・。そして見つけた。―――すぐそこに、長い木の棒が落ちている。レミはその棒をドアのところにかけた。そして・・・

―――ドスンッ・・・!

「いってぇ・・・お、おぼえてろっ!!」

そういうと、追いかけられていた人は、嵐のように去って行った。その人を目線で追っていると、追いかけていた人と目があった。その人は、呆気にとられたような顔をしている。

「あ、ありがとな・・・それに、しても・・・すげぇ・・・な」

とぎれとぎれに言う言葉を一生懸命聞き、レミは理解した。それから少し得意げに、笑顔を作って見せた。

「いや、全然!でも、あなたは大丈夫・・・?」

そういって差し伸べた手を取って、追いかけていた人―――1人の少年は立ちあがった。よく見るとその少年は、レミと同じ年くらいの幼い少年だった。その少年は、レミの瞳をまっすぐに見つめながら、急に言った。

「アンタ、“カヘン団”を一緒に倒せっ!だから、一緒に“カヘンヘンカ”へ来い!」

「・・・はぁ?」

レミは、変な声をあげた。そして、少し混乱した。

「待ってよ、私、偶然ここに来ただけだし、それに、“カヘン団”って・・・“カヘンヘンカ”って何?それに、あなたは誰?」

「俺は、ショウ・ドーズル。アンタは?」

少年―――ショウはそう告げて、またレミを見つめた。レミは、少し落ち着いて続けた。

「わ、私は、レミ。レミ・レナルド。じゃあ、ショウ、“カヘン団”とか“カヘンヘンカ”とか何?」

そうレミが言うと、ショウは困ったような顔をした。そして、何か覚悟したような顔をして、口を開いた。



「・・・カヘン団は、clearworld最凶の組織。そしてカヘンヘンカは、もう1つのカヘンシティ・・・いわゆる、パラレルワールドみたいなもんだ!俺は、そんな組織を追っている」




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